フィリピン 同志ザンドロ・トリポン殺害に関する声明


ドゥテルテ政権の民衆虐殺糾弾
革命的労働者党―ミンダナオ(RPM―M)執行委員会/人民革命軍全国作戦司令部(NOC―RPA)

(1)

 全国、特にタイフーン・オデッテの被害を受けた人々が今なお恐ろしい状況にあり、パンデミックとオミクロン変異株の迫る脅威がもたらした困苦は言うまでもなく、人々が今もショックの中にあり、広がる惨状からの復旧に取り組んでいる最中に、フィリピン国家警察(PNP)州部隊のファシスト部分(州・地方機動集団とSWAT)がアーノルド・T・ラオの指揮下で、マーク・アンソニー・ルフィノ大尉指揮下のフィリピン国軍(AFP)第5機甲軍第52機甲中隊とともに、北ラナオ州(ミンダナオ中部:訳者)カパタガンで昨年12月18日明け方、同志ザンドロ・トリポンに対する不実な休戦破りの軍事行動を始めた。この攻撃は、そのひとつが同志ザンドロ・トリポンの村であるキリスト教徒コミュニティが、タイフーンとパンデミックの影響の最中でもクリスマスを祝おうとしていた数日前に行われた。
 展開され動員された残忍な州部隊の大きな数は、たったひとりの同志ザンドロ・トリポンを殺害――逮捕ではなく――しようとする彼らの明確な意図を明示している。これは、RPAの同志ルベンや他の政治陣営の革命家たちに対し行われたことを思い起こさせるものだ。
 わが同志殺害のために展開された巨大な量の資源と人力は、パンデミックに苦しみ、タイフーンで荒らされた人民のもっと切迫した必要への対応という形で、もっと健全な目的に向けられたということも可能だっただろう。しかしながら、われわれが知っていることは、共産主義者地方武装紛争鎮圧全国タスクフォース(NTF―ELCAC)の非道徳的な巨額予算を正当化するために、彼らがこれらの邪悪な行動を実行するよう強いられている、ということだ。2022年にもっと多くの予算を求めるために、彼らは国のこの部分での業績をわれ先にと奪い合っている、ということが透けるようにはっきりしている。

(2)

 ザンドロ・トリポンの殺害は、貧しい者と抑圧された者と並んで勇敢に立ち上がり闘う者たちを敵視する、この体制の邪悪な政策を明示している。そしてこの政策は主に、NTF―ELCACを通して実行されている。これはさらに、その費用ともっと多くの資金を求める下工作を正当化するために業績を示そうとする、AFPの必死の努力をも示している。
 ふれておくべきことだが、RPM―Mは、その武装部門であるRPAとともに、2005年に公式に署名されたフィリピン政府との休戦協定の諸条件を遵守した。同志ザンドロ・トリポン殺害は、署名済みの協定に対するはなはだしい違反というだけではない。それはその上に、政府の革命諸勢力に対する約束を尊重し維持する点での、現政権の完全な言行不一致をも示している。
 この政権の始まり以来当該州の部隊は、同志ザンドロ・トリポンのようなRPAの活動家を傷つけ殺害しようと試み続けてきた。RPAの諸部分はその作戦地域で、諸コミュニティを立ち退きや混乱から免れさせ、休戦協定の目的そのものに従い、コミュニティでの長続きする平和の構築に向けた「和平対話」の成果の保持を助けるために、数多くの軍事作戦を控えた。同志ザンドロ・トリポン自身いくつかの場合に、州部隊との交戦を回避するために居場所を変えた。
 これらのことにもかかわらず、また長引く豪雨のようなさまざまな公衆衛生問題で苦しみつつも、それでもザンドロ・トリポンは運命となった夜明けまで、日々の生活で小規模農民からなる村落を助ける、という彼の使命を精力的に行い続けている。ザンドロ・トリポンは彼の青年期以来の何十年という間、彼が配置されたさまざまな州の貧しいコミュニティと抑圧された民衆への奉仕を続けてきた。

(3)

 古参革命家の同志ザンドロ・トリポン殺害が彼の同志たちの士気を弱めるだろうとファシスト政権が信じているとすれば、その時彼らは間違いを犯している。気立ての優しいよく愛された同志とコミュニティ指導者の死は、RPAの各人とあらゆる部分の燃えさかる熱意に油を注ぐにすぎない。実際この事件は、権利であるものを求めて大胆に闘ってきた貧しい者と抑圧された者に対し、この政権の邪悪で残忍な性格を明らかにしただけだ。こうしてそれは、社会主義革命の継続に向けた基盤、および諸大衆と抑圧された者たちとともに闘う運動を強化する必要、を明瞭にすることを助けている。
 ファシストは確実に、ザンドロ・トリポンの記憶を消し去り、彼に犯罪者あるいはテロリストとのレッテルを都合よく貼ろうと務めるだろう。しかし彼が助け奉仕した人々は永遠に、彼についての真実を語るだろう。そしてどんな量の偽情報も、彼がその成人期のほとんどをそれに与えた革命的な奉仕を破壊することは決してないだろう。
 あらためて、AFPとPNPは、犯罪者や暗殺者のようにふるまい続けている。RPM―Mは、今回のもののような国家が行った超法規的な殺人すべてを、国際的なレベルにいたるあらゆる法廷に持ち込むことを助けるために、最善を尽くすことに挑むつもりだ。
 RPM―Mの党員とその連携諸勢力を含むRPAの諸部分全体は、同志ザンドロ・トリポンの残された家族に哀悼を届ける。彼の生涯と運動に与えられた諸々の助けは、決して無駄にはならないだろう。
 われわれは、問題の地における軍事作戦に対する独立した調査を求めて声を上げる。
 地方、諸コミュニティ、諸工場、さらに政府諸部局の軍事化をヤメロ! テロ法をくずかごに捨てよ! NTF―ELCACを廃止せよ!
 人民の活力ある参加に基づく、革命諸勢力との和平対話を維持し、継続せよ!
 われわれは、わが殉教者である同志ザンドロ・トリポンに、最高の功績を認め、革命的あいさつを送る!

アンゼルモ・グエレッロ(RPM―M執行委員会)
ラウル・ファウスティノ(RPA全国作戦司令部)2021年12月20日、フィリピン・ミンダナオ

▼RPM―Mは第4インターナショナルのフィリピン支部。(「インターナショナルビューポイント」2021年12月号) 

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