全国ライダーストライキ

イタリア
労働者運動に新たな展望
ヘレーネ・マッラ

創意ある闘争が
重要な勝利生む


 3月26日、数千人の宅配労働者が歴史的な1日ストライキに参加した。それは、ライダーの諸権利に対する認知を求める闘争で重要な1歩を印した。
 この「宅配なしデー」は、宅配労働者に連帯してそのサービスのボイコットを決めた多くのプラットホーム事業利用者、消費者、また市民団体によって支えられた。ドライバーたちの抗議はさらに、基層労働者の諸労組(Clap、ドライバーCobas、Sial・Cobas、Si・Cobas)と部門労組(Uiltucs、Nidil・Cgil)による大々的な支援も受けた。
 公共空間の占拠、突如出現する短期間の群集行動、さらに諸々のデモが、イタリアの約30の都市で組織された。目的は、昨年9月に少数派労組のUGL(労働総連合)とプラットホーム事業者団体のアソデリバリーによって署名された「略奪的な」契約を超えること、また全国的な協約獲得に道を付けることだった。

闘えば必ず
うまくいく


 この日は直ちに、重要な最初の勝利という結果をもたらし、それは、何回かの交渉の後、ジャスト・イート労働者に関する契約確定に導いた。そしてその交渉は、物流、運輸、商品宅配部門における全国労働協約の枠組みの中に宅配ドライバーを組み込むことに対する露払いとなった。多国籍企業のジャスト・イートのドライバーたちは今、時間給、支払い対象時間保証、休日、健康保険、一時金、補助金、保証金払い戻し、労組結成、といった諸権利をもつ者として認められている。
 このストライキの翌日、宅配ミラノ労組はこの勝利を、「労働者の奪うことのできない権利に対する重要な認知」として、また近年に遂行された社会的公正を求める闘争の有効性の誇示として祝福した。しかしながらそれはまた、他の交渉は今も進行中であることを思い起こさせ、労働契約化、および労働者の健康と安全に関する諸課題について、特にグロボ、デリバルー、ウーバー・イーツ、ソーシャル・フードとの間でそうだ、と思い起こさせている。

新たな連帯
浮上の途上


 ライダーズ労組ボローニャの評価もまた極めて肯定的であり、3月26日を「偉大な闘争日」とその意義を明確にした。この赤い都市でライダーたちのストライキは、新しい連帯を築き上げる一つの機会となった。特に危機にさらされたいくつかの社会層、たとえば学生、学校や物流や文化やエンターテインメントの労働者、また自営的な社会的領域、そして最初からドライバーの闘争を支援してきた相互協力ネットワークがこの決起に加わった。
 活動家たちにとってこの成功は、集団の力、また「ライダー」の数の団結が秘めた力を見せつけるものだが、しかしそれだけではなく、「ギグ・エコノミー」というイデオロギーに対する進歩的な脱構築の公然とした表示でもある。何しろこのイデオロギーは、自律と自営企業主という偽物の約束の背後に、労働力の搾取を隠しているのだ。
 ボローニャ人は今、長期的な決起を組織するための、また全労働者のための尊厳ある賃金と労働条件に対する権利を要求するための、新たな諸々の全員総会を告知中だ。ECB(欧州中央銀行)元総裁、マリオ・ドラギという人物の背後でブルジョア・ブロックがあらためて確立されたという状況を特徴とする背景の中で、「われわれのためではなくみんなのために」というドライバーたちのスローガンは、労働者の諸組織を納得させることができる、ある種の組織的で政治的な形態をとる可能性も考えられる。

ウーバー化労働
反対の国際闘争


 世界中のいくつかの国における宅配ドライバーの成長中の闘争は、自営というごまかしを打ち壊し、あらゆるところでいわば奴隷のシステムと職業的なまた存在それ自身の不安定化を暴き出す、そうした判決と諸方策へと導きつつある(注)。この決起はまた、投資家を落胆させる可能性もあると考えられ、それはたとえば、英国企業のデリバルーの株式価格がプラス31%からマイナス26%まで崩落したこと(フィナンシャルタイムスに対する一人のアナリストの言明によれば、史上最悪のIPO〈新規公開株式:訳者〉)で見せつけられた。
 今年2月英国最高裁はウーバーのドライバーに対し契約が従属的であることを認めたが、これまでのところウーバー・イーツの宅配ドライバーに対してはそうしていない。他にスペイン、オランダ、アルゼンチンさらに米国といった他の国々でも似たような事例が起きてきた。そこではギグ・エコノミー諸企業が、数多くの法廷判決を前にしつつある。まだ何ものも勝ち取られてはいない。しかし、プラットホーム事業労働者の国際的な組織の諸形態を軸にして開けつつある展望は、資本主義と対決する闘争において、一つの新しいテコとなる可能性があると思われる。

▼筆者は、フランス反資本主義新党(NPA)機関紙、「ランティカピタリスト」に寄稿している。
(注)「TechXplore」2021年3月17日、「ギグ・エコノミー:労働者のストライキが戻っている以上、ただ乗りは終わる」。(「インターナショナルビューポイント」2021年4月号)

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