フランス失業者運動が12月の大闘争で要求をかちとる

フランス・失業者にもクリスマス手当を!

「何も変わっちゃいない!」

 一九九七―九八年の冬、フランス失業者運動の大規模な動員が行われた。この運動の中で、失業労働者問題を処理する行政機関の多くの事務所が占拠された。
 世界中のメディアが報道し、新聞のトップはこのキャンペーンで埋められ、フランス全土のテレビのゴールデンタイムのニュースでも放映された。リオネル・ジョスパン首相自身がテレビに登場し、緊急に必要な人びとに総額十億ポンドを配分すると声明したことで、この闘争は鎮静化した。
 七月には、社会的排除に関する新法案が国民議会に上程された。失業者の連合と社会的権利のための諸組織は、テレビのモニターが映し出す議事について、議事堂外のテントで注意深く見つめていた。人びとの圧倒的な感情は、まったくの不満であり、みごとにだまされたという怒りであり、何事も変わっていないというものであった。
 今年は冬の来るのが早かった。すでに寒さで死んだ人びとがいる。その中には、食糧や暖房の援助が不適切なものだったために低体温症で亡くなった家族もいる。今年は、失業者の連合組織と社会的権利のためのグループは、たんに「クリスマス・ボーナス」を要求する段階を超えて進んでいる。その要求は、失業給付と社会保障の両システムの完全な改革である。
 その要求項目には、補助給付の二十五歳以下への拡張――フランスはそれを行っていない数少ない国の一つである――と、補助給付金について最低額を法的に保障することなどがふくまれている。

ドイツ失業者の毎月行動に学ぶ

 毎月全国一日行動を行っているドイツの例にならって、失業者たちは自らの存在と要求を知らしめるために十二月の大デモに向けて行動を積み上げていった。
 政府は、二時間以上の占拠をいかなるものでも認めず、それを超えると機動隊が送り込まれるということがただちに明らかになった。雇用センターや給付金センターや社会問題局の事務所で、諸問題について交渉し、われわれの要求を突きつける手段として占拠を行うという試みは、当局が関心をいだく秩序の観点から警察による即時の排除に出くわした。
 しかし一九九八年十月以来、フランス全国において「何も変わっちゃいない」というスローガンでデモや占拠闘争が行われた。この行動は、一年前と比べて事態はむしろ悪化していると感じているすべての人びとの動員を助け、完全な改革が必要であるという決意を与えるものになった。

全国五十都市に広がる闘い

 中心的な行動日は十二月三日と二十一日だった。「三千フランのクリスマスボーナス」を求める巨大な動員がマルセイユで始まり、それは五十の市と町に広がった。ふたたびジョスパン首相は、一九九八年一月にさかのぼって収入補助型の給付を増額するという発表に踏み込んだ。ジョスパンは昨年よりもほんの少しだけ給付を増額したが、運動を動員解除するにふさわしい額にはほど遠かった。
 十二月二十一日は全国行動デーだった。パリの行動では、失業対策と社会給付のための財政改革という要求のコストに見合ったよりもさらに大きな税制改革を目標としていた。パリでは二カ所で占拠闘争が行われた。一つはフランスの大保険会社であるアクサ社本社で行われ、もう一つは証券取引市場の向かい側にある証券取引所事務所(COB)で行われた。
 左翼政権の最初の予算は、カネ持ちへの増税と投機資本への課税によって国の富の公正な再分配を保障する諸措置を行わなかった。この日の一連の行動は、失業者と給与生活者が団結した大蔵省前のデモで幕を閉じた。(英「ソーシャリスト・アウトルック」99年1月号)
(C・アギトンは失業者組織「AC!」の中心的活動家)。

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