4.25第4次署名最高裁判所署名提出行動

福島原発刑事訴訟支援団

福島原発事故の責任を免罪するな

国家的犯罪は明白

 【いわき】東京電力福島第一原発事故の責任を免罪する構造が、構築されている。構造は国・裁判所・東京電力の三者で構成する、トライアングルである。2022年6月、福島第一原発事故について、最高裁判所は国の責任を否定する「国に責任は無い」との不当判決を下した。
 菅野博之裁判長及び、岡村和美・草野耕一の両判事はこう判断したその後、菅野裁判長は判決後停年退職し、翌8月「長島・大野・常松法律事務所に顧問に就任した。 
 株主代表訴訟は東京電力元幹部4名に対して福島第一原発事故の責任を問い損害の賠償を求めた訴訟である。 この法律事務所所属の4弁護士は東京電力株主代表訴訟で東京電力の代理人であった。他方西村あさひ法律事務所の新川麻弁護士は2012年から経済産業省のエネルギー関連の八つの専門委員会で委員を務め2021年東京電力の社外取締役に就任した。そして財務官僚新川浩嗣さんと婚姻関係にあり、安倍内閣では首相秘書官を務めた。現在の最高裁判所判事草野耕一は15年年間、西村あさひ律事務所代表経営者であった。(ノーモア原発公害最高裁判決と国の責任を問う。吉村良一・寺西俊一・関礼子著、旬報社発行より)福島第一原発事故について東京電力の元幹部の責任を問う刑事訴訟について東京地裁、高裁は被告人無罪の不当判決を下した。原告が控訴し審議は最高裁判所に移された。
 原発事故刑事訴訟支援団は、この構造の打破原発推進は国策、事故起きても国の責任問わないのはおかしい、と司法の独立を問う活動を展開中である。有罪判決を勝ち取るにはトライアングル構造の打破は不可欠である。

 県の暴挙を
 糾弾する!

 4月25日福島原発刑事訴訟支援団は第4次署名最高裁判所署名提出行動を実施した。行動には、原発事故被害者が避難者と共に福島県内外から行動に参加し、最高裁前でアピールをした。避難者は、原発事故避難者を住居から追い出す(原発事故避難者には当初県が無償で住宅を提供した)県の暴挙を糾弾し原発事故避難者の窮状を報告した。福島原発事故刑事訴訟支援団副団長武藤類子さんが発言し福島の状況を報告した。
その後弁護士会館へ移動し講演会を開催した。

海渡弁護士が
行政責任追及

 講演会は冒頭に海渡弁護士及び福島原発告訴団副団長武藤類子さんがあいさつした。
 海渡弁護士は福島原発事故裁判について、事件の概要は単純である。津波は予見されていた、国は津波到達を予見し、対策を求めた。東電は当初対策工事着工方針だった。しかし御前会議で対策を先送りした。検察は当初は起訴方針だった、しかし何らかの相当な圧力が入り基礎を断念した。それを検察審査会が覆し強制起訴となった。東京電力の魔の手は司法にも伸びている。それを否定するなら、三浦判事は自ら審議から退くべき、他の判事もその方向で尽力すべき、と述べた。

市民訴訟上告
棄却を批判

 福島原発事故告訴団副団長の武藤類子さんが最高裁は、原発事故市民訴訟の上告を棄却したと発言。原発推進は国策、事故発生しても国の責任問わないのはおかしい。1Fでは被曝労働が続いている。事故により双葉病院入院患者50人が命を亡くし、13年経っても立ち入り禁止地域がある。カウントされていない人も含め6万人が還れない状態だ。原発は一旦コントロール不能になると悲惨な被害を発生させる危険極まりない物。しかし東京電力は津波発生が予想され対策も指示されていた。責任を問われないのはおかしい。無罪で良いのか。こうした対応が東京電力の原発事故の杜撰な収束作業を発生させている。と述べた。

責任回避の
裁判官を批判

 講演は元福井地方裁判長樋口英明さんが「司法権の独立と裁判官の責任」をテーマに行った。
 司法権の独立について、憲法76条は「全ての裁判官は,良心に従い独立して職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される」と規定している。原発の本質は「人が管理士し続けないといけない。安全3原則を「止める」「冷やす」「閉じ込める」と指摘。2022年6最高裁、福島原発事故国家賠償訴訟の争点を①本件長期評価は信用に値するものであったか、②仮に本件長期評価が信用できるとした場合、経済産業大臣が東京電力に対し、津波対策をとることを命ずるべきであったか否か、③仮に、津波対策を命じたとしたら、福島原発は防ぐことができたか否か、と指摘。多数意見は①、②の争点について判断しなかった。その理由を原子力基本法・原子炉規制法・電気事業法等の法解釈が必要、それには原発の本質に対する理解と考察が必要であり、多数意見は原発の本質に対する議論を避けるために争点①、②を無視した。 また多数意見は国民の側に軸足を置かず、国の側に軸足を置き法の番人の役割を放棄し、「法と論理に従う」のではなく「結論ありき」の判断をしたことが疑われると指弾した。東京電力元3幹部は有罪だ!高裁判決を覆えそう。司法に延びる東京電力の魔の手を絶とう。三浦判事は東京電力の審議から身を引け,最高裁判所は司法の独立を遵守せよ。  (浜西)

司法の姿勢を厳しく指弾した樋口英明さん(4.25)

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