ウクライナ ドンバスの新たなエスカレーションと社会主義者の立場

2021年4月7日 ロシア社会主義運動(RSD)

 このところ、ドンバスにおける新たな戦争がぞっとするような現実になる可能性が現れている。3月はじめ以来、衝突が増大し、国境地帯におけるロシア軍部隊の集中に関する情報が、早くもプーチンの報道官、ペスコフによって間接的に確証されている。以前は公然たる衝突を抑制した外交的な諸々の仕組みも、また明白な危機の中にある。前回のノルマンディー四者会合はウクライナの参加がないままとなり、ミンスクはもはや、ロシアと西側間交渉をあり得るものにするような中立的な土俵のようには見えていない。
 加えて、米国の立場も変化を遂げた。つまり、トランプは米国は欧州の問題に深入りすべきではないと確信していたが、バイデンは完全に異なる姿勢をもっている。ウクライナ自身では、ウラジミール・ゼレンスキー(現大統領:訳者)がいくつかの親ロシアテレビ局を閉鎖することで、明確に愛国主義的動員に賭けた。ロシアについて言えば、ドンバスはウクライナに対する圧力で鍵となるテコとなってきたが、それは今もそのままだ。そしてそれが、干渉の他の形態が機能を停止する中、活性化されている。
 近年ドンバスとルハンスクは、ロシア軍と特別部隊の完全な統制下に置かれるようになっている。これらの部隊が、現地のもっとも影響力のある軍閥の頭目を物理的に排除したのだ。この地域の新たな戦争は、ウクライナ軍(西側の武器で支援された)とロシア軍という、2つの軍の間の衝突になると思われる。
 この戦争でどちらの側がより利益になるかに関して議論することには何の益もない。あらゆる党派が彼らの国際的な問題を解消するために武器をガチャつかせようとしている時、どちらかからの偶発的なあるいは意図的な挑発は、普通の民衆内部には勝者がまったくいないような、1つの虐殺の始まりになる可能性があるだろう。ロシア側では、戦争は早くも、それをどんな人道的なスローガンでも隠すことが難しくなっている。つまりそれは、地政学的影響力を求めるだけの闘争となるだろう。熱を帯びた「愛国的」かつ軍国主義的プロパガンダが、民衆に対するさらなる強奪と異論派すべてに対する抑圧にとっての、成功を呼ぶ背景になるだろう。
 われわれの主敵はもちろんわれわれ自身の国内にいる。それこそ、プーチンと10億ドル単位の富をもつ彼の友達たちだ。
戦争に反対し、階級戦争を!

▼RSDは2011年に2つの組織、第4インターナショナルロシア支部のプペリョード(前進)とソーシャリスト・レジスタンスによって創立された。(「インターナショナルビューポイント」2021年4月号) 

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