不幸はアフガニスタンの運命か? アフガニスタン四月革命の物語(中)(10月4日発行)

2010年9月20日 ラリ・カーン

 しかし、PDPAの指導者たちのイデオロギー的な不備と混乱、狭い民族主義的な展望によって、帝国主義による反乱と戦い、敗北させるための革命的国際主義者の階級政策を策定し、実行することができなかった。PDPAの指導者たちのイデオロギーは、マルクス主義的国際主義というよりも、むしろ民族主義的な傾向に支配されていた。これは、彼らのスターリニストとしての経歴と教育を反映したものであった。

ソ連の介入と猛
烈な反革命の道
 パシュトゥーン(やその他)の民族主義に基づいて革命への支持を得ようとしても、失敗するに決まっている。反乱の圧力が強まるにつれ、PDPA指導部の中で内紛が生じた。それはまた、国の方針や民族政策の分裂を反映したものだった。その結果、タラキが殺され、ロシアの戦車がオクサス川[訳注:アムダリヤ川のラテン名。旧ソ連とアフガニスタンの国境を流れている]を越えたり、サラン峠を通過したりしてアフガニスタンに侵入した。これにより、紛争の様相は一変した。
 その影響は、マルクス主義者だけが予測していた。テッド・グラント[訳注:1978年当時、イギリス労働党に加入戦術を行っていたミリタント・グループの指導者。パキスタンの「闘争」グループは、この論文が書かれた2010年当時、グラントが創設した「国際マルクス主義潮流」(IMT)のパキスタン支部だった(その後、IMTから離脱)。]は1978年6月、4月革命の数週間後にこう書いている。
 「もし彼ら(PDPAの指導者たち)が、おそらくロシア政権の影響下で一時的に行動するならば、脅かされた貴族やムッラー[イスラム教の宗教指導者]を基盤とした猛烈な反革命の道を準備することになるだろう。反革命が成功すれば、何十万人もの農民の骨の上に旧体制が復活し、急進派の将校が虐殺され、教育を受けたエリートがほぼ絶滅するだろう」と述べている。
 この異常な予言は、その後の時代に忠実に実行されている。タリバンは1996年にアメリカの援助でカブールを占領した。オマール師率いるタリバンによる「カブールの征服」を画策した主な人物は、元アメリカ国務次官のロバート・オークリーである。彼は、[パキスタンの]ベナジール政権とパキスタン情報機関(ISI)と共謀して行動していた。

ソ連軍の撤退
大混乱と騒乱
 1987年にソ連軍が撤退した後、アメリカはアフガニスタンを見捨て、自分たちが作り出した反動勢力のなすがままに委ねた。こうした反動勢力はこの不幸な土地に大混乱と騒乱をもたらした。しかし、2001年、彼らが作ったフランケンシュタインの怪物は、復讐心をもって彼らに牙をむいた[訳注:アル・カイダによる同時多発テロを指す]。これが帝国主義によるアフガニスタン占領のきっかけとなり、すでに困窮していた大衆に果てしない荒廃と悲惨さをもたらしたのである。
 9年近い直接的占領の後、いまや敗北がアメリカ人の目前に迫っている。元CIA職員が設立したシンクタンク「ストラトフォー」は、9月6日付の最新レポートで、次のような驚くべき事実を発表している。
 「アメリカが従来の意味でのアフガニスタンでの勝利をもたらすことはできないという基本的な現実を考えると、特に厳しいものがある・・・。アメリカの撤退に先立って行われる可能性のあるいかなる和解においても、タリバンをその一部としなければならないだろう」。
 アメリカ主導の有志連合が弱体化していることを察知して、議論好きなアフガニスタン大統領ハミド・カルザイは、ワシントンの操り人形からアメリカを公然と批判する人物へと変貌した。ワシントンは、カルザイが検討している和平交渉の条件を憂慮している。国防総省、国務省、CIAは、この「交渉による解決」の見通しについて激しく意見が分かれている。

外国の占領に
  対する抵抗
 ホワイトハウスは、いさぎよい撤退を探っている。しかし、現地の状況はそのような結論を排除している。アメリカのNATO同盟国は、これ以上続けられないという雰囲気である。アメリカ国民は今、撤退を切望している。しかし、国防総省にはその余裕がない。米軍司令官のペトレイアス将軍は、オバマ大統領が好んでいる2011年7月という期限を大幅に超えるまで、本格的な部隊撤退を遅らせるように強く要求した。オバマ大統領はその撤退期限から引き下がりつつあるようだ。米国の戦略家と軍隊は、自ら招いた混乱に陥っているのである。撤退する余裕はないが、このような非常に高価で血なまぐさい戦争を維持することもできない。元CIA地域主任のハワード・ハートは、ニューヨーク・タイムズ紙のニコラス・クリストフにこう語っている。「われわれの軍隊の存在そのものが問題なのだ。われわれが軍隊を投入すればするほど、反対勢力は大きくなる」。
 欧米のメディアが隠しているのは、タリバンやアル・カイダだけが反対勢力ではないということだ。メディアは、アフガニスタンのほとんどの主要都市で行われている、社会的・経済的問題に関する大規模なデモの高まりを無視している。多くの左派、民族主義者、その他の要素が、外国の占領に対する国民的抵抗に関与している。アフガニスタンの都市における抗議デモは、頻度と激しさを増している。占領軍が荒廃状態を作れば作るほど、抵抗運動は強くなるだろう。
 一部では、NATO軍の撤退によって、無政府状態になり、血なまぐさい内戦が起こるのではないかという危惧の声がある。他方では、すでに占領軍によって引き起こされている極端な混乱と虐殺よりも多くの殺戮と騒乱が出現するのかという疑問もある。反動的なタリバンは、これを無実の人々を殺害し、性的虐待を加える口実にしている。
 帝国主義者は、自暴自棄になって、「いさぎよい撤退」を図るために国を解体することを考えるかもしれない。多数派のパシュトゥーン人(44%)とタジク人(27%)、ウズベク人、ハザラ人、北部の少数諸民族との間に民族的な緊張関係があり、これまで指摘してきたように、そうした民族的対立は外国勢力によって悪化させられ、利用されている。こうした民族紛争が意味することは、アフガニスタンのバルカン化が完全に否定されないということである。しかし、それは短期的には最も可能性の高い展望ではない。もし帝国主義者がこの戦略に乗り出すとしたら、アフガニスタンではさらに陰惨な血の海が広がるだろう。

選挙は何の解決
も生まなかった
 占領下での安定を実現できる可能性は、日に日に、いや時間に日に失われていく。もしかしたら、マクリスタル将軍は差し迫った敗北を見越して、自ら解任されるように仕向けたのかもしれない[訳注:マクリスタル将軍はアフガニスタン駐留アメリカ軍の司令官だったが、政府高官を批判したことで、2010年6月にオバマ大統領によって解任された]。後任のペトレイアスは、戦死者の数を減らしていないし、戦況を大きく改善してもいない。AP通信によると、9月4日、ペトレイアスは「殺さなければ、非常に強力な反乱から抜けだす道をつけられる」と語ったという。
 国民議会下院選挙が9月18日に行われたが、大統領選挙と同じくらい不正に操作されたものだった。この議会の茶番劇は、帝国主義者とその手先が、西側の視聴者の目に少しでも信用を得ようとする欺瞞的な試みである。これは、ひどく間違った冒険を正当化するためのものである。こうした選挙でアフガニスタンの大衆にとって、敵対するさまざまな軍閥や犯罪者の中から選ぶのが唯一の選択肢だったのである。彼らは、麻薬取引や身代金目的の誘拐、忠誠心の変化に基づく脅迫などを通じて、この戦争で何百万ドルも稼いだ傭兵的な凶悪犯だ。こうした選挙は何の解決にもならない。      (つづく)

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