イタリア 継続する公衆衛生危機(10月25日発行)

反動派の攻勢に全面反撃を
フランコ・トゥリグリアット

 イタリア情勢は、パンデミックの存在(また政府によるその管理)、および雇用と賃金に関する労働者階級に対する雇用主勢力の攻勢、を特徴としている。そして後者の攻勢は、「回復計画」という産業再編構想を具体化するものだ。
 パンデミックについては、この2年のふたつの政府(コンテおよびドラギ)に関する収支決算は全面的にマイナスだ。理由は、「レッド・ゾーン」の設定は間に合わず、ロックダウンの解除は早過ぎ、利潤の回復を保証するためにあらゆる生産活動が徐々に正常化に戻されたからだ。それだけではなくまた、公衆衛生、学校、交通を回復するための必要な方策が取られてこなかったからだ。そしてこれらのものは先立つ時期の予算カットによって、大きく破壊されていた。

ノー・ワクチン
政府が先導した
 今、「グリーン・パス」の導入と管理が、政府の政策がつくり出した惨状の責任をわれわれ各々の個人責任として押しつけようとして、また労働者に対する恫喝の新たな資本の手段に余地を与えようとして、政府によって利用されようとしている。
 「安全」に関する政府とメディアのレトリックは、純粋の偽善だ、不安定性、労働密度の絶えざる増大、そして経営者たちによる安全方策に対する抑圧のおかげで、労働者が日々職場で命を落としている最中だからだ。
 「ノー・ワクチン」運動の指導者は、政府であり、その相矛盾した諸行為だ。そこには、ワクチンを得ることに関する100万人の移民に対する無責任が、また特許の凍結を妨げ、したがって世界の住民多数のワクチン利用を妨げることで、製薬大企業の利益を救い出そうとする、他のEU諸政府と共有する選択が一体となっている。その一方で、ほとんどすべての医療と教育要員はワクチン接種済みであり、2回目をすでに受け終えた住民全体の比率は非常に高い。

反動派の運動
に断固対決を
 こうした状況の中では、「ノー・ワクチン」デモに関する曖昧さは決してあってはならない。つまりそれらは、集団的自由や社会の連帯に関する観点が、したがって個人の権利や何よりも命への権利を含んで根底的に否認される中で、偽の個人的自由を擁護しつつ、反動的イデオロギーが表現されているデモなのだ。それらは、極右によって、あるいは他の右翼諸勢力の多少とも隠された支援を得て、直接的にファシスト勢力によって組織されている。参加者は主に、中小ブルジョアジーの、特に深い個人主義を特徴とする商業部門や仕出し業界の社会層から来ている。これらの抗議行動から利益を引き出すことも可能では、と思い違いをしている極左勢力の存在は、まったく周辺化されている。
 逆に、急進左翼の主な勢力は、政府の政策を糾弾するキャンペーン、および移民を含む全員のワクチン利用の保証を求めるキャンペーンの両方を今先導中だ。それらはまた、ワクチンに関する特許凍結を訴える「パンデミックで利益漁りをするな」の欧州キャンペーンにも精力的に参加中だ。

GKNとの対決
連帯固め勝利へ
 われわれの2番目の点に向かおう。すなわち、政府は6月30日、恥知らずにも主要労組連合指導部容認の下に、人員整理凍結令(しかしそれは、100万人が職を失うことを妨げなかった)を終わりにした。そしてわれわれは今、労働者に対する雇用主の攻勢を目撃中だ。多くの企業が、彼らの生産を閉じ、再配置することをすでに決定した。それらの中にGKNフィレンツェがある。この企業は、自動車部品生産で500人以上を雇用している、そしてその製品は、ステランティス・グループ(PSAグループとフィアット・クライスラー自動車の合併から生み出された)に供給されている。
 この企業は、英国の投資ファンドであるメルロースによって所有され、このファンドは、この企業が技術的な先進性をもち、絶対的に危機にはないにもかかわらず、それを閉鎖すると決定した。労働者たちは、労働組合意識の並外れて高い水準を見せつけながら、屈服せず、社会的保証を要求、常設全員総会の開催を求めて工場を占拠した。彼らはあらゆる解雇を拒否し、これまでに得た権利すべての維持と工場再開を――続けて、彼らには生産再開の能力があった、と言いながら――要求した。経営者組織であるコンフィインダストリアと政府に立ち向かうことによって、彼らは今、再配置に反対する偽りのない法を求めて闘争中であり、彼ら自身の法案を起草し終えた。
 彼らは、トスカナ地方を貫く、また全国レベルの、強力な連帯を引き出すことができた。彼らの呼び掛け、「フィレンツェ・レジスタンス」の蜂起のスローガンを引き継いでいる「インソルジアモ!」(反乱しよう!)は、イタリアの全労働者に向けられている。つまり、労働者の権利を守るために、やつらがわれわれから取り上げた権利を回復するために、われわれみんなで反乱しよう、と。この闘争は、ひとつの全国的な政治的事実となった。そして、9月18日、フィレンツェでの全国デモをもってそれは新たな決定的な契機を体験するだろう。
 下部単位諸労組は、雇用、賃金、社会的諸権利の防衛に関する政綱に基づいて、10月11日の全国ストライキを準備中だ。GKNでの勝利への期待と10月11日の成功は、全体として労働者階級にとっての非常な困難さをとどめている情勢の中で、階級間の力関係に前向きな変化を作るかもしれない。

▼元上院議員の筆者は、シニストラ・クリティカ(批判的左翼)の分裂を起源とする、イタリアの第4インターナショナル2組織のひとつである、シニストラ・アンティカピタリスタ(反資本主義左翼)のメンバー。(「インターナショナルビューポイント」2021年9月号)

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