【ロシアによるウクライナ侵攻】中国の学者有志の声明 2月27日
「ロシアのウクライナ侵攻に対する私たちの姿勢」
中国・香港の学者5名の連名による声明を紹介します。原文は以下のサイトで、英語・中国語で読むことができます。
http://www.europe-solidaire.org/spip.php?article61294
中国政府がロシアに対する態度を保留している中では、こうした声明を出すのは内容はさておき、非常に勇気のいることだと思います。日本のマスメディアでも注目を浴びていますが、中国国内では原文はすでに削除されているとのことです。
戦争は暗闇の中で始まった
2022年2月22日未明(モスクワでは21日夜)、ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ東部の市民武装集団が宣言していたドネツク人民共和国とルガンスク国を独立国家として承認する法令に署名した。そして2月24日、ロシア連邦は空陸海軍を投入し、ウクライナへの大規模な侵攻を開始した。
国際社会は、国連の常任理事国であり核兵器を持つ大国が、弱い兄弟と戦うことに衝撃を受けた。この戦争は何をもたらすのだろうか。大規模な世界大戦に発展するのだろうか。歴史上の大災害は、しばしば局地的な対立から始まっている。国際世論は心配している。
廃墟、砲撃音、難民……ウクライナの傷跡を目の当たりにして、私たちは深く心を痛めている。荒廃に苦しみ、家族を失い、飢えに苦しみ、国土の一部を手放すことを余儀なくされた国の国民として、こうした苦しみや屈辱が自分たちの歴史意識を形成したことを思い出し、ウクライナの人々の痛みを自分のことのように共有するのである。
ここ数日、あらゆる方面からウクライナの人々がこの戦争に反対する声を上げている。ウクライナ国民は立ち上がったのだ。ウクライナの年老いた母親はこの招かれざる客を厳しく叱責し、ウクライナの年老いた父親は戦争の害悪を嘆き、9歳のウクライナの娘たちは涙ながらに平和を訴えている。モスクワ、サンクトペテルブルク、その他の都市では、市民が街頭に立ち、科学者が反戦声明を発表している。平和、平和、戦争への抗議の声は、国境を越えて心を動かしている。
この数日間、私たちはその動きを注意深く見守ってきた。私たちは、過去について、そして未来について考えてきた。このような喧騒の中で、私たちも声を上げていかなければならないと感じている。
私たちは、ロシアによるウクライナへの戦争に強く反対する。ロシアが主権国家を武力で侵略することは、いくら理由や言い訳があったとしても、国連憲章に基づく国際関係の規範に違反し、既存の国際安全保障体制に抵触するものである。
私たちは、自国を守るためのウクライナ国民の行動を強く支持する。私たちは、ロシアの武力行使が欧州および世界全体の情勢の不安定化を招き、より広範な人道的惨禍をもたらすことを懸念している。
私たちは、ロシア政府およびプーチン大統領に対し、この戦争を止め、交渉によって紛争を解決するよう強く訴える。パワーポリティクスは、文明の成果と国際正義の原則を破壊するだけでなく、ロシア国家に大きな恥と災いをもたらすだろう。
平和は人間の心の願いから始まる。私たちは、不当な戦争に反対する。
発案者
孫江 南京大学教授
王立新(ワン・リシン) 北京大学教授
徐国基 香港大学教授
中偉民 清華大学教授
陳燕 復旦大学教授
The KAKEHASHI
《開封》1部:3ヶ月5,064円、6ヶ月 10,128円 ※3部以上は送料当社負担
《密封》1部:3ヶ月6,088円
《手渡》1部:1ヶ月 1,520円、3ヶ月 4,560円
《購読料・新時代社直送》
振替口座 00860-4-156009 新時代社