巨大開発(成田空港拡張)の横暴にNО!を

横堀農業研修センター裁判を支える会

昨年(2023年)8月2日、成田国際空港株式会社は、空港の東に隣接していた横堀農業研修センターの地権者に対して、土地の売り渡しと建屋の撤去を要求する裁判を、千葉地裁に起こしました。
 成田空港は現在、空港の機能強化と称して、第3滑走路の建設を進めています。
 現B滑走路の南側に3500mの滑走路を建設するこの工事は、空港の敷地を今の約2倍に広げ、20m以上の高低差のある谷を埋め山を削り、田畑を潰し、1000戸を越える住民に移転を迫る巨大な環境破壊工事です。
 飛行機の発着時間を延長し、年間発着回数を現在の倍になる50万回を予定するこの拡張計画が、騒音公害を激甚化・広範化させることは自明です。既に飛行時間延長の差し止め訴訟が千葉地裁に提訴されており、また、現状の騒音においてさえもその被害に耐えきれなくなった住民約150人による損害賠償の集団訴訟が提訴されています。
 また、広大な地面をコンクリートで覆うことによる地下水への影響や、行き場を失う雨水による浸水被害、森林伐採による野生動物への影響などの懸念があります。
 空港会社は、右肩上がりの需要予測を示して、空港拡大の必要性や雇用の増加を喧伝しています。しかし、この予測通りの需要増加が本当にあるのかは、はなはだ疑問です。巨大開発が計画される度に、事業者に都合の良い設定やデータによる需要予測に振り回されてきた苦い歴史を、私たちは忘れてはいけません。
 空港拡大の見返りとして周辺自治体に配られる周辺対策交付金。これも危険な罠です。交付金に頼る地域運営に未来はありません。私たちは交付金蟻地獄から脱却できた事例を、未だに聞いたことがありません。
 そもそも地球沸騰化や地球資源の枯渇などの危機が言われている現在、かつての高度経済成長やバブル期を追い求めるような経済の「発展」のあり方は、一度立ち止まって検証する時期に来ています。

 今回の土地売り渡しに関して、空港会社が地権者との丁寧な話し合いを模索したことは一度もなく、自らの成長の前では周辺の小さな地権などは蹴散らしてもかまわない、という態度に終始しています。
 横堀農業研修センターは、三里塚闘争連帯労農合宿所として1977年に開所して以来、45年以上にわたって、巨大開発や強者のゴリ押しによる生活破壊や人権侵害を問い続ける場として存在してきました。今回の空港会社の横暴には抗わざるを得ません。
 私たちは、ひとりひとりの生活や人権が重視される社会に向けて、この裁判に臨んでいます。是非、皆様のご注目ご支援をお願いします。
○横堀農業研修センター裁判 第3回 口頭弁論 2024年7月1日(月) 14時00分~ 千葉地裁 601号法廷

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