移民 EUとリビア(9月13日号)

移民阻止の暴力で協力

2021年8月8日 ランティカピタリスト編集部

 アムネスティ・インターナショナルは10日前に公表された報告で、ひとつの調査を基礎に、移民問題対処としてリビアと共同して行っているEUの恥知らずな政策を糾弾している(注)。以下はそのいくつかの抜粋だ。
 同報告は次のことを見出した。つまり、リビアの内務省部局である対不法移民戦闘委員会(DCIM)は2020年後半以来、ふたつの拘留センター(アル―マバニとアル―ザウィヤ)をその組織下に新たに統合することで、迫害を正統なものにしてきた。そこでは、数百人の難民と移民がそれ以前の数年で民兵によって強制的に行方不明にされてきた。近頃新たな名称を付されたひとつのセンターでは、生き延びた人々が、警備員が女性をレイプし、彼女たちを性的暴力にさらした、と語った。その暴力には、食料や彼女たちの自由と引き換えに性交を強要したことも含まれる。
 同報告はさらに、EU諸国との進行中の共謀にも光を当てている。これらの国は恥知らずにも、リビア沿岸警備隊が海上で人々を捕らえ、力づくで彼らをリビアの拘留施設における地獄絵図に戻すことを可能にし、助けることを継続してきた。これは、人々がこれから耐えることになる恐怖を十分にわきまえた上でのことなのだ。
 2021年前半、海上で行く手を妨げられた7000人以上の人々が力づくでアル―マバニに戻された。そこにとどめられた拘留者はアムネスティ・インターナショナルに、彼らは拷問と他の悪質な扱い、冷酷で非人間的な拘留条件、ゆすり、強制労働に直面した、と伝えた。あるものはさらに、体に直接触れる、侮辱的で暴力的な裸にする検査に従わされている、と報告した。
 トリポリのシャラ・アル―ザウィアセンターもまた、以前はどの傘下にもない民兵によって運営され、最近になってDCIM下に統合され、もっとも傷つきやすい人びと向けに選定された施設だ。(……)3人の女性もまた、海を渡る試み後に母親と共に拘留された2人の赤ん坊が、重大な治療のために病院に移すことを警備員が拒否した後、2021年早くに死亡した、と語った。
 2021年1月から同6月の間で、EUが支援するリビア沿岸警備隊は、彼らが「救出」の任務としているものの中で、海上で約1万5000人の行く手をさえぎり、彼らをリビアに戻した――2020年の1年の実績以上――。
 アムネスティ・インターナショナルのインタビューを受けた人々は一貫して、リビア沿岸警備隊の行動を怠慢で粗暴、と表現した。生き延びた人々は、リビア沿岸警備隊がどのようにして意図的に彼らが乗っていたボートを損傷させたか、を述べた。そのいくつかの例では、それらが転覆を引き起こし、少なくともふたつの場合では、難民と移民を溺れさせた。ひとりの目撃者は、リビア沿岸警備隊が小型ボートの転覆を引き起こした後、彼らは生き残った者全員を救出する代わりに、彼らの携帯電話で事故を写真に収めた、と語った。
 難民と移民はアムネスティ・インターナショナルに、彼らが海を渡ろうとする中で、しばしば頭上や舟の近くに航空機を見たが、リビア沿岸警備隊が到着するまで彼らに助けを出さなかった、と告げた。
 EU国境・沿岸警備機関のフロンテックスは、海上で難民と移民の船舶を識別するために地中海上の航空監視を遂行してきた。また、2021年5月以後ではこのルート上でドローンを運用してきた。EUの海軍諸部隊は、遭難中の難民と移民の船舶の救出を迫られることを回避するために、地中海中央部を大幅に放棄している。

▼ランティカピタリストはフランス反資本主義新党(NPA)の週刊機関紙。(注)アムネスティ・インターナショナル2021年7月15日号、「リビア:拘留における恐るべき人権侵害は、強制帰還におけるEUの恥知らずな役割を際立たせている」。(「インターナショナルビューポイント」2021年8月号)

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