トルコ

党国家とマフィア国家
ウラズ・アヴディン

悲惨極まる
感染対処策
 「ポスト・エルドアン時代に向けトルコは準備ができているのか?」。 2年後の――正常であれば――次期議会選と大統領選に対して、さまざまな評論家と政治観測者によって、先の問題が早くも今論争されている。
 希望的観測は別にして真実であることは、高まり続けている数の住民部分から見て、エルドアン政権が経済や社会やこの国を前例のない破綻、誰も逃さないような破綻、へと引き込もうとしている、ということだ。その最初にあるものが、本物の惨害である公衆衛生危機への対処だ。
 ラマダンの終わりまでの17日間宣言された「厳格な」夜間外出禁止は、単なる独断的なあらゆるアルコール販売の禁止、および店舗、バー、レストランの閉鎖(後者は、それ以前1ヵ月半しか開いていなかった)でしかなかった。いわゆる「全面的」夜間外出禁止は、労働者の極めて大きな部分には関係していない。全工場、建設現場、公共交通、ホテル、諸事業……、つまりほとんどあらゆるものが稼動しているからだ。
 それゆえ、感染数――4月では、米国、ブラジル、インドに次いで全世界で4番目――を引き下げる目的で、さらに観光シーズンに準備する目的で、このロックダウンにはPCR検査の大幅縮小が伴われている! 検査数はいかなるもっともらしい説明もなく、1ヵ月で31万8000件から20万400件まで減少した。感染数は6万から1万5000まで落ち、死者数は1日約350人で停滞してきた後に、最終的に250人になった。しかし、その支配的影響力を及ぼす能力の弱体化を日々経験中の、またその権力の引き延ばし以外には何の考えももっていない政権は、無定見に近づいている、などというレベルにはもはやない。

マフィア頭目
が始めた暴露
 エルドアンの党―国家内部の腐敗が、特に中央銀行からの1280億ドルの消失をもって、ますますあからさまになる中で、逃亡中のひとりのマフィアボスによる告白が、組織犯罪に関わるこの政権の浸透度合いを白日の下に引き出している。ウルトラ民族主義トルコ人マフィアの主な保証人のひとりであるセダト・ペケルは、数年の間エルドアンの能弁な支持者だった。中でも彼のもっとも目立った行動は、シリア自由軍に結びついていたジハーディストに対する、軍装備品(ドローン、防弾チョッキ、その他)と数十台の四輪駆動車の送り出しだった。それは、国家の承認なしには行い得なかっただろう。
 しかし、もうひとりのトルコ人暴力団員、アラアッティン・ガキジの釈放後、彼は2020年2月、国を離れざるを得なかった。ペケルは、バルカンに逃れ、モロッコに滞在した数ヵ月後に、彼のドバイにある――明らかに――新居から、この10日間かそこらユーチューブでビデオを放映し続けてきた。そしてその中で彼は、彼を見捨てたトルコ国家―マフィアに恨みを晴らしはじめた。
 中でも彼の主な標的――おそらくは取引の観点で、そこから今のところエルドアンは外されている――は、1990年代の内務相であり、「深部国家」の主要人物であるメーメト・アガルだ。彼に対して政権は、2016年のクーデター失敗後の国家機構からのギュレン派追放に続いて、連携を刷新しなければならなかった。ペケルはさまざまな事実を引きながら、アガルは国際コカイン取引で重要な役割を果たしていると論じ、また警察と軍内部における明白な影響力に光を当てている。

反エルドアンの
民衆的な決起を
 ペケルのもうひとつの重要な標的は、現内相のシェレイマン・ソユルだ。彼は、超攻撃的な姿勢を採用し、体制へのあらゆる批判に対する対抗攻撃を進めることを恥としない形で、疑いなくエルドアンの信頼を得、将来の党の(そして国家の?)首座として彼に代わる計画を温めている。中でもペケルは、彼に準備された捜査について彼に情報を与え、国を離れるよう暗示し、2021年4月に彼を連れ戻すと約束したのはソユルだった、と説明している。しかしながらこのマフィアのボスは、彼は曝露すべき情報をもっと多くもっている、そしてたとえ彼のいのちを犠牲にしても、彼を打ち倒した者たちすべてを破壊するつもりだ、と指摘している。
 「ポスト・エルドアン」が自動的に生まれることはないだろう。この腐敗した国家に対決して決起し、公正と民主主義を求めることが重要だ。
 しかし、被抑圧層が彼らの声を得ることになるポスト・エルドアン時代に向けては、また労働者階級が力関係に圧力をかけることができるためには、今この国で進行中のさまざまな労働者の闘争を支援し、勝利することも重要だ。その闘争の例は、彼らの村の地下での鉱山開業に反対して闘争中のリゼ・イキツデレの農民の闘争、スペイン人経営者に反対してこの5ヵ月ストライキを決行してきたバルドゥルの金属労働者の闘争だ。さらに、過去4ヵ月に735人の労働者を殺してきたトルコ資本主義の通常の殺戮に反対してわれわれの声を上げることも重要になる。
▼筆者は第4インターナショナルトルコ支部の機関誌、「イエニヨル」の編集者。2016年のクーデター策動後に指令された非常事態令という脈絡の中で、クルド民衆との和平を支持する請願に署名したことを理由に解雇された多数の学者の1員でもある。(「インターナショナルビューポイント」2021年5月号)

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