投書 東京朝鮮中高級学校の文化祭にいってきた

SM

 6月16日・日曜日、10:00~15:30に東京朝鮮中高級学校(十条駅南口下車)で「東京朝鮮中高級学校文化祭アンニョンハセヨ2024」がおこなわれた。
 東京朝鮮中高級学校は中高生のための学校で、生徒は350人ちょっと・教員は40人ぐらいいる。朝鮮籍・韓国籍・日本国籍の人が学んでいる。
 私の聞き間違いでなければ、以前は女子生徒はチマチョゴリを着て通学していたが、2000年から学校内でチマチョゴリに着替えるようになったそうだ。スタッフ(先生だろうか)は「チョゴリで通学出来るようになればいい。朝鮮学校に対する差別や偏見が早くなくなればいい」と話していた。
 最初に私は民族文化教室を見学した。「伝統遊びのコーナー」では生徒さん(ハッセン)がペンイ(コマ)・チャンギ(朝鮮将棋・丸い)・チェギチャギ(蹴り上げる遊び・大河ドラマに出てくるケマリ〈シュウキク〉と似ている)・ユンノリ(スゴロクのような遊び・ノリは遊びという意味)で遊んでいた。
 朝鮮歴史教室では、檀君神話(タングンシナ)の演劇をやっていた。1592年4月、豊臣秀吉の命令で日本軍20万名が朝鮮を侵略した文禄・慶長の役は壬辰祖国戦争(壬辰倭乱)というそうだ。「ハングルのコーナー」では、いろいろな挨拶(ヨロガジインサ)、自己紹介(チャギソゲ)などを体験することが出来た。
 「朝鮮歌謡のコーナー」では、ケングァリを使ったサムルノリの演奏がとてもいい音色で良かった。
 次は、昼食を食べながら野外ステージを見学した。昼食は500円の冷やしうどん(レングッス)と200円のフルーツポンチをいただいた。他に、持参したサンドイッチを食べて水筒の麦茶を飲んだ。
 野外ステージでは、テコンドーの演武や歌などを見学した。
 次は美術部展示会を見学した。「哲学的な作品」が多いような気がした。最後は、体育館で文化公演(朝鮮舞踊、バレエなど)を見学した。

 先生(ソンセンニン)に話を聞いた。「(高校無償化からの朝鮮学校の排除で)政府が言っているのは基準にあっていないということだ、日本の国が求めるような基準にあっていないということだと思われるが、われわれは基準を満たしていると思っている。なので、(高校無償化からの朝鮮学校排除は)不当だと思う。教育の問題と政治の問題は別だ。一方にかたよった教育はおこなわれていない。体制バンザイというような教育はおこなわれていない。歴史的事実を教えている。朝鮮民族としてのアイデンティティを養う教育をしている」。先生は、そう話していた。
 ただ、朝鮮(北朝鮮)の核(核兵器)をどう教えているのかについての回答は良く理解出来なかった。アメリカの核や日米韓の軍事的協力関係を批判せず、朝鮮(北朝鮮)の核ばかりを批判する日本政府・マスコミには、私は疑問を感じる。朝鮮(北朝鮮)に疑問を感じる部分があるからといって、朝鮮学校を差別するのは間違いだ。日本の政府やマスコミがやっている天皇制ばんざい・ナショナリズムばんざいのキャンペーンはどうなんだ。人のことをとやかく言えるのか。
 朝鮮学校に問題があってもなくても、それは朝鮮の人たち自身が変えるなり何なりすべき問題だ。そう思う。 だが、私はあらゆる核に反対だ。文化祭を見学してみて、みんなハツラツとしていてとても良いと思った。私の見間違いでなければ、朝鮮歴史教室に関東大震災やアジア太平洋戦争中における日本の犯罪の展示がなかったように見えた。おもに日本(日本人)の問題かもしれないが、私は展示した方が良いと思った。

 文化祭の参加者は1000人ぐらいだそうだ。他国の問題をとやかくいうなら、まず自国の問題(関東大震災での朝鮮人虐殺についての無反省、「群馬の森の朝鮮人追悼碑」破壊、「慰安婦」に対して謝罪も補償もしていない問題、朝鮮学校差別など)を解決するべきだ。早く差別がなくなればいい。天皇制はいらない。自公政権はいらない。差別のない日本を。
 パレスチナ人虐殺や朝鮮人差別に「無関心」な日本(日本人)は、映画「関心領域」(監督:ジョナサン・グレイザー、2023年、アメリカ・イギリス・ポーランド映画)に出てくる「ルドルフ・ヘスやヘートヴィヒ・ヘスら」とどこが違うのか。そう思う。
 保護者以外は録音・撮影禁止ということだったので、このような投書になった。
(2024年6月19日)

2024朝鮮学校文化祭プログラム

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