イギリス ストライキ運動最新情報

女王国葬「服喪」に諸対応黒人虐殺には敢然と抗議
テリー・コンウェイ

 英国の「熱い秋の予兆」という論評(本紙9月19日号国際面)は、リズ・トラスが9月6日に首相になるだろう、との予測の下に書かれた。その時予測していなかったことは、エリザベス・ウィンザー、別名エリザベス二世女王、が2日後に死ぬということ、そして既成エリート層が9月19日の彼女の葬式まで「10日にわたる国民的服喪期間」を押しつける、ということだった。
 彼女が死んだ時郵便労働者はストライキ中だった。そしてかれらの労組、CWU(通信労働組合)は、翌日のストライキを中止した。そうしないことは、これや他のストライキに対する極めて幅広い民衆的支持を掘り崩すために利用されていたと思われる。これらの労働者によるストライキのさらに続く日々はすでに確認されていた。
 気候に抗議の運動である絶滅反乱(XR)は、先の死の直後ロンドン中心部での週末行動を予定に入れたが、予定日の前日、その延期を決定したと通知した。トラス新政権には気候否認者が一杯に詰め込まれているが、彼らがそうしなければ、彼らもメディア内の文字通りのこきおろしを前にしていたと思われる。
 当然とは言いがたいこととして、鉄道労組のRMTは即座に、葬儀日程が公表されるはるか前に計画されたかれらの行動の中止を指令した――そしてむしろこびるような悔やみのメッセージに基づきそうした――。
 リズが首相になるというひとつのことともうひとつの死の間に挟まれて、若いひとりの非武装の黒人がロンドン南部で、車での追跡の後彼の車のフロントガラスを通して警察に銃撃され殺害された。この非道――国家による黒人民衆殺害の長いリストにおける最新事例であり、それは国家の制度的レイシズムを見せつけている――に対応し一連の抗議が反応を得た。96歳の老人の死に対する主流メディアの焦点の当て方は、ひとつの媒体で、先の抗議デモで最大のものがロンドン中心部で彼女の死を悼む群集の一部と伝えられる――かれらがなぜそこにいたかをはっきりさせるプラカードが見えるものだったにもかかわらず――ほどのものだった。
 一方法廷弁護士たちはかれらの全力を挙げたストライキを続けた。そして他の労組はさらなる行動に向けた日付けを公表した。生活危機の費用をめぐる多数が参加した各地の集会が、さまざまな現場で起き続けている。労働者階級の生活水準に対する攻撃という具体的実体が、虚飾と仰々しさを切り裂いて行き渡っている。(2022年9月14日)

▼筆者は第4インターナショナルと協力しているソーシャリスト・レジスタンスの支持者。(「インターナショナルビューポイント」2022年9月17日)

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