活動家の新世代に役立つ党へ
パキスタン 同志たちの新たな挑戦
本物の統一と原則的闘争をめざし
ピエール・ルッセ
アワミ労働者党という形で左翼の再建に挑戦してきたパキスタンの同志たちが、この挑戦には実りがなかったと認め、本紙でも紹介した新たな世代による闘争の広がりに対応できる党の模索、に向かっている。以下では、ルッセ同志がその決断についていくつかの背景を伝えている。(「かけはし」編集部)
同志たちの
闘いの軌跡
ファルーク・タリクが思い返しているように、パキスタン労働党(LPP)に起源をもつ活動家たちは、他の二つの政治組織とともに、アワミ労働者党(AWP)の建設に七年間挑んできたが、その実験は失敗に終わった。わが同志たちはこの失敗にもかかわらず、差別のあらゆる形態に反対する闘いと連帯の旗の下での並外れた諸決起の中で、今も重要な役割を果たし続けている。それこそが、彼らが弾圧の標的になっている理由だ。
後にLPPの起源になった同志たちは、オランダに亡命中、「労働者国際委員会(CWI)」のミリタント潮流を通じて欧州の極左と最初の接触をもった。彼らは一九八〇年代に「闘争」という組織を形成した。一九八六年にパキスタンに戻ったこの潮流は、パキスタン人民党(PPP)内で加入戦術を維持した。
PPPは、一九六七―一九六八年の大闘争の時期におけるある種の社会主義論に基づき形成され、長い間左翼のオーラを身に受けてきた。しかしながらそれは、ブット一族――軍事政権間の文民政権という幕間期に一回以上政府を率いた、この国の主要な「政治的一族」の一つ――が率いたものだった。PPPに対する民衆の幻滅は一九七〇年代に始まったが、それは一直線的なものではなかった。
加入戦術継続に対する疑問が持ち上がった。LPPの創設者たち(最終的には一九九七年に創立された)、「闘争」のメンバーたちは、加入戦術の時は過ぎ去った、と感じた。しかしながら彼らは、独立の組織建設のためには、その指導部が世界中で加入戦術を維持していた英国の「親会社」、から離れなければならなかった。彼らは、一国の政党(おまけに、元の植民地大国の中で設立された)の神楯の下にある一つの世界的分派としてではなく、「共同の家」として機能している、と確信しつつ、第四インターナショナルに加わった。
「闘争」の他の活動家たちは、PPP加入戦術の継続を選択したが、しかし二年前にこの戦術を放棄した。「闘争」の名前を維持してきたこの潮流は、過去の論争のページをめくり、われわれの同志たちとの協力的関係を新たにし、前回世界大会で第四インターナショナルの広がりに加わった。
政治的権威を
武器に再出発
独立したマルクス主義左翼の統一という問題は、軍事政権、特殊機関、原理主義(タリバン)、有産者の社会的残忍さ、に立ち向かうという差し迫った問題として持ち上がった。トロツキズムの伝統とはかけ離れたこの左翼は、本質的に親モスクワ派に起源をもっている。パキスタンにも毛沢東主義者は存在しているが、それは他のアジア諸国と同じような歴史的位置を占めているわけではない。実際北京は、インドやロシアと敵対するパキスタンの軍事諸政権を支援してきたのだ。
したがってAWPを構成した三政党の内二つは、むしろ特殊な形態における「段階革命」を主唱する親モスクワ派だった。筆者はパキスタンを訪れたときに非常な驚きを実感したのだが、この左翼の政治指導者や知識人で何人かは、IMFの圧力がパキスタンブルジョアジーにそれ自身を「近代化する」よう圧力をかけるだろう、と期待したのだ。しかしながら現代資本主義は、特に従属的な諸国では、煉瓦工場にその実例があるように、搾取の封建的な諸形態を極めて十分に適応させているのだ。
AWPの経験は検証されなければならない。しかしそれは、これらの政党には彼らの世界観と活動方法を変える用意がない、ということを示した。AWPを創立した諸組織は、新しい組織の中に解消されると想定されていた。しかし、そうしたのはLPPだけだった。
これはわれわれの同志たちにとって、ある者たちはAWPから離脱し(たとえば、スターリン主義的官僚制に直面したラホールの若者たち)、他の者たちは党を離れたいと思ったり、時は熟していないと感じたりするような事態を伴って、一つの困難な時期に導いた。
しかしながら「LPPの伝統」は、何年にもわたって政治的な権威を獲得してきた。それが本物の統一を、原則的な闘争を率いたからだ。また、それが変わることなくあらゆる戦線で立ち上がってきたからだ。この伝統を示す「メルクマール」の一つこそ、あらゆる領域であらゆる闘争の一部になるという、まさにその鋭敏さだ。
彼らはそのおかげで、多くの社会的紐帯(繊維工業で、農民の中で、学生内部で)と連帯(民主的諸権利を支持してパシュトゥンとの間で)を打ち固めてきた。その年月を通じて、その活動家たちは価値ある経験を蓄積してきた。
これが、この伝統が今日再生されることを、また新しい戦闘的な政治的世代の創設に全面的に関わることを、可能にしている。(「インターナショナルビューポイント」二〇二〇年二月号)
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