ミャンマー日誌

西部チン州で軍が大規模な軍事行動

民家や教会など160軒が延焼

 10月22日、国連がミャンマー軍の動きを察知し、軍の攻勢により多数の犠牲者が出ることを警告していた。その警告通り、ASEAN首脳会議が終わった10月29日、ミャンマー軍が西部チン州へ軍の部隊を移動させ大規模な軍事行動を開始、民家やキリスト教教会などが砲撃や放火で炎上した。多くの住民が難をのがれるため隣国インドに逃れていることが現地の情勢を伝える複数の独立系メディアによって明らかになった。国際圧力をさらに強め、ミャンマー軍の市民への攻撃をやめさせよう。伝えられる情報を以下に報告する。11月8日 (M)

国軍による軍事攻勢に国連懸念を表明
 軍政の支配下にあるミャンマーで、国軍が同国西部と北東部に部隊を移動し、近く軍政に反対して抵抗を続ける武装市民や少数民族武装組織に対する大規模な攻勢を開始する可能性が高まっていた。事態を重視した国連が、軍による大攻勢で市民や少数民族に多数の犠牲者がでる危険性があると10月22日、国連のミャンマー問題を担当するトーマス・アンドリュース特別報告者が警告を発した。
 
ASEAN首脳会議
国軍にさらに圧力
 10月26日から28日にかけてミャンマーも加盟する東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳会議がオンラインで開催され、日米中豪なども参加する東アジアサミットも関連して開催された。ASEAN首脳会議の議長声明が発表され、クーデターを起こした国軍による市民弾圧が続くミャンマー情勢に「懸念」を表明。草案段階よりも、会議参加を拒否した国軍への圧力を強めた内容となっている。
 声明は、ミャンマーで犠牲者や暴力が報告されていると指摘し、4月の特別首脳会議で合意した特使派遣や暴力の即時停止など5項目の履行を求めた。特使に関しては、民主派を含む全当事者との面会を認めるよう促した。

軍による攻撃の開始

ミャンマー軍はASEAN会議終了後の10月29日にチン州西部タントランなどで一斉に攻撃を開始した。
 地元独立系メディアなどによると、チン州タントラン郡区にあるCB銀行周辺、ザイ地区、ゾンモン地区、ロンティル地区など5カ所から放火された民家などが煙を上げて炎上する様子が10月29日午後8時ごろに確認され、その数は100軒を超えているとしている。
 さらにキリスト教教会も炎上、焼け落ちた。住民や子供の支援にあたるNGO「セイブ・ザ・チルドレン」の現地事務所も放火されて炎上した。同事務所関係者が語ったところによると、10月29日に軍による激しい砲撃がタントラン郡区一帯に加えられ、同地区を防衛する武装市民組織「国民防衛隊(PDF)」や少数民族武装組織「チンランド防衛隊(CDF)」との間で激しい戦闘が繰り広げられたという。
 その後民家が炎上したというが、火災は砲撃によるものと兵士らによる放火の結果で、約1万人いた住民の多くは戦闘激化の前にすでに郊外に避難しており、一部は国境を越えてインド領内に逃れたとの情報もある。

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