ミャンマー日誌

国軍司令官がロシア訪問し、軍事協力を強化
国連総会、国軍の暴力停止の決議を多数で採択

6月24日 ミャンマーのミンアウンフライン国軍司令官がロシア国防大学から名誉教授の称号を受賞した。
6月20日 フライン国軍司令官が、ロシア国防省が主催する「国際安全保障モスクワ会議」に出席するために、ロシアを訪問し、安全保障会議書記などと会談した。経済閣僚も同行。ロシアは中国に次ぐ武器輸出国。ロシアは戦闘機や軍用ヘリコプターなど兵器を輸出している。今回の司令官の訪問は武器の大量供給などロシア側からさらなる支援を取りつける狙いがある。
 ロシアは3月のミャンマー国軍の日の軍事パレードにフォミン国防次官を派遣した。本国から高官を送り込んだのはロシアだけ。「ミャンマーはロシアの戦略的パートナーだ」と同次官は述べた。
 シリア・アサド政権が反政府派の攻勢によって、ダマスカスに追い詰められた時、ロシア軍の直接介入により、アサド政権は息を吹き返した。当然、こうしたロシアの役割を承知していて、フライン国軍司令官は訪露したのだろう。同司令官は何度もロシアを訪問している。民衆を虐殺しているミャンマー国軍を支え武器輸出を続けるロシアや中国の役割を止めなければならない。
6月18日 国連総会で、▼平和的なデモに対する暴力の停止▼アウンサンスーチーさんをはじめ拘束されている人々の解放▼ミャンマーへの武器流入の阻止を呼びかける決議案が119カ国の賛成で採択された。中国、ロシアなど36カ国が棄権。反対はベラルーシのみ。ASEANは6カ国(インドネシア、マレーシアなど)が賛成、4カ国(タイ、ブルネイ、カンボジア、ラオス)が棄権した。せっかく採択されたこの決議に拘束力がないのが致命的欠陥だ。
◦クーデターから6月21日までに、64人が死刑判決を受けた。
◦ヤンゴンで軍をねらった爆発事件が頻発している。6月22日 マンダレー市内で軍が国民防衛隊の拠点を襲い銃撃戦に。防衛隊側に死者8人、拘束者8人、軍側にも2人の死者が出たとの報道。米仏の大使館がマンダレーの銃撃戦を非難し、市民に対する暴力を停止するように軍評議会に求める声明を出した。
 非暴力抵抗運動が広がっているが、国軍の残虐な銃器などの暴力行使に対して、国民防衛隊の抵抗が起きている。ヤンゴンやマンダレーの大都市部だけでなく、中間都市や農村・山岳部において、依然として絶えることなく抵抗の集会・デモが行われている。
◦サッカーミャンマー代表のゴールキーパーのピエリアンアウンが5月28日、日本対ミャンマーの試合前、国歌斉唱のとき3本指をたて、ミャンマー国軍に抗議の意思を示した。アウン選手は「国軍は市民を意図的に殺害しています。不当に殺害しています。こんなことは起きるべきではありません。あってはならないことです」とインタビューに答えている。
 6月16日 関西国際空港で、本国に戻れば、国軍から厳しい弾圧にさらされる、としてミャンマー行きを拒否した。アウン選手は「私たちの国で起きている問題は、現在さらに悪化していて、国境では戦闘が起き、戦災から逃れる避難民も多くなっています。自分がやったことで、全国の日本国民が知ることになりました。ミャンマーで起きていることを、さらに知ってもらうことができました。後悔はありません」と述べた。
6月22日 難民申請。日本政府もこれを受け入れるとし、1カ月程で認定される見込み。
6月21日 アウンサンスーチーさんの76歳の誕生日を祝う花束などを捧げる行事がミャンマー全土で行われた。日本でも東京などで同行事が行われ、スーチーさんの即時釈放を願った。

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