革命派の新しい政治結集が発進

かけはし 第2662号 2021年4月19日

英国 反資本主義レジスタンス(ACR)
より大衆的な再結集に向けて

デイヴ・ケラウェイ

 英国の左翼で再結集を見る――ささやかな規模のものであっても――ことは、分裂よりもかなりまれなことだった。第4インターナショナル英国支部のソーシャリスト・レジスタンス(SR)は4ヵ月前、反資本主義レジスタンスとの名称をもつ新しい潮流形成を支持する圧倒的な票決を行った。それは、「反乱」ウェブサイトを中心に組織されたグループに加えて一定数の他の個人的同志とSRを結集するものだ。スコットランドの政治力学は民族問題を理由に異なっている。それゆえそこのわれわれと考えを共にする人々は、違ったやり方で組織化を続けることになるだろう。

新組織に向かう
議論の積み重ね


 新グループ創立の組織化に向けて、2回に分けて計画された大会の1回目が1月に開催された。それは、英国政治情勢と国際政治情勢、組織の基本骨格、そして目的の言明に関する諸文書を採択した。全文書はACRのウェブサイトで読むことができる。われわれは、今年のある程度遅くに、見てきた進展を仕上げるものとして、実際の参加に基づく(パンデミックが許せば)大会開催を期待している。
 ここに至る歩みは、新自由主義的資本主義と新しい諸形態のファシズムの間にある結びつきに関するウィリアム・ロビンソン(米国の社会学者:訳者)の著作に含まれたいくつかの考えについての、SRと「反乱」の同志たち数人間の討論から始まった。これは、両組織の同志たちによって書かれた1冊の文献、「しのびよるファシズム」に結実した。その後、同じ同志たち数人が、最初の文献の考えをさらに膨らませた「システムの崩壊」を書き上げた。
 しかしながらこの凝集が生じたのは、世界に関する理論的な分析に関するいくつかの一致だけが理由ではなく、一定数の鍵となる政治的な問題に関する一致が理由だった。後者の問題としては、ブレグジット、コービン主義、エコソーシャリズム、組織内民主主義、左翼と国際主義に基づくさらなる再結集などだった。

第1の共通路線
批判的残留投票


 ブレグジットを巡る論争――英国はEUを離脱すべきか否か――では、われわれすべては、批判的残留投票という同じ路線に立っていた。われわれは、進歩的レグジット(左翼からのEU離脱論を指す用語:訳者)を力説した社会主義労働者党(SWP)や社会党(SP)といったグループに反対した。
 労働党の完全な外部に組織されたものの中では最大であるこれらのグループは、ブレグジットを「左翼にとっての好機」と見た。それらは、その多くが移民に対するレイシスト的な姿勢と民族主義的な「小英国」気風によって息を吹き込まれた、その投票の反動的な結末を軽視した。諸々のできごとは、どんな種類の進歩的なレグジットの連合であってもそれらが動員できなかったこと、そして今日ジョンソンの保守党内部にがっちりと固められた強硬右翼の課題設定のさらなる強化、を示すことになった。

労働党左派への
対応に変化必要


 われわれの凝集は、労働党内部のコービン左派の敗北と混乱、および今非民主的な左翼の魔女狩りを遂行中のスターマーの下での、新しい穏健派指導部の支配確立、の真ん中で起きようとしている。われわれすべては、熱気に満ちてコービン運動に加わった。そして今日労働党内部で、政策の分野におけるコービン主義の成果を、また左翼が現在保持している地位を守るために努力している。
 同時にわれわれは、共通の総括を引き出した。われわれは、党内に左翼社会民主主義の多数派を築き上げることが可能、そしてその多数派は意味のある分裂を介在させることなく彼らの立場に円滑に党全体を勝ち取るだろう、と考えることは幻想、という考えを共有している。今日われわれは、労働党内活動家と、しかし左翼社会民主主義政府の展望なしに、また党内活動と党外での諸決起建設間の異なった釣り合いの下で、今も活動している。社会主義的なオルタナティブの建設に関する労働党左派との対話は変化を遂げた。
 SWPやSPのようなグループは、労働党内部の左翼の努力をほとんど帳消しにし、離党し彼らのグループに加わるよう単に呼びかけているだけだ。ACRの考えでは、これはセクト主義であり、「対案的な」1政府として、また労働組合を統合する1組織として、労働党が労働者運動全体の中で果たしている継続的な構造的な役割を誤って理解している。われわれのメンバーは、スターマーによって除名されたり「資格停止にされた」労働党員の防衛で活動中であり、グリーン・ニューディールや比例代表制のような課題に関する重要な討論に参加している。

エコ社会主義が
共通の下支えに


 数千人もの戦闘的活動家はすでに労働党を離党し、スターマーの急速な中道への移行や、トニー・ブレアと連携した悲惨な諸政策へのさらなる移行に怒っている。この時に1つの革命的な潮流を設立することは、これらの多くの場合より若い活動家の何人かをわれわれが獲得することを助ける可能性もあると思われる。地域の党内でどこまで活動可能かは、地域党にどれほど活力があるか、そしてそれがどれほど厳しく右翼から支配されているか、に全面的にかかっている。
 ACRウェブサイト発行人欄に添えられたスローガンは「エコソーシャリズムをもって悲惨な資本主義と闘おう」だ。ほとんどの正統的左翼とは異なり、われわれは公然とエコソーシャリズムという用語を取り入れている。それがわれわれの再結集を下支えしている。
 われわれの共通の分析は、社会主義は、資本主義国家を破壊し共同所有制を獲得するという問題だけではなく、人間と自然間の完全に異なった関係にも関わっている、というものだ。「ゼロ・コヴィッド・キャンペーン」の指導部でわれわれが行っている活動は、このパンデミックの原因に対するわれわれのエコソーシャリズム的分析によって活力を与えられている。

新たな政治文化
通じ結集拡大へ

 わが同志たちの多くは、英国の急進左翼としての長い経験をもっている。われわれはこれまで、民主集中性に対する一定の正統的観念が活力ある豊かな政治文化にどれほど破壊的に影響し得るか、を見てきた。これは、しばしば1人か2人の「導師的」人物の体に不可侵的に込められたトップダウン的な指示構造と組になって、多くの良質な活動家の才能を浪費し焼き尽くしてきた。その民主集中性に対するわれわれのオルタナティブは革命的民主主義だ。
ACRははじめから、幅広く多様な政治論争を確立したいと思っている。われわれは、同志間の公然とした不一致を恐れない。また、彼らが同意していない立場を守ることも人々に期待しない。われわれは、政治的な諸決定やわれわれがとる行動に表現されることになる多数派の立場に至ることになるとしても、討論を閉じることも、少数派の人々を組織の外に追いやることもするつもりはない。
急進左翼の分裂や断片化は、われわれの影響力を弱め、われわれの諸理念に対し聴衆の増加となるものを遠ざける。われわれは精力的にさらなる革命的な再結集を追求したい。われわれのウェブサイト、発行物、さらに集会は、そのアプローチを反映するものになるだろう。われわれは、あらゆる左翼潮流やグループを競合者としてではなく、その多くを、本物の大衆的影響力を保持する可能性もある、将来の革命的なグループの潜在的な構成グループと理解している。われわれがさらなる再結集を強く求めるならば、違いが許される健康な内部論争をもつことが基本になる。そのグループの中では、女性、黒人、またLGBTの同志たちも共に討論し、完全な役割を果たす権利をもつ。英国の左翼諸グループは、指導者の性的虐待、レイプ否認から女性の低い参加までの全範囲にわたる、女性との関係における貧困な記録を抱えている。

船出は当面
順調に進行


ACRによる進歩はこれまでのところ肯定的なものになっている。われわれは、ソーシャリスト・レジスタンスの2倍に近いメンバーのグループをもつ途上にある。われわれのウェブサイト上のやりとりは増加中であり、新鮮な論考が日々掲載されている。同志たちは「ゼロ・コヴィッド・キャンペーン」の指導部で活動中であり、このキャンペーンは、権威のある国内と世界の発言者を伴い毎回数百人を結集するズーム集会を組織してきた。
われわれの活動を組織するために、労組活動家や女性のための内部的集団化が始動している。パレスチナ、エコソーシャリズム、女性に関する公開ズーム集会は、SRが過去に行ったものよりも、もっと幅広く女性がより多い、またより若い公衆を引きつけた。政治教育の「批判的大学」連続講座は今、第2教程に入っている。地域と地方の支部が設立過程にある。
ソーシャリスト・レジスタンスのメンバーは今後も第4インターナショナルのメンバーであり続け、われわれは、将来新組織を全体として加入に獲得することを期待している。これらの同志たちの強い国際主義的アプローチが彼らを、偶然の一致としてではなく、SRとの結集に導いた。SRはその政治の心臓部に国際主義を常に置いてきたのだ。われわれは、新しい同志たちとのふれあいから今多くを学びつつあり、われわれは、彼らが次いでわが国際潮流の政治的重要性と実際的有用さを理解することになる、と期待している。

▼筆者はソーシャリスト・レジスタンスの支持者。(「インターナショナルビューポイント」2021年3月号)

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