6・2 米軍Xバンドレーダー基地反対京丹後集会

民衆を犠牲にする戦争のための軍事基地はいらない

 【大阪】米軍Xバンドレーダー基地反対近畿連絡会主催の京丹後現地集会が6月2日、米軍Xバンドレーダー基地ゲート前で開かれた。右翼の街宣車とぶつかるのを避けるため、今年は丹後半島の東側を通るコースを行った。この策が当たり余分な時間が省け、そのおかげで、船屋の里で有名な伊根浦地区の船屋群を見ることが出来た。
 基地ゲート前のひろばは地主の方の厚意によって使用できたもので、ひろばの奥の斜面に広がる集落の墓地に向かって黙祷してから、集会が始まった。

戦争体制づくりとの闘い

 近畿連絡会の池田さんが主催者あいさつをした。まず、米国が支えるイスラエルのガザ住民虐殺を弾劾した。Xバンドレーダー基地は建設が始まって今年で10年。建設は、安倍政権が集団的自衛権行使容認をし、日本が戦争する国へと転換する時期に始まった。この基地建設は、日米の軍事一体化を促進し東アジアの緊張を益々拡大させるものであり、そのことに反対して活動してきた。東アジアでも日米の軍事一体化が進められ、安保3文書の閣議決定に基づいて戦争体制づくりが加速している。日米韓の軍事情報共有はXバンドレーダーとも結びついている。軍事訓練も年々強化され、戦争になればレーダー基地は真っ先に攻撃の対象になり、住民が被害を受ける。
 米軍中心の多国間軍事演習ビリアントシールドが行われ、あいば野でも日米合同軍事演習オリエントシールドが行われる。それに合わせて、京丹後でも軍事演習が行われるだろう。祝園弾薬庫拡張、舞鶴イージス艦へのトマホーク配備、あいば野合同軍事演習に対する闘いとも連携しながら闘っていこうとあいさつした。

基地建設に反対して10年

 地元宇川の「憂う会」代表増田さんがあいさつした、「この10年間毎年皆さん方が、この現地で集会をやり、また毎月戸別ビラを入れていただいたが、私どもは十分答えていない。
 その熱意に押されて、憂う会もこの10年間で300回を超える事務局会議を開き、年に1回の「いらんちゃフェスタ」も開いてきた。最後に一言、私は戦争という言葉を聞くと、腹がへったということを思い出す。それだけでも戦争はゆるしてはならんと思う」。
 続いて、京丹後市議会選で2期目の当選を果たした永井友昭さんがあいさつ、「4月24日経ヶ岬通信所記念イベントがあった。この日は、基地建設工事が始まった日である。基地の中には観客席ができ、楽隊の席ができ、前日はリハーサルが行われ、日本酒4斗樽が3つも並べられた。しかしこのイベントは市の広報には載っていない。市からは市長、対策室長、地元から袖志の区長さん(尾和の区長さんは都合で欠席)が呼ばれて参加した。米軍座間基地の司令官、近畿防衛局の諸局長があいさつしたようだ。市長に、住民の安心安全の件をちゃんと言ったのかと聞くと、イヤーとの返事。なめられているというのが正直なところだ。

初期の約束は守られていない

 元々はいろいろな約束があり、集団居住・集団通勤もそのひとつ。初めの頃はそれなりに守っていたが、しばらくすると、バラバラに住み、好きなように来て、好きなように帰っている。その既成事実だけが積み上げられていった。交通事故のことでも、情報はすべて出しますと言っていたのに、次第にいい加減になり、大事故を起こしていても1年間まったく情報が出なかったこともあった。ゲートの前に座って、司令官が来るのを待ち、情報を出せと要求し、少しは出すようになったが、初めの頃と比べるといい加減になっている。特に防衛局は、われわれが米軍と直接話をするのを止めるけれど、何もやってくれない。セレモニーの日の翌日から、レーダーの場所に足場を組んで工事をしていたが、オレンジ色のフェンスができた。それが何を意味するのかわからない。

特別注視区域の指定

 5月15日経ヶ岬の基地は特別注視区域の指定を受けた。説明会があったが、土地の売買には届け出義務があり、それを怠ると罰則もあり得るとされる。でも、誰が該当しているのか、明らかにされない。地図だけではわからないのだ。法律はできているが、具体的なことは何もわからない。基地があるばかりに義務を課され、守らなければ罰するという。阻害行為が具体的に何か明らかにされない。脅しだけはかける。私も議員として、市民が知るべきことを知らせていきたい。

あいば野集会に結集を!

 その後、昨年12月8日に逝去された中北龍太郎さん(米軍Xバンド基地反対近畿連絡会代表世話人の一人)の死に黙祷をした。8年間サードレーダー撤去闘争を闘ってきた韓国ソソン里のキム・ヨンジェさんからのメッセージが紹介された。続いて、近畿の4団体からアピールがあった。憲法をいかす奈良県民の会「今日、『祝園弾薬庫を考える奈良の会』の結成集会を開いている」、滋賀県平和人権運動センター「7月6日、自衛隊あいば野演習場での日米合同軍事演習反対集会に結集を!」、全港湾大阪支部「1946年組合結成以来。港を軍港化させない闘いに取り組んでいる。日米地位協定に基づく日米合同委員会で決められることが根本問題だ。政権を変えなければダメだ」、憲法いかす会ひょうご「米軍が要求すればどこにでも基地がつくれること自体がおかしい」。

 集会後、穴文珠堂を挟んでいる二つの地区袖志地区・尾和地区の集落内をデモ行進し、最後に、穴文珠堂の両側に位置する航空自衛隊経ヶ岬分屯所と米軍Xバンドレーダー基地前で抗議行動を行った。
                (T・T)

京丹後への米軍Xバンドレーダ基地反対(6.2)

週刊かけはし

購読料
《開封》1部:3ヶ月5,064円、6ヶ月 10,128円 ※3部以上は送料当社負担
《密封》1部:3ヶ月6,088円
《手渡》1部:1ヶ月 1,520円、3ヶ月 4,560円
《購読料・新時代社直送》
振替口座 00860-4-156009  新時代社