フランス・ギアナ海外県でもマクロン拒絶

フランス国家への不信が明確に
解放に向けた道程に新しい可能性

 フランス海外領における今回の議会選結果は、明快なマクロン拒絶だ。海外担当長官のジャスティン・ベナンは敗退し、マクロン派候補者はほとんどの選挙区でもそうなった。投票率は低いとはいえ、これらの結果は、政府の植民地政策に対する、特に公衆衛生パスを巡る、また公共サービスの悲惨な状態に対しても、いわば拒絶を示している。
 特にギアナでは、MDES(脱植民地・社会開放運動)のジャン=ヴィクトル・キャスターの勝利、また第2選挙区におけるデイビー・リマネ(親「不服従のフランス」のLFI)の勝利は、2017年の社会運動の長く待たれた政治的な置き換えになる。ちなみに2017年の運動は、この領域における国家の欠陥を明るみに出すことになった。
 NPAとMDESは、フランス帝国主義に反対し、労働者階級の社会的諸要求を求める重要な立場を共有している。第2選挙区では、フィリップ・プトゥー(NPA大統領選候補者)が第1回投票でクリストフ・ピエールを支援した。彼は、先住民衆の声であり、社会的要求を求めフランスの支配からの切断を擁護した。彼は11・1%を得た。そして第2回投票に向けては、明らかに社会運動の人物であるデイビー・リマネを支持しているように見えた。
 第1選挙区では、ブルジョアジーが支持した候補者の誰も第2回投票に進めなかったという形で、結果は前例のないものになった。予想外の結果は、2017年以来多くの社会運動の前線にいるトロップ・ヴィオランズ協会のスポークスパーソンであるイベーン・グアと、親独立勢力のMDES書記長代理であるジャン=ヴィクトル・キャスターが相争う構図をつくり出している。
 ふたりの候補者とも、フランス国家に対する急進主義の立場を擁護し、フランスの後見から解放される法的展開という展望の中で考えを伝えている。イベーン・グアは、MDESが推し進めた解放のある種世界的な構想を擁護するジャン=ヴィクトル・キャスターよりも、もっとポピュリスト的な立場を擁護している(ウェブサイトの検索の限りでは、最終的勝者はジャン=ヴィクトル・キャスターだったようだ:訳者)。
 右翼はその候補者ふたりが置き去りにされるさまを経験し、CTG多数派のさまざまなメンバーが支援した4人のリスト(全員がNUPESと提携)に関して言えば、彼らの合計票でも彼らを第2回投票に進めることはできなかったと思われる! 第2回投票は接戦確実であり、政治的にNPAに近い活動家たちは、MDESの同志選出に向けすでにキャンペーンに戻っている。
 第2選挙区では、現職のマクロン支持議員が先頭に立ったが、その差は2017年の時よりも小さい。彼の相手は2017年の時と同様、 LFIが支援する労組活動家のデイビー・リマネとなるだろう。フィリップ・プトウーの支援を受けたクリストフ・ピエールは、僅かの票差で第3位の場をもうひとりの2017年の社会運動指導者マヌエル・ジャン・バプティストに明け渡した。
 第2回投票の接戦は確実であり、2017年の時は、僅か51票がふたりの候補者を分け、第2回投票のやり直しが必要になった。第1選挙区における抗議派議員の勝利と組になったデイビー・リマネの勝利は、フランス領ギアナの解放に向けた長い道程の中での新しいページを開く可能性があると思われる。
 期待されることは、これらの選挙の勝利が、フランスの植民地主義に反対し、被抑圧民衆の社会的で民主的な諸要求の勝利を求める運動の建設を助けることになる、ということだ。(フランスNPAの週刊機関紙「ランティカピタリスト」より)(「インターナショナルビューポイント」2022年6月21日)

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