米国 スターバックス労働者

ニューヨーク州の一店舗で組織化
ダン・ラボッツ

 年の歴史で
初の組織化だ
 ニューヨーク州、バッファローにあるスターバックスのひとつのコーヒー店で、昨年12月はじめ労働者が、この企業における35年以上で最初の成功を見た組織化運動として、労組結成に票を投じた。バッファローのエルムウッド店の労働者は、組織化に19対8の結果を残したが、同時にカムプ・ロード店では12対8だった。
 労働者たちは、国内最大労組のひとつである国際サービス従業員労組(SEIU)傘下単位労組のスターバックス労組加入に票を投じた。バッファローのスターバックス店舗のひとつでバリスタをしているキャセイ・ムーアは「それは信じられないような刺激と超現実的な感じがする」「スターバックスや国中のサービス産業の他のバリスタが『彼らにそれができるのならば、われわれもここでそれができる』と言うのを見てまさに興奮している」と語った。
 この小さな勝利はスターバックスと他のコーヒー店やファストフードの労働者にとって、ひとつの転換点になる可能性はあるのだろうか? しかしおそらく、障害は数多くある。

生活できない
賃金レベルだ
 スターバックス労働者は今、ひとつの怪物を相手にしている。スターバックスは純価値でほぼ200億ドルであり、世界中に3万3833店舗を構え、34万9000人を雇用している。米国内には23万5000人の従業員を抱える9000の店舗がある。この企業は自らをコミュニティの一部と売り出し、民族やジェンダーにかかわらず全従業員を包摂すると約束し、環境にもやさしいと主張している。それはその従業員を「パートナー」と呼ぶが、しかし平均賃金は時給12・27ドルきっかり、年2万1750ドルであり、生計賃金とはなっていない。週20時間以上働けば自身と家族に対する健康保険手当の資格がある。しかしこの費用のかかる保険には従業員自身が払い込まなければならないのだ。
 スターバックス労働者とは誰だろうか? 労働者の50%をほんの少し超える部分が白人、他方8%が黒人、27・5%がラティーノだ。スターバックス労働者は圧倒的に、つまり70%が女性だ。そして労働力は平均年齢27歳と若い。
 組織化の障害とは何だろうか? 米国の労働者は、スターバックス労働者が行ったように、政府が監督する選挙を通して彼らの労組に対して認知を得ることができる。この労組が今や認知を得ているからには、法がスターバックスに誠実な交渉を求めている。しかしそれは現実になるだろうか?
 1985年に遡ると、スターバックスのふたつの店舗で労働者が組織化に成功したが、この企業は交渉を行き止まりにし、その中で非認可キャンペーンを組織、1987年までに自らを労組から解放することに成功した。あるいはスターバックスは単純に組織化された店舗を閉鎖することができた。

ひとりひとり
に話しかける
 今日、多くのスターバックス労働者は、単に大学に通う間の一時通過であるか、何が彼らの暮らしに関係しているかを理解する途上にある。この企業の年次転職率は、全米の12ないし15%と比べ65%という高さにある。ほとんどの労働者にはこの企業や仕事に専心の気持ちが全くなく、離職を計画し、それゆえ多くは労組にも関心をもっていないかもしれない。18―29歳の人々の75%は労組に好意をもっているが、それでも米国では私有部門での組織率は6%にすぎず、レストラン産業では僅か1・3%だ。
 第2に、スターバックスは反労組であり、それゆえはじめから労働者は脅されると感じるかもしれない。そしてこの企業は労組の敗北をめざし、反労組行為に、また非合法な行為にさえ取りかかる意志を示してきた。急速に入れ替わる平均20人の従業員を抱える小さな店舗に全国的に分散されて、力と連帯の感覚を定着させることは困難なことであり得る。とはいえ、バッファローの労働者が示したように、それは行い得ることなのだ。
 110万人の組合員を抱えるSEIUは労組組織化キャンペーンを支える規模と財源を保持している。労働者たちは、15ドルのための戦闘(全米で最賃時給15ドル確立を求める運動:訳者)運動の1指導者であるものの、それでも同時に官僚的で時として反民主的な労組であるSEIUを利用できるだろうか?
 労働者たちがスターバックスで組織化に成功できるならば、次いで彼らは、他の50万人のコーヒー店労働者と500万人近いファストフード産業の労働者の組織化を開始できる。それは、ひとりの労働者がもうひとりに話しかけ、われわれすべてには機能する労組が必要と、彼らを説き伏せることで行われるだろう。(2021年12月15日)(「インターナショナルビューポイント」2021年12月号) 

THE YOUTH FRONT(青年戦線)

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