米国 労働運動

前進求める二つの構想
ダン・ラボッツ

 今月まったく異なるふたつの労働者の会合が行われた。労働官僚が組織したものがひとつであり、別のものの中心には基層の労働者がいた。

AFL―CIO
大胆さなき変化
 まず、AFL―CIOが6月12日にその大会を開催、初めて会長に女性のリズ・シュラーを、またこれも初めて財務書記に黒人のフレッド・レドモンを選出した。いくつかの他の組織が1970年代に指導部の地位に女性や黒人を選出し始める中でも、AFL―CIOは、いつものように進歩的な発展から何十年も遅れ、今になってようやくそれを行うことになった。
 諸労組は苦難に陥っている。組織された労働者は10%にすぎず、私有門では僅か6%だ。シュラーは、それについて一定のことを行うと約束した。すなわち、「1930年代に工業の組織化に向けてCIO〔産業組織会議〕を創出するためにAFLが力を投じたのとまさに同じく、今日われわれは、組織化変革センター――CTO――を発進させようとしている。これは、この画期のエネルギーをわれわれの運動を次の世紀へと運ぶために転換し加速することになる乗り物だ。CTOは有能なオルガナイザー、技術者、また研究者を結集するだろう」と。
 このすべては、ハイテク産業を組織化するという目標に基づいている。彼女は「われわれは次の10年で、100万人以上の勤労民衆を組織し、われわれの運動を成長させるつもりだ」と語った。
 「ひとつの目標としてそれをどう思うか!」、と何人かの労組最高役職者が語ったように、現実にはそれは、悲しいほどに小さな数字だ。それは、十分な勢いを生み出すことも、力関係を変えることもないだろう。
 それ以上に、AFLがCIOを生み出したわけではない。むしろ鉱山労働者組合の会長だった保守的なジョン・L・レーヴィスは、左翼が重工業を組織化し始めていたことを見つつ、工業労働者を組織すると共に左翼を抑制するためにCIOをつくり出そうと、1935年にAFLを離脱したいくつの労組を指導した。そして1949年、CIOは労組から共産主義者を排除し、1955年にAFLとCIOが合同したのだ。
 1250万人のメンバーを抱えるAFL―CIOは、米国内で最大の労働者組織だ。しかしそれは、現在進行中のもっともワクワクするふたつの労働者組織化運動からの代表をまったく招待しなかった。 8000人のメンバーを抱える最初のアマゾン職場の組織化に先頃成功したアマゾン労働者組合からも、150を超えるコーヒーショップを組織し終えたスターバックス労働者組合からもだ。AFLの作り上げられた官僚的心性では、彼らが連合のメンバーではないという理由で、どちらの労働者グループも招待することはあり得ないのだ。何しろアマゾンの組合は独立労組であり、スターバックスは、AFL―CIOには加盟していない200万人のメンバーをもつサービス従業員国際組合(SEIU)の傘下にある。
 それを迂回する特別発言者はジョー・バイデン大統領だった。そして彼は、これまででもっとも親労組の大統領になると誓った。しかし彼の労働立法と社会的計画は議会の中で立ち往生させられている。

真のエネルギー
レイバーノーツ
 他の労働者会合である、6月16日から同19日のイリノイ州シカゴでのレイバーノーツ評議会は、事実上労組問題に対する反対方向のアプローチを代表した。AFL―CIOや他のあらゆる労働者組織との関係で公式の地位を一切もっていないレイバーノーツ評議会は、多くのさまざまな労組の活動家を結集している。4000人の参加とそれ以上のオンライン視聴があった今回の評議会は、彼らの職場を今も組織し続けているスターバックスとアマゾンの労働者を含む5人の発言者で開会した。労働者の教育センターであるレイバーノーツは、基層の労働者をその活動の中心に置き、労組の再生に対する中心になるとしてその役割を理解している。
 今回の評議会におけるひとつの主題は、労働者のもっとも重要なツールであるストライキを復活させることだった。評議会のかなりの部分が、いくつかのワークショップがスペイン語で行われたことを含め、黒人とラティーノの課題を扱った。多数のワークショップが基層の労働者に、経験や考えを交換する機会を提供している。評議会のほとんどが雇用主と闘うための労働者組織化を扱った一方、労働や音楽や芸術に関する著作の著者との会合もあった。
 レイバーノーツ評議会の特別発言者は、自称民主社会主義者かつ二度米大統領候補者になったバーニー・サンダース上院議員だった。彼は労働者たちに、この国の政治的な方向を変えるために、政府に労働者のためにもっと多くのことを行わせるために、彼らの力を使うよう訴えた。
 AFL―CIOの最高指導者は労働者の問題に官僚的で技術的な解決策を差し出している。他方レイバーノーツは、基層労働者の主導性、創造性、勇気、そして闘いを強調するひとつのモデルを差し出している。(2022年6月19日)(「インターナショナルビューポイント」2022年6月26日) 

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