アルジェリア デッチ挙げ議会選

民衆は投票拒否で不信任を表明
カメル・アイッサト

 6月12日の議会選は、2019年12月12日の大統領選同様、体制の継続に向けた通路に実効性をもたせるものだ。というのも、2月22日運動(2019年のこの日始まった反独裁の民衆的大運動であり、その力がブーテフリカ独裁政権を崩壊させた:訳者)が政治的、経済的、さらに社会的諸課題に関し民衆主権という問題を提起しているからだ。

選挙動員めざし
抑圧に全面依存


 体制は社会に対する支配的影響力をもっていない。それは2年間、一定の社会的基盤、あるいは新しい政治的機構を築き上げることに成功しなかった。それはただ、旧FLN(アルジェリア民族解放戦線)とRND(民主国民連合、FLNと連立政権を形成していたが、今回の選挙では、両党合計の議席数が過半数に達しなかった:訳者)のメンバーを使い回してきただけだった。
 体制はその選挙の行程を押しつけるために、前例のない抑圧に頼り、社会内に恐怖の空気をつくり出した。コヴィッドを理由とした運動の1年中断後、体制は運動の再開がないことを期待してきた。しかしこの2月以来、運動の一定の再開が起きてきた。それは確かに、以前程の大きさではない。しかし金曜日行動はほとんどの地方で再開している。これが当局に、抑圧過程を始めるよう押しやった。権力を握る体制は正統性の赤字を抱えているのだ。
 それゆえ体制は、民衆的諸要求を管理するひとつの方法として、ひとつの対応として抑圧を選んだ。
 抑圧はヒラク(先の2月22日運動の現地での呼称:訳者)にも、社会運動全体、つまり消防士のストライキや教育労働者のストライキなどにも影響を与えなかった。彼らは、上記のふたつの運動との関係で一定の紛争が起きることを恐れた。彼らは、民衆運動と社会運動間にある種の合流点が生まれることを恐れた。
 住民は今、ブーテフリカ(打倒された前大統領:訳者)以後にたとえ脱工業化政策が行われてきたとはいえ、前例のない社会的危機、すなわち人員整理、コヴィッドという脈絡の中での職の削減、を経験中だ。彼らはアルジェリア経済を、経済的輸入様式へと転換し、生産力のある民族部門を破壊してきたのだ。
 住民に関しては、2年を経ても敗北感はまったくないが、しかし多くの問題提起が、後ずさりがある。金曜日行動で十分だろうか、なぜ他の日付けではなく金曜日の行進なのか、われわれの目的は何か? いずれにしろシステムに対する拒絶はそこなわれてはおらず、構造的だ。2019年は、住民と中央体制の間にひとつの亀裂をつくり出したのだ。

恐怖支配下でも
人々は大量棄権


 恐怖支配化の進行は印象的だ。選挙キャンペーンの始まり以来、2000人以上の逮捕、特に若い活動家の226人を超える人々の投獄、そしてあらゆる戦闘的な活動に対する禁令が起きてきた。6月10日、現在の統治システムに挑むことを目的とする政治諸組織を例として、テロリストと特徴づけられることが可能となる活動を加えるように刑法が修正された。
 MACのようなカビレの諸組織(カビリア地方では、文化的独自性を背景に自決権を求める闘いが続いている:訳者)、およびラチャドのようなイスラム主義の諸組織がテロリストに類型化されている。とはいえそれらは実際のところ、ヒラク運動に参加している組織ではない。選挙を妨害する者たち、あるいは人々に投票を思いとどまらせようとする者たちは、法によって処罰される――20年の投獄刑に服すべきとされて――可能性がある。
 議会選に関する限り、通常の地域、特にカビリアや民衆居住区では、投票した者はほんのわずかしかいない。たとえばベジャイアでは、彼らの公表では、50万人の有権者中で投票者は4000人だった。彼らは今朝投票所を開こうと試みたがうまくいかなかった。多くの場合投票しているのは、しかもほとんどこっそりとそうしているのは、軍と警察という秩序勢力だ。投票率は極度に低い。
 彼らが公表した全国レベルの投票率は、午後1時で10%、午後4時で14・5%だ。それは、全体で2450万人になる有権者に対しおよそ220万人に当たる。

反抑圧戦線構築
幅広い合流追求


 われわれは変わることなく同じ方針を提唱している。つまりあらゆる革命は、基盤において組織されなければならないと、そしてそこでわれわれは、抑圧への立ち向かい方を、またわれわれが作り上げたいシステム……とは何か、を討論しなければならないと。
 われわれがこの組織を基盤にもっていないならば、代表者は、ブルジョアメディアによって、権力に近い諸集団によって選定されることになる。われわれが作り上げたいと思う新たなシステムのあらましである民主的かつ社会的な政綱を、われわれが運動に提供する可能性をもつのは、そこからなのだ。
 社会運動と民主運動すべてを結合することに挑もう。それゆえわれわれは、以下の三幅対、つまり自己組織化、社会運動と民衆運動への合流、住民の必要を基盤で放出する主権ある憲法制定会議、を保持する。
 PST(社会主義労働者党)はこの2ヵ月間、反抑圧戦線を建設しようと闘い続けてきた。PST自身は他の多くの組織と同じく解散で脅されている。つまり、PAD(民主的オルタナティブ)に参加したあらゆる組織は解散で脅され、いくつかに対する手続きが国家評議会で開始されている。彼らは同時に、SOS・バブ・エル・クエドやラジュのような市民団体にも圧力をかけてきた。彼らは、現場で活動している多くの活動家も逮捕した。MDS(民主社会運動:訳者)の一指導者は彼が使うバスの停留所で逮捕された。
 われわれは、彼らが強いたがっている恐怖支配を前に、抵抗を欲するあらゆるグループと勢力を基礎に、可能な限り幅広い反抑圧戦線を必要としている、と考える。労働者にとって、民衆陣営にとって、諸々の自由は貴重なのだ。
 これらの反抑圧戦線をわれわれが建設する場合、われわれの目標はまた、結集し討論を行う若者たちが自己組織の中核を作り上げるためにそれを利用する、ということでもある。なぜならば自己組織は、非エリートの大衆がもつ具体的な諸要求を起点にのみ現れるからであり、現実に、社会の動きに適合しないようなスローガンではないからだ。

体制の正統性
は今や皆無だ


 2、3日前テブン大統領は投票率は非常に高くなるだろうと語ったが、今や彼も、重要なことはまさに投票を組織したことであり、投票率には二義的な意味しかない、と語っている! これは独裁者に値する言明だ。つまり、大統領にとっての民主主義の最低限度は、彼の正統性確立について心配することであるように思われる。
 今彼は、少数派は多数派を尊重しなければならない、と語っている。しかし多数派とは誰のことだろうか? それは投票しなかった人々なのだ! まさに、多数派は尊重されてはこなかった。つまり少数派が、選挙を拒否しているアルジェリア人の多数派に代わって決定しているのだ。今こそ、民衆には何の価値もない選挙、正統性がまったくない選挙すべてを取り消す時だ。(2021年6月12日)

▼筆者はPSTの一活動家。(「インターナショナルビューポイント」2021年6月号)  

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