米国 トランプの欲求
より軍国主義的で好戦的な国へ
ダン・ラボッツ
大統領のトランプは先週、米国防省を改名し、それは今戦争省だと公表した。この名称変更は、トランプが自身を平和作成者だと主張しているとしても、もっと好戦的な国を求めている、と示している。事実トランプ政権はすでに、世界のさまざまな地域で軍事行動における目立った記録を残している。
平和の大統領
は本当なのか
トランプは、世界中の諸国で6つか7つの戦争を終わらせたと主張し、事実上これまでノーベル平和賞を与えるよう懇願してきた。彼は、イスラエルとイラン、ルワンダとコンゴ民主共和国、アルメニアとアゼルバイジャン、タイとカンボジア、エジプトとエチオピア、そしてセルビアとコソボ、これらの間に平和的な関係をもたらしたと語る。とはいえ彼の主張にもかかわらず、この紛争のどれも実際には解決していない。その上彼は、2つの最も深刻な紛争、つまりウクライナでのロシアの戦争とガザでのイスラエルの戦争に平和をもたらす上で、何ごとも行っていない。
ベネズエラへの
明白な戦争行為
自称平和の大統領は、目立って暴力的で戦争に近い行動の一定数に取りかかってきた。2020年3月、大統領としての最初の任期中、彼は、ドローン攻撃を命令しイラクのバグダード国際空港近くでイランの少将だったカセム・ソレイマニを殺害した。この暗殺は議会から承認されず、イラク政府の承認も受けていなかった。しかも米国はイランとの戦争状態にはなかった。そして今年6月22日、イスラエル―イラン戦争の中で、米空軍と海軍はイランに対する宣戦布告が全くなかったにもかかわらず、イランの3つの核施設を攻撃した。
トランプは先週、「トレン・デ・アラグア」カルテルが運航すると想定された「ベネズエラの麻薬ボート」と彼が呼んだものへの攻撃を認めた。しかし米政府はその主張の証拠は1つも示していない。ボートは破壊され、11人の乗組員はカリブ海で行動中に殺害されたが、それは、海事法と国際人権法に対する明確な違反だった。
米議会はこの攻撃を認可しなかった。しかし共和党上院議員のリンゼー・グラハムは、この不法かつ暴力的な攻撃でトランプを賞讃し、ソーシャルメディアに「この麻薬を積んだ船の沈没は目的であり、われわれが町に新しい保安官を抱えているとの――そして最も歓迎すべき――象徴だ」と書いた。トランプ、彼の国務長官のマルコ・ルビオ、彼の国防長官のピート・ヘグセスは、麻薬密売人へのもっと多くのそうした攻撃を約束した。
米海軍は、カリブ海でのその存在を高め、そこに今8隻の船舶、1隻の攻撃型潜水艦、数機の哨戒機を保持している。ベネズエラのニコラ・マドゥロ大統領は、米国は彼の国に対する侵攻を準備中だ、と述べた。ホワイトハウス報道官のカロリン・リーヴィットは先頃、マドゥロ政権は正統性がなく、トランプは彼の逮捕への賞金を5千万ドルまで倍増したばかりだ、と言明した。ちなみにトランプはマドゥロを、世界最大の麻薬売人の一人であり、コカインを織りまぜたフェンタニルで米国をあふれさせるために諸々のカルテルと協力している、と責め立てている。
ベネズエラと戦争するのだろうか? おそらく。そしてトランプは就任以来、グリーンランドを接収するために、またパナマを取り戻すために軍事力を利用することもある、と暗示してきた。
攻撃的独裁者
海外と本国で
何カ月もの間、トランプは世界中のさまざまな地域で未公表の軍事攻撃を認可し続けてきた。「武力紛争の場所とできごとのデータ」(ACLED)が今月、トランプの大統領復帰以来、米国は中東、中央アジア、アフリカにまたがる240個所で529回の攻撃を実行した、と報告した。この数は、バイデン政権が2021年から2025年の全期間で行った攻撃の総計555回に近い。
しかしトランプは海外で軍を使いたがっているばかりではなく、米国人民に対する戦争を準備中でもある。彼は今、彼がロスアンゼルスやワシントンDCに対し計画したように、シカゴに部隊を派遣することを計画している。「シカゴは、戦争省と呼ばれる理由を今にも見つけ出すばかりになっている」、トランプはこう投稿した。
トランプは海外と本国両者での攻撃的な独裁者へと進化している。そして、彼を止めるのはわれわれの任務になるだろう。
(2025年9月7日)(「インターナショナルビューポイント」2025年9月9日)
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