ポルトガル・東ティモール支援で結集するポルトガル左翼

 1975年のポルトガル革命以来最大規模となった最近のデモで、リスボンの街頭が10万人以上の人びとによって埋めつくされた。
 こうしたデモに寄せられたアピールの一部は、メディア、政府、国家機関からのものであったが、動員が大規模で自然発生的なものであったため、政治的方針が集中化される可能性はなかった。伝統的な既成政党は、このプロセスの渦中で完全に打ち負かされてしまった。
 人びとの主要な要求は、東ティモールでなされた住民投票結果の尊重、ならびに虐殺を止めさせる当面唯一の道としての東ティモールへの国連による介入であった。
 インドネシア政府が最終的に国連の介入を受け入れた9月12日にいたるまで、このデモにはきわめて鮮明な反米感情が伴っていた。東ティモールとコソボに対するアメリカの立場のコントラストは、だれにも明白だったのである。

 以下は、ポルトガルのラディカル派である左翼ブロックが発行したリーフレットから取ったもの。
 
 ハビビ大統領が東ティモールに国連平和部隊が入るのを受け入れたことは、アメリカ合衆国と「国際社会」全体の共謀の下にこの地域を24年間にわたって占領してきたインドネシア独裁体制の重大な敗北である。
 この敗北は、一方では、東ティモール人民の英雄的な抵抗と数10年間におよぶ彼らの自決と独立のための闘いによって可能となったものである。大規模な民衆動員と、8月30日の住民投票の結果は、東ティモール人民が何を望んでいるかを明確に示した。
 ここ数日における目を見張るような民衆の国際的動員は、インドネシアの立場を敗北させる助けとなった。新しい表現形態を取る努力によって、街頭を埋めた抗議の渦は、世界で最も強力な政府に対して東ティモールに目を向けさせ、墓場の沈黙が戻るのを押し止めたのである。
 大衆的動員を通じてわれわれは、虐殺を終わらせ、ティモールの人びとの意思を尊重させるための外交的圧力を強化するよう促した。
 最初の成功は、人民の動員こそが、かつてもそして今でも歴史の進路を決定できる大きな力であることを明らかにした。国連平和部隊の配備は、この連帯闘争を阻止できないし、また阻止してはならない。
 殺人者たちは依然として領域内におり、彼らの焦土政策、何万人ものティモール人の強制追放政策、CNRT(ティモール民族抵抗評議会)やファリンティルという抵抗組織の指導者や戦士の肉体的絶滅の政策を展開している。
 こうした虐殺の責任者たちは、依然として国際的外交の回廊を自由に歩いており、彼らのジェノサイド計画を追求するために時間を稼いでいる。時をムダにするのはもうたくさんだ! いまや行動が必要な時である。
 必要な手段を強化すれば、この地域ならびに東西ティモールの難民キャンプにただちに人道的支援を届けることができる。……
 国軍、警察、私兵集団による殺人を継続させてはならない。国際社会は、いかなる条件の下でも、ティモール人民の虐殺者が2万人以上もこの地域に止まることを受け入れることはできない。同じ過ちを二度繰り返すことはできない。
 国連部隊の進駐は、東ティモールを占領しているインドネシア軍の完全かつ即時の撤退を伴うものでなければならない!
 国連部隊は、何万人もの避難民、抵抗勢力の指導者やスピーカーたち、そしてシャナナ・グスマン司令官の即時かつ安全な帰還を保証するとともに、併合支持派私兵集団の即時武装解除を保証しなければならない。
 虐殺と追放の責任者は、東ティモール人民のジェノサイドと絶滅政策への告発に答えるために国際法廷の召喚に応じなければならない。
(ポルトガルの左翼ブロックは、元共産党員や革命的社会主義党〔PSR、第四インターナショナルポルトガル支部〕によって構成され、さる6月の欧州議会選挙では首都リスボンで4%、その他の大都市地域で3%の得票を獲得した。)
(英「ソーシャリストアウトルック」99年10月号)

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