イラン人当地活動家へのインタビュー

それは抗議運動ではなく蜂起
われわれは体制に何も期待していない

 10月9日に行われたパリでのイラン民衆連帯デモの中で、「イランの労働者と連帯する社会主義者」活動家のソヘイラが、われわれの質問に答えた。インタビュアーはアントワ・ララーシュ。

――この決起の原因は何か?

 以前からまさに多くのことがあった。主要点を言えば、貧困な生活条件と労働条件、個人的および集団的自由の欠落、そして非常に深刻な経済危機がある。そして最後のものは、これまで非常に長期間続き、今、日毎に悪化し続けている。これは、あらゆる抗議に対するますます残忍になる抑圧と一体的に進んでいる。そのすべてが現在の闘争に火を着ける助けとなって合体して現れた。つまりそこに必要だったものは、コップを溢れさせる1滴だったのだ。そして今そこに到達している。
 もちろん、そこでは女性の問題が根本的だ。イスラム共和国が女性を扱う方法、特にそれがかれらに強いているドレス・コード、特にヒジャブを被ることが、かれらを取り巻くあらゆる問題に刺激を与えている。それが非常に特徴的なものだ。それは重要な引き金だった。

――この決起は女性によって実行されているのか? それとももっと幅広いのか?

 今それははるかに幅広く、あらゆる社会層、あらゆる年齢集団が関係している。もちろんそれは、女性と若者たちから始まった。しかし今それは、核心部分は今も大学生と高校生から構成されたままだとはいえ、拡大中だ。住民全体が今、この運動に力を貸そうとしている。それは最も民衆的な社会層へと広がっている。昨日テヘランの貧しい住宅街で、非常に重要な運動がいくつか勃発した。

――今人びとはどんな要求で闘っているのか?

 個人的な意見だが私は、それは単なる抗議運動ではない、ひとつの蜂起だ、と言いたい。体制からは何も期待されていない。諸々のスローガンは体制の打倒に関係している。すなわち「独裁体制打倒」、「最高指導会議打倒」などだ。政治体制が直接標的にされ、人々はその転覆を熱望している。

――アラブの諸々の蜂起とは何らかのつながりがあるのか?

 確実だ。不満の根源のいくつかは同じだ。それはあらゆるところで同じだ。つまり、貧困な生活条件、貧困な経済的かつ社会的な条件、社会的な不公正、政治的、社会的抑圧、その他だ。このすべてが諸々の民衆運動の出現に力を貸している。
 しかしまた「イラン的特殊性」もある。われわれは今神政体制、女性と市民にシャリア法を強要するイスラム独裁、に対処しているのだ。これは、集団的な自由と個人の自由、特に女性のそうした自由を攻撃する。現体制は女性を男の半人前にしようとしている。それは、衣装を統制する点まで女性の権利を抑圧し、公開の場ではイスラム式のベールを被るよう女性を強いている。したがって、上記した最後の1滴が風紀警察拘置所での若い少女の殺害だった、というのも偶然ではないのだ。このすべてが、「女性、いのち、自由」がこの運動の中心的モットーになった理由を説明する。

――自己組織化の自己進展はあるか?

 絶対だ。たとえば運動は、学生団体による大学内でのように、散在的であると同時に多少とも組織化されている。人々は街頭に集まり、スローガンを唱和し、討論する。しかし抑圧諸部隊が介入する。諸々のデモは市のいくつかの部分で同時的に組織される。そしてそれが、抑圧部隊をバラバラにし混乱させる助けになっている。

――主流的労働者運動は関わっているか?

 主要組織の指導者たちは、すでに6ヵ月間投獄されていた。かれらは、当時あらゆる中小規模の町で起きた決起に関わっていた。そこでは、特に教員による諸々のデモがあった。それは、デモ、座り込み、ストライキでこの国に衝撃を与えた。たとえばテヘランではバスの運転士が決起した。指導者たちの投獄はかれらを街頭で見えなくしているが、政治的つながりは存在している。

――連帯はここでどんな役割を果たしているか?

 それは非常に重要だ。幸せなことに、連帯運動は政界中で、また西側を含むすべての国で非常な広がりがある。私は急進的な左翼にもっと参加して欲しいと思っている。右翼グループや王党派による運動のある種の回復があるからだ。急進的な左翼の存在は、この方向との戦闘を助ける点で重要だ。(2022年10月9日)
【最新ニュース(10月12日)】10月11日以来、アサロウイエ石油化学複合企業とイラン南部の精油所の労働者がストライキに入り、主要道路を封鎖している。ストライキは進行中の反乱を支持している。1979年、特に石油労働者のゼネストが、革命を可能にし、パーレヴィ王朝を打倒する上で重要な要素だった。
▼アントワ・ララーシュはフランスNPA指導部と第4インターナショナルのメンバー。ソヘイラは、「イランの労働者に連帯する社会主義者」(SSTI、フランスが拠点)の活動家。(「IV」2022年10月15日)

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