イラン 現在の抗議に関する急報
叫びは女性、いのち、自由
抗議は継続する
ラヤ・フーシアリ
イランの民衆は、イスラム共和国の旗の下で暮らした年月の中で、あらゆる種類の抑圧と暴力に直面してきた。社会主義者やフェミニストを含む活動家数千人の殺害を率いた1990年代の処刑者である、イブラヒム・ライシの2021年の大統領就任によって、抑圧のレベルは以前以上とさえ言えるものになった。
女性、特に民族グループ、宗教的マイノリティ、労働者階級、また都市貧困層の女性は、最大の量の抑圧を経験してきたグループの中に入る。これらのグループの各々は、さまざまな経済的、社会的、政治的な危機に今直面しているが、同時にかれらのまさに日々の生活は抵抗を特徴にしている。女性は無数の抑圧を経験中だが、その中で義務とされたヘジャブは主な形態のひとつだ。
女性たちは
いつも抵抗
しかしながらイランの女性は、義務的なヘジャブを一度も受け入れたことはなく、政治的抵抗や市民的抵抗のさまざまな形態を通して、いつもその無効化のために闘ってきた。この2、3日、イスラム共和国の手先によるマフサ(ジナ)・アミニの殺害によって、イラン民衆の反乱のもうひとつの波がイランの都市多数で始まった。マフサ(ジナ)に起きたことは、彼女の殺害がさまざまな場所で全国的なデモやストライキに火を着けてしまったほどに、イランの人々にとっては苦痛であり、衝撃的で、また恐ろしい。
「マフサ(ジナ)、あなたは死んでいない! あなたの名は象徴となるだろう!」、これは彼女の墓に書かれているものだ。今年9月14日、22歳になるマフサ(ジナ)は、イラン西部にあるクルド都市のサッケズという彼女の故郷から兄弟と一緒にテヘランにレジャー旅行に出かけた。女性のヘジャブや街頭でのふるまいを手荒に監視する補導パトロールが、テヘランのハッカニー地下鉄駅で彼女を逮捕した。彼女がふさわしいヘジャブを着けていなかった、というのが理由だった。
補導パトロール隊は、マフサ(ジナ)を殴りつけ傷を負わせた後、彼女をテヘランで悪名高い下町のヴォザラ拘留センターに連行した。マフサ(ジナ)はヴォザラ拘留センターで2、3時間後、ひどい殴打と負傷が原因で震えに襲われた。彼女はテヘランのカスラ病院に移された。2日間昏睡状態の後彼女は死亡した。
ジナの死が普通の死ではなく、政府が関わる殺害、しかもイラン内外のメディアで声が上げられることなく毎日起きている殺害だという事実が、そしてそれはまた単独のイラン女性の全員にも起きる可能性があるという事実が、これを全イラン人の政治課題にしている。
抗議の矛先は
体制の全体に
9月19日、イランのクルディスタン中の数都市でクルドの人々がゼネストを決行した。フェミニストたちは、社会のさまざまな部分と共に大集会を組織するために、少なくともイランのふたつの都市で声明を発している。過去の場合と同様、女性がかれらのスカーフを取り去ることで抗議の前面にいる。そして、ヘジャブに反対するだけではなく、イスラム共和国の残忍な構造全体にも反対して今抗議していることを示してきた。
ほんのわずかの名前を上げるだけだが、テヘラン、ラシュト、カラジュ、ディアヴァン、ダーレ、デーグランの都市で、警官が人々を殴打し銃撃する光景が出現した。数人が逮捕され、負傷し、少なくともこれまでに3人が警察によって殺害された。これら死亡者の名前は、モーセン・モハムマディ、レザ・ロトフィ、フォアド・グディミだ。これらの抗議行動とストライキは今日もその後の日々も続くだろう。
先頃の抗議の本質は何だろうか? 人はこれを、国中で抗議に決起した人々が使ってきたスローガンの中に見出すことができる。すなわち、女性! いのち! 自由! 私の姉妹を殺した者たちを殺すだろう! 独裁者に死を! 解放はわれわれの権利! われわれの権力は集団としてのわれわれのもの! パン! 仕事! 自由! ……と。(2022年9月20日、「アンティ・キャピタリスト・レジスタンス」より)
▼筆者はイラン人活動家。(「インターナショナルビューポイント」2020年9月23日)
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