フランス 反資本主義新党(NPA)の大統領選挙キャンペーン

今こそ不公正な社会の変革の時
NPA大統領選挙全国会議声明

こんな社会はもう続けられない

 18カ月にわたるパンデミックを経て、資本主義システムが人類の大きな問題を解決することができないことは明らかとなっている。それどころか、資本主義システムは新たな問題を生み出している。支配階級は、この健康危機の間にショック療法戦略を用いることによって、雇用削減や解雇、リストラ、不安定雇用の増加、民主主義的自由を問題にすることなど、民衆諸階級に対する攻撃を拡大している。
 少数の者たちが利益を求めて競争することは、世界中で大多数の人々の雇用と健康を脅かし、さらには地球の状態と人類の未来をも脅かしている。今こそ、この不公正な資本主義秩序に終止符を打ち、社会的・エコロジー的ニーズに応じて生産と社会関係を組織する社会(それをエコ社会主義社会や共産主義社会と呼ぶか、あるいは自主管理社会と呼ぶかは別にして)へと移行すべきときなのである。
 健康危機は多くのレベルであらわになっている。パンデミックの起源においてもそうだし、政府当局が対応することができずに、「最前線」や労働世界全体の健康に損害を与える利潤追求マシンを停止させることができないこともそうである。ワクチンの特許維持に見られるように、私有財産はわれわれの生命を守ることと大きく矛盾しているように見える。
 あらゆるレベルの危機――健康・環境・経済・社会・民主主義の危機――が組み合わさって、資本主義の厳しいバランスシートを生み出している。こんなことはもう続けられない! こう言っているのはNPAだけではない。世界各地で、自らのもっとも基本的な権利を防衛している、搾取され抑圧されている何百万人もの人民がこう言っているのだ。

攻勢変えない政府前に社会的怒りが湧き上がっている


 マクロン大統領の任期が始まって以来、社会的怒りは消えてしまうどころか、まさにその反対だった! ロックダウンや抑圧的な法律の積み重ねによって、黄色いベスト運動が経験した急進主義、2019年から2020年にかけての冬における年金改革反対ストライキの急進主義、気候変動・人種差別・性差別に反対する若者の動員が消滅したわけではない。失業給付、警察の暴力、イスラム嫌悪や人種差別主義者による攻撃、専制的・抑圧的な法律、地球を燃やしてしまう政策など、ロックダウンから抜け出すという政権の政策に対する反乱の動員理由は、この一年間十分に存在していた。権利を防衛するという分野においてもまた、闘争が展開されている。その中には、#Metoo運動における女性の闘い、とりわけ生命倫理法案をめぐってのLGBTIの闘い、移民の闘い、警察や人種差別主義者の暴力に対する闘いなどがある。
 全体的な運動を構築する必要、つまり勝利をつかむために最後までやり抜くことができる闘いを構築する必要がある。なぜなら、こうした社会的勝利やこのシステムから抜け出すための政治的展望がない中で、最悪の風が吹いているからだ。政府からいわゆる「古典的」右派、国民連合(RN)[旧国民戦線]に至るまで、「イスラモ・ゴーシズム」[左翼がイスラム勢力と連携しているとして非難する言説]や分離主義に関する言説、軍人の特集記事、複数の政治指導者が参加した警察官による国民議会前でのデモなど、すべてが同じ力学の中で参加している。右派や極右の台頭には深い社会的根拠がある。それは40年にわたる人種差別や反社会的政策によって放置されてきた環境の中で発展してきた。極端な右翼思想は、社会の中でも、国家機関の中でも、特に警察や軍隊の中でも、増加の一途をたどっている。このことの主たる責任は当局にある。

オルタナティブの不在、極右の脅威

 国民連合は、民衆諸階層の絶望に乗じて、危険で新自由主義的、レイシスト的でアイデンティティにもとづくプロジェクトへと怒りを転換しようとしている。極右による権力掌握の可能性が現実になりつつある。もしそうなれば、民主的権利と自由にとって、すべての人と社会運動組織にとって、危険をもたらすものとなるだろう。しかし、極右と闘うことは、「左翼連合」、つまり過去の政策によって信用を喪失し、明日は資本家の利益の忠実な管理者となるような左翼政党間の選挙連合を作り直すことを意味しない。
 なぜなら、左翼の側では、この状況に立ち向かうのではなく、支えとなっていた者が次々と倒れているからである。社会党からヨーロッパ・エコロジー=緑の党(EELV)の候補者や共産党に至るまで、システムをコントロールするすべての政党が、過激な警察官や極右勢力と一緒にデモをすることで、道を踏み外してしまった。
 ジャン・リュック・メランションと不服従のフランス(LFI)は、大統領選挙においてはわれわれの敵対者にはならないだろうが、彼らはこのシステムを終わらせるために闘う、つまり利潤・私有財産・雇用者の権力・制度を攻撃するのを拒否する左翼ポピュリズムを表現している。彼らは搾取され、抑圧された人々の陣営のためのオルタナティブを示していないと言わざるをえない。地方選挙第2回投票でのLFIの立場は、制度的左派とは決別していないことをとりわけ示すものである。
 最近の地域圏・県議会選挙は教訓的である。何千万人もの労働者、従業員、若者、大衆層が投票しなかった[第1回投票の投票率は過去最低の33%]。与党・共和国前進(LREM)は、10%の得票率で頭打ちとなった。これは、大衆的・進歩的なオルタナティブがまったく現れない中で、来年の[大統領選挙での]マクロンとルペンとの予想される対決への拒絶を物語るものだ。国民連合は予想よりも低い得票率だったが、依然として共和国前進や社会党の「現職」の主要な対立候補として登場している。
 大統領選挙の一連の流れが始まるのは、このような状況においてである。これを、反資本主義的・革命的プロジェクトへの信頼を回復するために、われわれのプログラムの一部を大衆化させる機会にしなければならない。
 大衆的な反資本主義の政治的代表の不在、反動的な攻撃と社会的闘争の後退、絶望の増大と暗い未来への恐怖はすべて、状況を圧迫する要因である。だからこそ、われわれのキャンペーンの中心軸は、反動的なテーマに対する戦線を構築することであり、もっとも広範な統一された動員を構築することによって、極右に対して一歩一歩闘う必要があることを拡散することである。
 われわれは、資本主義による搾取、地球の略奪、あらゆる抑圧に終止符を打つために、人々が下から政治の舞台に登場し、搾取され抑圧されている人々が自らを表現すべきであるという考えを推進したいと考える。これがわれわれのキャンペーンの中心でなければならない。

キャンペーンの出発点はあくまで社会・エコロジー・民主主義の緊急事態だ


*あらゆる人に対して生活と適正な賃金を保障すること。
 これは、失業・勉学・求職・退職後の期間を含む一生涯にわたって、少なくとも最低賃金1800ユーロに相当する収入を得ることで、尊厳ある生活を保障することを意味する。誰もが、社会や地球保全のニーズを満たす仕事に就けなければならない。このためには、労働リズムを変えずに労働時間を大幅に短縮し、それと並行して誰に対しても賃金を月400ユーロ引き上げる必要がある。このように全員で労働を分担することが、失業に終止符を打つ唯一の方法なのだ。そのことはまた、解雇を禁止することで、資本家からわれわれの生活を決定するという権利を奪うことも意味する。われわれはまた、人生を「美しく」するもの、つまり芸術的・文化的表現の多様性を発展させたいと考える。

*社会・健康・エコロジーの緊急事態を解決するために、共有財を管理・社会化し拡張すること。
 われわれは、既存の公共サービスの強化と新たな公共サービスの創造を提案する。医療・製薬業・教育・エネルギー・輸送などの分野で、資本家は自らを膨れ上がらせ、地球とわれわれの健康を破壊してきた。資本家を収用し、銀行を公的独占体として国有化しなければならない。われわれは、交通機関やその他のサービスを無料にすることに賛成する。
 生産力主義と利益追求のための競争は、生産の再編成を妨げ、地球を脅かす。エコロジーと民主主義にもとづいて経済の再編成を計画することが緊急に必要である。これが、生産を多様化し、地球を保護するとともに、すべての雇用を維持する唯一の方法である。

*権威主義的・人種差別的で不平等な体制に終止符を打つ。
 政府は、われわれの怒りを抑え込むために、国家の抑圧的・専制的手段をますます強化し、われわれを互いに対立させようとしている。政府によれば、われわれの敵は移民・フェミニスト・LGBTIなどであるというのだ。
 われわれのキャンペーンは、この富裕層とボス連中による帝国主義的共和国を終わらせること、とりわけマクロン大統領が体現している大統領制に終止符を打つことを提唱するだろう。公選された代表の報酬は国民の平均的給与にまで引き下げられ、すべての公選された代表はその任期中に当選を取り消すことができるだろう。
 警察は、極右勢力に取り込まれ、暴力と人種差別によって社会秩序を維持している。われわれは、警察による弾圧に反対し、特別弾圧機関(BAC[コマンド対策部隊]、BRAV[暴力行動抑止部隊]など)の廃止を要求する。
 われわれは、流れに抗して、人種差別やイスラム嫌悪の台頭に立ち向かい、証明書の有無にかかわらない移動・定住の自由や外国人の投票権を守るとともに、国際的な連帯を防衛する唯一の存在となるだろう。
 われわれは、暴力に反対する闘い、平等な権利のための闘い、女性やLGBTIの平等な権利ための闘いを主導するだろう。健康危機は、「最前線」にいる職業を再評価し、「再生産」労働を社会化する必要性をわれわれに思い出させた。
 われわれは、このキャンペーンにおいて、力の均衡を変えるために結集し、反撃や大規模なストライキ・デモ・反乱による労働世界の総動員をおこなうことを考えている。「究極の救世主」は存在しないがゆえに、われわれは団結して闘い、自らの権利を守らなければならない。
 われわれは、資本主義と決別するという展望を防衛する。つまり、社会組織・生産に対するコントロールを実行し、団体・組合・自己組織化の枠組みを再建するために、われわれの闘争・動員を意識的に構築するのである。マクロンやルペンが資本家の利益に忠実であるのと同じように、わが陣営の利益に忠実な労働世界の政府をめざす。
 われわれは、われわれの考え方に共感する人々に、すぐに合流するように提案する。搾取され、抑圧された人々は、生活・労働・勉学の場により深く浸透している、社会の革命的変革をめざす政党を必要としている。それは、NPAよりもはるかに幅広いものであるべきだ。それは、資本主義の転覆、エコ社会主義社会、人類の解放に寄与するための道具である。
 フィリップ・プトゥは、反資本主義と革命というカラーを防衛するだろう。
 われわれがフィリップ・プトゥの立候補を表明するのは、彼がこのシステムに立ち向かい、そのために組織し、搾取と抑圧のない社会の展望を守るというニーズを体現しているからである。これこそが、われわれが街頭や投票所で寄与したいことなのだ。
 プトゥはプロの政治家ではない。彼は、われわれを奈落の底に追いやっている産業グループの一つであるフォードと闘い、10年後に解雇された労働者である。彼は、決して引き下がることのない人物であり、大企業に反対する政治をおこない、マクロンや右派・左派を問わず支配階級に奉仕するすべての政治家を排除しようとしている人物でもある。彼は、戦闘的な政治活動や労働組合活動を通じて、団結して自分たちの問題を解決したいというわれわれの願いを代表している。
 われわれは個人主義を否定しているがゆえに、近年の闘争に参加した同志たちの多様なプロフィールを示す集団的キャンペーンを実行したいと考えている。したがって、候補者やNPAのスポークスパーソンに加えて、われわれはフィリップ・プトゥ選挙キャンペーンのスポークスパーソン集団を形成するつもりである。
(『フォース・インターナショナル』6月29日)

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