植民地支配責任を考える 4・28『沖縄デー』
沖縄・安保・天皇制を問う4・28─29連続行動
沖縄・安保・天皇制を問う4・28─29連続行動実行委員会は、28日に「植民地支配責任を考える─4・28『沖縄デー』集会(文京区民センター)を行った。続いて29日は、「沖縄・安保・天皇制を問う4・29デモ」を行った。
実行委は、①岸田政権による「加速する異次元の軍拡」に対して戦争の具体化を浮き彫りにし ②日本(ヤマト)政権による沖縄差別・植民地的支配の継続の一環として辺野古米軍基地建設があり ③「侵略・植民地支配の歴史の改竄・糊塗」の歴史を批判した。
そのうえで実行委は呼びかけで「サンフランシスコ講和条約と日米安保条約の発効から72年目」の観点から次のように批判し、今後の方向性を打ち出した。
「反省なき象徴天皇制国家・日本は、日米安保体制のもとで、改めて沖縄を最前線とする戦争へと邁進しているように見える。米軍・自衛隊一体となった『有事』への準備は、明らかに戦争の挑発でもある。
そうした中で、サンフランシスコ講和条約と日米安保条約が発効した4月28日と戦争責任・植民地支配責任をとらずに延命した昭和天皇の誕生日であった4月29日に今年も連続行動に取り組む。
『台湾有事』を声高に喧伝し恐怖をあおり、琉球弧のミサイル基地化を中心とした『異次元』の軍拡と米軍への従属的一体化を進める日本政府に対し、軍拡・戦争反対の声と、侵略戦争・植民地支配の歴史を改めて見直し、責任追及と謝罪・補償を求める声をあげていこう!」と訴えた。
植民地支配責任を考える─4・28『沖縄デー』集会
28日の「植民地支配責任を考える─4・28『沖縄デー』集会は、問題提起として駒込武さん(京都大学教員)が「台湾植民地支配責任を問い直す~帝国の狭間で翻弄されてきた人々の声に耳を傾ける~」というテーマで講演した。
駒込さんは、冒頭、「台湾は中国の一部」なのかと問いかけながら、「国境が線として画定され、民族的な帰属が重要な位置を占めるのは近代においてのことだ。台湾の人びとは近代という時代に植民地支配に抗する経験の中で『台湾人』という意識を育んできた。中国大陸とは異なる歴史的経験の帰結だ。歴史上の特定の時点での中国大陸とのつながりだけに着目して『台湾は中国の一部』とみなす歴史認識は近代における台湾固有の歴史的経験を無視ないし軽視するものだ」と批判し、これまでの歴史認識・定義などの在り方そのものから再構築していく姿勢が求められることを強調した。
そのうえでこれまでの台湾の闘う主体と主張を紹介し、日本権力者たちの「台湾植民地支配責任に向き合うこと」について焦点化して以下のように提起した。
①日本植民地支配下において台湾の人びとは占領の暴力、国家神道体制の暴力に直面した。こうした帝国日本による政治的被抑圧の経験が「台湾人」意識の核となる。
②植民地支配からの解放後、「台湾人」は「恥知らずで卑劣で笑うべき台湾統治理論」(天皇制)を批判し、日本人民衆の手は血で汚れていると告発した。しかし、中華民国政府(蒋介石)が台湾を再植民地化、台湾人エリートを殺害し、日本政府と提携することで日本の台湾植民地支配責任を免責した。左翼を含めて日本「本土」住民は単に台湾を忘却した。
③1972年の「沖縄返還」と「日中共同声明」は大国間の取引という性格をもつ。台湾と同じように独自の歴史を刻んできた沖縄では「島弧少数の民」の自己決定という観点からこれを批判する声が登場した。だが、その声も日本「本土」にはほとんど届かず、植民地主義者の心性が伏流水のように流れ続けている。
最後に駒込さんは、「台湾の歴史と現在を『知る』場所をつくり、日台の真の友好を準備する取り組みとして『自主講座 認識台湾』を行っている」ことを報告し、クラウドファンディングへの協力を呼びかけた。
沖縄・安保・天皇制を問う4・29デモ
当時の第一次安倍政権(2007年)は、死んだ天皇裕仁の誕生日を天皇制民衆統合の強化に向けて4月29日を「昭和の日」(2007年制定)としてデッチ上げた。実行委は、天皇制賛美のための「祝日」が植民地支配責任・侵略戦争責任を免罪するものであり、日米安保体制下において天皇制が戦争国家を支える役割を担い続けていることを批判し、天皇制解体に向けてデモを取り組んだ。
原宿・神宮橋に集合し、渋谷に向けてデモンストレーションを行った。渋谷一帯にわたって「『昭和の日』反対! 昭和天皇裕仁を賛美するな! 天皇制の記念日を祝わないぞ!」のシュプレヒコールを響かせた。 (Y)
「昭和の日反対!」渋谷一帯にスローガンが響く(4.29)
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