イタリアG20への抗議、諸々の闘いが合流

「君たちは病人、治療するのはわれわれだ」

メディアも無視できない状況に
デイヴ・ケラウェイ

ローマの街頭で
活気満ちた行動

 “ヴォイ・ラ・マラッティア”“ヴォイ・イル・G20、ノイ・イル・フューチャー”、これらが10月30日にローマで響いた中心スローガンだった。すなわち「君たちは病人、治療はわれわれだ。君たちはG20、われわれは未来」と。10月30日、戦闘的な環境活動家たちに、階級闘争派労組活動家と世界の指導者たちのG20会合に抗議する急進左翼が合流した。左翼日刊紙の「イル・マニフェスト」によって、およそ1万人が繰り出したと報じられた。
 アリタリア、ウィルポール、ピアッジオ、ジェノバ港、GKNで彼らの職を救うために闘っている労働者たちがすべて、基層労働者のコバス労組と並んでそこにいた。ヴィアレッジョの爆発(2009年6月29日に起きた列車脱線火災、32人が死亡し26人が負傷:訳者)の犠牲者に正義を求める運動のような諸々の運動もまた姿を見せた。
 活気に満ちた要素は、フライデーズ・フォー・フューチャーおよび大学学生左翼ネットワークによって決起した数千人の若い学生から構成された。このグループは、今週いくつかの学校占拠を組織していた。
 ポテレ・アル・ポポロ(人民に権力を)、リフォンダツィオーネ・コムニスタ(共産主義再建)、シニストラ・アンティカピタリスト(反資本主義左翼)、コムニア(コモンズ)のような急進左翼グループもいた。小さなパルティト・コムニスタ(共産党)は彼ら独自の座り込みを組織した。
 イタリアの報道は、左翼の活動すべてを排除するのを束の間控え、いくつかはデモの生映像を流した。読者はそこで、多くの創造的で音楽と色彩豊かな行動があったことを見ることもできただろう。若者の1グループは、世界の指導者たちが地球を蹴り回るサッカーゲームを演じた。

環境と労働者
の闘争が合流


 デモに先立って、プッチーニ劇場で3時間の活動家集会が行われた。発言は労働者と環境の進行中の闘争から行われた。EU平均より相当に高い労災死のあるイタリアでは、職場の安全は特に重要だ。エマヌエラの母親であるダニエラ・ロンビは、仕事中の娘の死に甘く犯罪的な基準がどのように導いたのか、について話した。
 マニフェストのジャーナリストであるリッカルド・チアリはたとえば10月30日の彼の記事で次のように論じた。つまり「この恐るべき喪失は、何とかやっていくためだけを稼ぐために毎日仕事に出かける人々のいのちと、『あなたが見つけることのできる最良の精神』をもつ政府の冷たい適性との間にあるむしろより大きな距離を示している。それらの政治家とテクノクラートは、どれほど多くの労働条件、尊厳、賃金が適切に気を配られる必要があるか、を気にかけていないか、理解していない。彼らは、国のために付加価値を生み出す労働について語るが、現実はまったく異なっている」と。
 GKNの労働者のひとりと結婚した女性は、ストライキがどのようにして、彼らが生き延びるのを助けるために彼女がもうひとつの工場での仕事に戻ることを余儀なくさせたか、を語った。彼女は、どのようにして彼女が3ヵ月を基準に更新される臨時契約を結ばざるを得なかったか、を報告した。彼女の仲間の労働者は最悪の立場にすらいた。彼らは移民として、性的虐待を含む乱暴な扱いにさらされていたが、いのちをつなぐカネを故国に送金するために仕事を保持しようと頑張ることを強いられていたからだ。彼女が話し終えた時、ひとりの環境活動家の女性が立ち上がり、壇上に向かい彼女を抱擁した。
 これらの闘争すべては、勤労民衆に代わって発言していると主張するが、銀行家のドラギとともに政府内に喜んで座っている政党――PD(民主党)――や諸労組からの支援を僅かかまったく受け取っていない、勇敢かつはつらつとした少数派からなっている。彼らは一体となって、ほとんどが事業や企業向けの復興基金の分配を求めることに決めた。10月30日の行動は少なくとも、闘争のこれらの諸部分が結集することを可能にし、より大きなレベルで決起が可能になる、闘うオルタナティブをつくり出す可能性を指し示している。


 10月30日にはイタリアの他のところでも別の抗議行動があった。ブラジルの大統領、ボルソナロは、ベニス近くのパドヴァにある4000人の小さな町との遠い一族的つながりをもっている。サルヴィニのレガ(同盟)出身の当地の右翼市長が、この町が彼に栄誉を与えることができるよう、G20会合の機会に「故郷」に来るよう彼を招待した。
 幸いなことに、当地の人々のいくらかには別の考えがあった。そして町役場と周辺地域は、彼の到着前にフォラ・ボルソナロ(ボルソナロ出ていけ)のスローガンで圧倒された。当地のフランシスコ派修道士たちはボルソナロの問題についてレガよりもはるかに良好な立場にあった。彼は、パドヴァにある有名な教会で礼拝したがった。彼らは彼にそうさせたが、しかし、何らかの種類の承認あるいは公式歓迎を彼に与えていると思われることへの理由は語らなかった。
 ミラノでは、ゲイやトランスの人々に対する差別を非合法とするザン法(ゲイのPD上院議員にちなんで名付けられた)廃棄を糾弾するデモがあった。その法案は下院は通過したが、上院では20~30票差で敗北した。党が公式には支持していたPDの上院議員の何人か、また元首相のレンツィのグループは、実際には秘密投票で反対に票を投じた。
 後者は、右翼に対するオルタナティブであるかのようにポーズをとるのを好んでいる。そしてレンツィと右翼は、この法はトランスやゲイのライフスタイルを選ぶような宣伝を可能にするだろう、との欺瞞的な主張――ポーランドやハンガリーの作り話に似た――を使ってきた。この副作用は、2、3ヵ月の間に投票が来る大統領職を奪取できるかもしれない、との期待を右翼に与えていることだ。
 デモ参加者たちの努力は少なくとも、メディアが、治安を賞讃し、G20指導者たちを写真に収める一連の機会――法皇との会談、トレビの泉でのコイン投げ、クイリナーレ宮殿(大統領官邸)でのマッタレッラ(現イタリア大統領)との豪華な宴会随行、あるいはエッセンシャル・ワーカーと一緒の嘘くさいポーズとり――に時間を費やすだけとはならなかった、という状況を生じさせた。
 COP26のデモ参加者(注)が彼らのローマの同志たちからバトンを受け取り、さらに多くの人々を結集させることを期待しよう。(2021年10月31日、アンティキャピタリスト・レジスタンスより)

▼筆者は英国のソーシャリスト・レジスタンスの支持者。  
(注)11月6日は、クライメート・ジャスティスを求める国際行動日。(「インターナショナルビューポイント」2021年11月号)

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