ギリシャ学生の決起に支援を
体制奉仕大学改革の阻止を
アンドレアス・サルツェキス
2022年5月26日、テッサロニキ出身の1学生、ヤニス・ドウサキスが、大学に侵入した多数のギリシャ機動隊、MATのひとりが爆発させた手榴弾でほとんど即死した。その時以来多くの抗議デモのスローガンは非常に明確になった。「手榴弾、それは偶然に落ちたものではなかった!」と。
首相のミツォタキスと彼の極右政府は大学の若者たちを恐れさせたがっている。この間の日々、多くの学生が大規模な決起の中で負傷し逮捕されてきた。
事実、米国の私立大学での元学生だったミツォタキスが首相になった2019年の夏以来学生は、教育・宗教省に対する頑迷なウルトラ新自由主義者のニキ・ケラメノスの指名に対し、当時は大学の保護権廃止に反対して決起してきた。しかしこの日付よりもはるか以前から右翼は、その飼い慣らされたメディアの助けを得て、公立大学を左翼と麻薬の巣であると責め立て攻撃を続けていた。学生は多面的な抑圧に対決する精力的な抵抗を準備し続けた。
テッサロニキのアリストテレス学部は、諸々の決起の、しかしまた挑発でも前線の位置を占めてきた。実際警官たちは、抑圧を効果的にするために放水車を持ち込むことも躊躇しなかったのだ……。そしてこれは、学生たちがこの機械の前ですばらしい記者会見を組織することを可能にしたのだった!
「法と秩序」を名目にしたこの反若者政策を前に、抗議とデモが永続している。5月27日にはテッサロニキで学生5000人と労働運動諸部分のデモがあり、特に6月2日にはいくつかの大学都市で、怒りを募らせた教員たちが、、彼らが教えることができるように消えろ、とMATに叫び声を叩き付けた。またアムネスティ・インターナショナルからの糾弾があり、「古代ローマ執政官ばりの抑圧者と私企業の利益に明け渡された社会的に不毛な場」へと大学を変えようとのもくろみを糾弾する、数百人が署名した学生の文書も出現した。
そして大学選挙の結果は、政府に対する一撃だった。すなわち、(再)統一した学生団体が不在の中、諸傾向のリスト、事実上は政治的諸分派のリストによって選挙を組織する各部門に対し、約40年間有力だったのは右翼だったにも関わらず、それは27%内外に落ち込んだのだ。対して共産党傾向(KKE)が約34%で先頭に立ち、急進左翼傾向は20%ではるかに後れを取ることはなく、シリザは2・5%を得た。
もちろん恒常的な抑圧の狙いは、ケラメノスが上程したばかりのひとつの構想を押しつけることだ。つまり、公立大学の学生数を抜本的に減らすこと(2021年に入学を妨げられた2万人と共に)、そして、度を強めた社会的選抜(もはや社会的ではなく「能力」を基準とした奨学金への移行)、および中規模都市の小さな学部の存在に対する脅迫に基づいて、企業の必要を厳格に満たす学位に向けた協定を締結することだ。
2番目の軸は、集団的機能を廃止する(学長は、数百人の同僚によって選出されることに代えて、大学外部からの5人を含むメンバ11人の「評議会」によって選出されることになるだろう)ことによる、そして政治的な団体形成を排除することを狙うものとして民主的な学生生活を破壊することによる、管理の修正だ。恩顧主義の大学、そうしたものが右翼とこの閣僚の構想なのだ。
こうした情勢の中で、運動は確実に広がるだろう。そして明確なことは、それにはそれが得ることができる国際的な連帯が全面的に必要、ということだ!
▼筆者はギリシャの第四インターナショナル支持者。(「インターナショナルビューポイント」2022年6月17日)
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