6.9大阪:老朽原発STOPを出発点に

大阪靭公園に1400人参加

とめよう!原発依存社会への暴走

地震も事故も待ったなし、福島と能登の教訓

 【大阪】6月9日、大阪靭(うつぼ)公園で「とめよう!原発依存社会への暴走」大集会が行われた。時折小雨がぱらつく中、関西各府県と福井県を中心に全国から1400人が参加した。
 主催者あいさつに立った「原子力発電に反対する福井県民会議」の中島哲演さんは、「今回の地震で大きな被害を被った能登の珠洲市民は、かつて市長選で勝利し、原発建設を阻止した。小浜市民も関電の原発建設を、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の建設を、市長選で勝利することで阻止してきた。東京都知事選で現知事を変えることが、そして、亡国政権の首相を変えることが重要だ」と訴えた。
 「老朽原発動かすな!実行委員会」の木原壯林さんは、「能登の地震でも原発が過酷事故を起こせば避難は困難を極め、屋内待機も不可能になることが実証された。しかし関電は若狭の原発の稼働を継続し、定期点検中だった老朽原発の美浜3号機を予定どおり再稼働させた」と厳しく糾弾した。そして、「岸田政権は昨年5月、原発推進関連法を成立させたが、関連法整備のためまだ完全には施行されていない。市民の行動で完全施行を止めることができる。老朽原発動かすな、原発全廃の大きなうねりを造りだそう」と話を締めくくった。

能登地震での志賀原発の被害は重大だった

 次の発言は「志賀原発を廃炉に!訴訟・原告団長」の北野進さん。司会が「北野さんは珠洲市在住、今回の地震で自宅が被災し、現在も避難生活を余儀なくされている」と紹介すると、会場は大きな拍手に包まれた。
 北野さんはまず、「能登半島地震では多くの人が亡くなり、家屋が倒壊し、インフラは壊滅状態になった。もし、珠洲原発構想が実現していれば、今回の地震で重大な原発事故が起き、奥能登の住民は避難できないまま被曝を強いられただろう。そして、北陸のみならず、関西、中京、関東にまで甚大な放射能被害が及んだに違いない」と述べ、建設断念に追い込んだ珠洲原発反対闘争の経験を語った。
 そして、今回の地震の志賀原発への影響に触れ、「志賀原発では地震当日の夜には、内部への放射能の影響はないと安全宣言をした。しかし、この間発表された被害の状況を見ただけでも、相当深刻な被害だったことがわかる。外部電源の一時喪失につながった1、2号機の損傷の原因は未だ不明。深刻なのは2号機のタービンが10カ所も損傷していたことであり、稼働中だったら大変な被害になっていただろう。しかし、北陸電力は志賀原発の再稼働の見直しをしようとしていない」と糾弾した。

6月30日金沢でまた会おう! 志賀原発反対の全国集会で

 「オール福井反原発連絡会」の林さんは「高浜2号と美浜3号は稼働40年を超す老朽原発、高浜3、4もまもなく老朽原発になる。今回の地震の後、関西電力に点検のため原発を止めるように要請したが止めなかった。高浜1号機のトラブルでも稼働を止めなかった。関電は命よりも金を優先する経営で過去最高の利益を上げた。地震に脆弱で過酷事故を起こしかねない原発、とりわけ、老朽原発を今すぐ止めよう」と訴えた。
 「止めよう東海第二原発首都圏連絡会」、名古屋から参加した「老朽原発訴訟市民の会」、青森から参加した「青森・核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会」、福井から参加した「ふるさとを守る高浜・おおいの会」と全国からの参加者の発言が続く。
 ここで、「とめよう!原発依存社会への暴走」と記したポテッカーを全員で掲げるアクション。そして、昨年、ソウルから東京・国会議事堂まで1600キロを徒歩行進し、「汚染水で地球を汚すな」と訴えたイ・ウニョンさん、「原発賠償京都原告団」の発言がある。
 発言の最後は、労働団体の「大阪平和人権センター」、「全労連近畿ブロック」、「おおさかユニオンネットワーク」が行い、この取り組みの広範さを示した。
 集会宣言の後、集会参加者は、司会者の「6月30日、さよなら志賀原発集会に参加しよう!金沢で会おう」の掛け声を背に、難波にむけて御堂筋をデモ行進した。 (山三) 

「原発全廃に向けたうねりをつくりだそう」とアピールデモ(6.9)

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