「スーダンの友」か「軍事独裁体制の友」か
国際的な外交が軍事独裁と共謀
ポール・マーシャル
国連、西側諸国、およびすべての石油首長国は今、スーダンに文民と軍人から構成される政府を確立するために、何の外交的努力も与えていない。彼らは民衆の意志に逆らっているのであり、その民衆は今も街頭で、軍との「一切の交渉ノー、連携も一切ノー、妥協全面拒否」というスローガンを叫び続けている。
クーデターの日付けである10月25日以来、デモが続いてきた。クーデターは、アブデル・ファタハ・アルブルハン将軍と、民兵集団の急速支援部隊(RSF)の指導者であるモハメド・ハムダン・ドゴロ、別名ヘミッジによって組織された。軍はその抑圧作戦を継続している。1月17日のデモの中では、デモ参加者数人が銃弾で殺害された。クーデター以後、70人以上が殺害され、負傷者は最低でも1000人単位になっている。今兵士たちが、重火器、機関銃、さらに対空砲装備を携えてハルツームの街頭を行進している。
民衆ではなく
軍への助け船
主な西側の首都が住民に対するクーデター実行者による暴力を糾弾しているとしても、彼らはクーデター実行者に命綱を与えている。ドイツの外交官で前シリア担当国連使節のフォルカー・ペルテスは、われわれが知っている成功に基づいて、国連事務総長のアントニオ・グテーレスの特別使節になっている。その彼は今、軍事独裁と民衆諸組織の間を仲介しようとしている。
ある者は、ブルハン将軍の策謀を思い起こすことができる。それは、彼が2、3週間前に放り出したアブデラー・ハムドック首相を、軍に特に有利な新協定を強要することで職務に戻した、というものだった。国連の外交は、この協定の中に「包括的な対話と憲法秩序への回帰に向かう1歩」を見た。ブルハンは、約40日後ハムドックまで辞任してからはただひとりの者になった。
ペルテスは、「スーダン軍部と政治指導者たちは何よりもまず、彼ら自身の国民公衆に対して、特に若者世代に対して信頼を築かなければならない」と考えている。こうして彼は、軍部と民衆諸組織を、つまり虐殺者とその犠牲者を同じ土台上に置いている。
国連外交の目的は、間接的な対話に道を開くことだ。軍は、彼らの目的が傀儡的文民政権を就任させることであり、その背後で彼らが完全な権力を行使し続けるつもりであることであったため、この機会を掴んだ。権力の座にとどまることは、責任を問われることなくこの国を略奪し続けることなのだ。
軍部の永続化へ
一貫した諸方策
今日、米国、EU、アラブ首長国連邦、及びサウジアラビアを含む「スーダンの友」という非公式組織が、フォルカー・ペルテスの計画に支持を与えてきた。そしてその目的は、軍部をこの国におけるひとつのプレーヤーとして永続化させることだ。これはまさに、日々いのちを危険にさらし決起した民衆が決して求めていないことなのだ。
「スーダンの友」は、ムスリム同胞団とオマル・アルバシルの独裁が契約した債務をハムドックの暫定政府が返済するよう要求することによって、この国を資金的に窒息させてきた者たちだ。これが、彼らのクーデターを正当化しようとして民衆の深い不満に一時乗ることができた将軍たちの仕事を楽にした。
「友情」のもうひとつの証明として、フランスは欧州の他の仲間と並んで、RSFを資金的に助けた。しかしこの集団は、ダルフールでの人道に反する罪で告発されたジャンジャウィード民兵の化身にすぎないのだ。そしてこれらの同じRSF部隊が、デモを続けている住民に対する抑圧の前面にいる。
こうして、2016年から2017年まで、国外移住と闘うためにスーダンにはEUによって1億6000万ユーロ近くが支払われた。オマル・アルバシルは、国境警備をRSFに任せた。
オランダのシンクタンクであるClingendae12による報告によれば、マネーの一部はこの犯罪的な民兵に回され、それが自身で装備を改善することを可能にした。同報告は、同集団が移民を拘束し、そのほとんどはリビアの民兵に売られている、と述べている。そして彼らは奴隷にされるか人質に取られている。彼らの家族が身代金支払いに困難な場合、彼らは拷問を受けている。
フランス内でわれわれの連帯が強化されなければならない。スーダン民衆と共に立つことは、民衆の意志に敵対している国連の仲介へのフランス政府による支持取り止め、を求めることを意味する。それはまた、多数の負傷した軍事独裁体制の犠牲者を治療するために、医療用品が病院に直接送られるよう要求することも意味している。(「ランティカピタリスト」2022年1月27日)
▼筆者はIV通信員。「アフリック・アン・リュット」誌編集者、フランスの第4インターナショナルメンバーでもある。(「インターナショナルビューポイント」2022年2月号)
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