「復帰」52年の沖縄 5・18新宿デモ
我々は軍事植民地化を拒否する
照屋寛之さん( ミサイル配備から命を守るうるま市民の会共同代表)のスピーチ
【東京】5月18日午後2時半から、新宿駅東口アルタ前で、「『復帰』52年の沖縄 我々は軍事植民地化を拒否する5・18デモ」が主催:沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックで行われた。集会後、新宿駅をぐるっと回るデモを行い210人が参加した。
「復帰」とは何だったのか
沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの平良愛香さんが主催者あいさつをした。
「5月15日は、沖縄の施政権が日本に『返還』された日だ。事件が起きても米軍が全部無罪になった。そうしたことがずっと続いていた。ベトナム戦争で沖縄は加害者になっていった。基地があることで被害者にも加害者にもなった。ベトナムの人たちは沖縄のことを『悪魔の島』と呼んだ。沖縄からベトナムに薬を送ろうという話になった時に、ベトナムの人に、『薬を送る前に殺しに来るのを止めてくれ』と言われた。今、辺野古で基地建設を止めているのは、これ以上基地被害を増やしたくないから、これ以上戦争を作り出す島になってはいけないという思いが強いからだ」。
「アメリカに支配されていた27年間、日本政府が憲法9条を持ったことを知った。戦争はしない、軍隊を持たない。復帰が近づき、これが完全なまやかしだと気付いた。軍事基地はまったくなくならない。そればかりか、軍隊である自衛隊が配備される。これに多くの沖縄の人びとは憤った。佐藤栄作首相が国会で演説していた時、沖縄の青年が爆竹を鳴らし抗議した。5・15は悲しく腹立たしい日だ」。
次に、琉球舞踊「鳩間節」が與儀睦さんによって披露された。
自衛隊訓練場建設阻止は闘いの成果
ミサイル配備から命を守るうるま市民の会共同代表の照屋寛之さんが沖縄からやってきてスピーチした。
「うるま市では自衛隊の訓練場の問題で、市民が大いに闘い、ついに断念まで追い込む大きな勝利を勝ち取った。あまりにも政府のやり方がでたらめ過ぎる。住宅地域の裏側に、訓練場を作ったら、生活できますか。県民を何と思っているのだろうか。本当に腹立たしくなる。近くには県の青少年の家がある。4万人の子どもたちが利用している。23年度は5万人以上が利用した。こんな所に訓練場を作るということは防衛省は市民生活をまったく無視している。市民の力によって中止させたことに意義がある」。
「4月11日に、うるま市の市長と県の自民党トップが防衛省に行った。その一時間後に、断念したと発表した。今、沖縄は県議選が真っ盛りだ。県議会は与野党伯仲だ。これを何とか逆転しないとまた、玉城デニー知事が辺野古の問題で裁判を起こすかもしれない、という危機感の表れだ。絶対に県議選で勝利しなければいけない。そのために電話かけなど応援してください」。
「72年経った復帰。基地を撤去するまで、まだ復帰を獲得したことにはならない。地上戦を戦って、終わったら米軍基地になった。『国土防衛』のためですよ。たった3カ月で9万4千人が亡くなった。
1947年に、天皇がマッカーサーに、『沖縄を25年から50年使って良い』とメッセージを送った」。
「復帰の時期には米軍基地の日本本土と沖縄の割合は沖縄6対他府県4だった。今は7対3だ。沖縄1県で7割、その他46都道府県で3割。こんなことは許されない。米軍基地被害をたくさん受けた。私が16歳の時、1968年のB52の爆発の時光を見た。恐いものを見たと驚いた」。
「そしていま、アメリカの対中戦争の時に、沖縄を使ってやりたい。嘉手納基地もある普天間基地もある、キャンプハンセン、キャンプシュワブなど基地がたくさんあるからだ。復帰時に、基地の整理縮小をしなかったからだ。台湾有事とか対中戦争でこれを使う。これらの基地がなかったら、対中戦争で沖縄が巻き込まれることはない。すべて沖縄が苦しむのは日本政府のせいだ。復帰後はアメリカ政府と日本政府がいっしょになって、沖縄を苦しめている。かつて日本の防波堤にさせられた。今度は日本とアメリカの防波堤にさせられようとしている」。
「これを止めるために、われわれは体を張って訓練を止めている。そうして闘って闘っていかなければならない」。
続いて、参加者の連帯のあいさつに移った。東水労の仲間が沖縄平和行進の取組みを報告した。東京東部・沖縄と連帯する集会実は、毎月1回の北千住・錦糸町での駅頭宣伝、5月22日の報告集会、そして7月5日~9日の沖縄現地行動への参加を報告。止めよう辺野古国会包囲実は7月11日院内集会・防衛省申し入れ行動と夜の文京区民センターで北上田毅さんを呼んだ講演会を開くことを明らかにした。
非常に日差しが強かったが、元気よく新宿の街を「沖縄に基地はいらない」と訴えた。
(M)
「復帰」52年の沖縄 新宿デモ(5.18)
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