東ティモールの独立を–インドネシア軍は即時撤退せよ

ジョン・ランド

すべての軍事協力をやめよ

 インドネシアのハビビ大統領は、ABRI(インドネシア国軍)と警察が、8月の投票期間に東ティモールの治安を監督する上で主要な役割を果たすだろうと強調している。
 インドネシア政府は、ポルトガルと国連事務総長が加わって4月20一~23日に行われた国連の交渉の結果を依然として支持すると述べている。この交渉においてインドネシアのアリ・アラタス外相は、自治提案を受け入れるか拒否するかを東ティモールの人びとに諮(はか)ることに同意した。
 「シドニー・モーニング・ヘラルド」4月29日号に掲載された論文の中で、ティモール民族抵抗評議会(CNRT)のジョセ・ラモス・ホルタ代表は、「今日、東ティモールの民衆に襲いかかっている恐怖は、残虐で不法な併合の中で20万人が虐殺された暗黒の年月である1975~77年に匹敵するものだ」と述べた。
 ホルタはハビビ政権に対する即時の経済制裁を要求した。「最低限でも、国の将来に関する8月の投票の後まで6カ月間、パイプラインへの全援助金は停止されるべきである。すべての武器販売と軍事協力はただちに停止され、インドネシアの在外軍事要員は追放されるべきである」。
 オーストラリアの体制派メディアの多くは、4月27日のハビビとジョン・ハワード首相との首脳会談に冷たい反応を示した。「オーストラリアン」紙の外交問題編集委員でスハルトの支持者であるグレッグ・シェリダンでさえ、核心的な問題に答えなかったこの首脳会談について「最小限の結果しかもたらさなかった首脳会談」と述べた。

作られた誤まったイメージ

 一部のニュース報道は、8月の投票を「独立に関する投票」と描いている。それは事実ではない。それはたんに自治問題についての投票である。
 東ティモール情勢についての混乱は、メディアがつねに「内戦」とか「戦争をやりあっている両派」という言葉を使うことによっても作りだされてきた。こうした言葉は、インドネシアとの統合支持派の勢力が、インドネシア軍部の支持とは無関係に存在していることを示唆している。それは事実ではない。
 こうしたテロリスト集団とそのリーダーたちは、インドネシア軍部からの支持を得ていることによってのみ、彼らの活動を遂行しうるのである。統合支持派の部隊は、東ティモール駐留インドネシア軍の付属物以上の存在ではない。
 こうした言葉はまた、独立運動と、抵抗勢力の武装部隊であるファリンティル(東ティモール民族解放軍)が、統合支持派集団やインドネシア軍との武装闘争を現在も行っているということを示唆するものである。それはまったくのウソである。
 ファリンティルは一方的停戦を支持してきた。それは信義を示す行為、そして独立への平和的移行の約束のしるしとして昨年12月に宣言された。ファリンティルは、自衛行動の権利、そして無防備の市民を保護する権利を維持している。
 自治に関する投票についての国連のプランの詳細は、いまだ討議中である。それは、投票を監督する約450人から600人の職員からなる国連監視チームをふくむものと理解されている。それは、治安問題についてインドネシア軍や警察と連絡をとる警察部隊をふくむものであり、オーストラリアは国連からこのチームのために警察分遣隊を提供するよう求められるだろう。
 このプランは、投票に至るまでの間全般的に治安に責任を持つインドネシア軍の支配を防衛するものである。国連の警察部隊は「助言」的な役割で行動するだけである。
 それはまた、ハビビと軍の指導者ウィラントが、「平和・安定化委員会」を通じて投票に向けた「平和的」な環境を作り上げるというごまかしの企てに正統性を付与するものである。この委員会は、4月21日に調印されたいんちきな平和解決の後で、ハビビ体制が作りだしたものであった。独立支持派の指導者は、彼らが東ティモールの平和にコミットしつづけていることを示すためにのみこの協定に調印した。
 しかし統合支持派集団は、協定調印の期間中もその後も、東ティモール全域で暴力的襲撃を行ったのである。

国連における2つの要求

 東ティモールにおける役割との関係で、国連に対してなされなければならない二つの鮮明な要求がある。第一に、国連は東ティモール人民が自決のプロセスを歩む権利を再確認したかつての国連安保理決議と国連総会決議に一致して、公正で自由な自決の行動を促進することを保障しなければならない。
 第二に、それを可能にするためにインドネシア軍の即時撤退と統合支持派のテロリスト集団の武装解除を、国連は監督しなければならない。インドネシア軍や警察の東ティモール人民の安全への責任をいかなる意味でも信頼することは、まったくのお笑いぐさである。
 それとともに、人権組織、労働組合、教会、学生組織、女性組織、そして東ティモール連帯組織の代表による監視チームが、東ティモールの非軍事化と自決の行動を確証する役割を果たすことができるようにすべきである。
 強力な国際連帯キャンペーンがこうした要求を掲げ、交渉において直接的な役割を果たす最大限可能な圧力を国連と各国政府に対してかけ、国連のプランがこれらの要求に一致するようにさせることが決定的である。
 こうしたキャンペーンは、東ティモール人民の正統的な代表であるシャサナ・グスマンのような人物が交渉に参加する権利をも主張しなければならない。
 東ティモールからのレポートは、暴行を続けることを傲慢にもいまだに公言している統合支持派のギャングどもが毎日のように殺人とテロを行っていることを告げている。
 4月28日にイギリス外務次官のデレク・ファチェットに提出された東ティモールの人道組織の共同声明は、昨年11月から3月31日までの間に、統合支持派集団の襲撃によって1万8091人の東ティモール人が国内的に追放されたことを強調している。「1999年の最初の三カ月で、民兵によって少なくとも40人が殺され、22人が負傷し、8人が不法拘禁され、2人の女性がレイプされた」。
 東ティモールに平和と自決がもたらされるべきであるならば、東ティモール独立闘争への国際的な支持が大きく強化されなければならない。またわれわれは、民主人民党のようなインドネシア国内で東ティモールの独立を支持する組織への、よりいっそうの連帯を必要とする。そしてオーストラリアのハワード政権のような、ハビビ政権の見下げ果てた政策への同盟者に対する共同した反対運動が必要である。
(「インターナショナルビューポイント」99年6月号。オーストラリア民主社会主義党〔DSP〕が中心になって発行する週刊紙「グリーンレフト・ウィークリー」5月1日号から転載) 

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