人民連合に結集した諸勢力の意味ある共同と統一の追求を

イタリア
労働者階級の古くて新しい敵との戦闘へ
シニストラ・アンティカピタリスタ(反資本主義左翼)

 この数週間の世論調査が示した暗い予測は、9月25日の投票で完全に確証された。右翼連合が議会両院で強力な多数を確保することになる。この連合内では、ジョルジャ・メローニ率いる極右の「イタリアの同胞(FdI)」が支配的政党だ。彼女は首相になるだろう(実際にそうなった:訳者)。

戦後の政治枠組みの大転換

 われわれは、全体としての労働者運動に、労働組合とあらゆる政治・社会潮流の双方に、深刻な問題を提起する政治的かつ社会的な情勢を今前にしようとしている。実際われわれは、いくつかの観点からわれわれの国にとっての歴史的な転換点が存在する時期にいる。
 その第1として、棄権率を見逃してはならない。それは、すでに否定的な記録であった4年前に比べてもほぼ10%も高まり、いくつかの南部地域での50%に達する頂点を伴って、今や35%を超えている。この数字は、社会的危機、民衆層の絶望と怒り、そして社会の加速的断片化を表している。それは、次々と継続した政権が行った諸政策を前にした幻滅だけではなく、ひとつの社会条件を変えることができるということに対する、希望の薄れをも示している。
 第2に、危機の深まり、新自由主義の緊縮政策、政府交替とその行き詰まり、労働運動のそれに対する対応の不在が、何百万人もの人びとをFdIのような諸勢力に結局は投票するよう押しやった。FdIは多かれ少なかれ公然と、わが国の歴史上もっとも否定的な歴史のページに責任がある政治運動の後継者であることを言明している。その反動的かつファシスト的理念、また労働者運動とその諸組織に対する深く敵対的な姿勢は、過小評価されてはならない深刻な危険となっている。
 それは、この国の暮らしを深く替えるだろう。それに反対するあらゆる勢力は、かれらに対抗するギアを引き上げなければならない。この党の政権内到達は、ローマでの行進とムッソリーニによる権力奪取の100年後に出現している。
 有権者数の総体的な増加にもかかわらず、他の主要政党すべては、4年前の選挙との対比で数十万票あるいは数百万票さえも失った。他方メローニの党は、僅か150万票以下(4%)から700万票以上にまで到達した。
 FdIはこの成功を主に、何らかの実質というよりむしろ外観だけだったにも関わらず、自らを唯一の野党として提示することで、ドラギの国民統一政権の期間に作り上げた。それは、ドラギ政権が全く不人気だったという証拠であり、また市民数百万人が棄権する気にさせられ、あるいはこの経験によりさらに右へとまで押しやられた、という形で証明された。
 実際メローニの台頭は、サルヴィニのレガ(同盟)に対する支持に大量流失を引き起こした。そしてこの党は、サルヴィニの伝統的な政治的かつ選挙上の領地であるいくつかの北部地域ですら、FdIに追い越された。ベルルスコーニのフォルッツア・イタリアもまた、重要な選挙上の存在感を何とか維持できたものの、2018年比でかなりの票の減少に見舞われた。
 2022年の右翼連合支持票(1220万票以上)は現に、2018年のそれをわずかに上回っているにすぎない。しかし政治的な違い、歴史的な変化は、イタリア社会運動(MSI、ムッソリーニのファシストとの連続性を戦後体現した潮流)の後継者であるFdIの全面的なヘゲモニーにある。それは、第二次世界大戦後出現した政治的枠組み全体をひっくり返している。

反動派にイデオロギー的対抗を


 現在のイタリアのできごとがもつ歴史的な重要性に関しては第3の要素がある。極右の勝利は、いくつかの欧州諸国の中での多少とも公然としたファシストあるいは極右勢力の、一定数の確かな政治的また選挙上の前進を特徴とする、国際的な枠組みの一部、ということだ。これらの勢力は、資本主義システムとその民主的で制度的なシステムの深い危機から力を引き出した。
 民主党(PD)とフォルッツア・イタリアにより立案され、またレガも支持に票を投じたロサテルム選挙システム(非民主的で反憲法的な恥)(2017年の選挙法による、小選挙区比例代表並立制を基本骨格とする制度、最初に提案した当時のPD指導者のエットーレ・ロサレにちなんで上記の通称が付けられた:訳者)の歪みが、絶対多数を確保していない連合(その得票率は44%)に、両院での非常に大きな多数確保を可能にしている。議会の代表性はこうして、実際の票との関係で大きく歪められている。
 しかしながら事実として残っていることは、右翼と反動派のイデオロギーと政策が他の政治諸勢力によっても表現されているということ、またそれらが今日イタリア社会に現れている、ということだ。それらは今後、新政権のより大きな力と財源に基づき進展させられるだろう。言いたいことは、これと完全に異なった理想も、民主主義、社会的進歩、公正という理想も、イタリア社会に生きていない、ということではない。それらを支持する運動から始めることが、さまざまな右翼勢力の反動的な攻勢に対抗するために必要になるだろう。

全面的破綻のPDはどこへ?


 M5S(5つ星)は政権を担った4年間の後、わずか3カ月前には死んだものとあきらめられていた。政権の中でこの党は、企業に送られた贈り物にはふれないまでも、戦争への支出、反移民の諸法、また社会的諸闘争への反対を含むあまりにも多くの反民衆的な方策に責任を負っていたのだ。しかしそれは、ドラギの動きとの部分的な決裂、および一定の自立した党の姿と「進歩的な」イメージを作り上げた、コンテの精力的で中央に集中された役割のおかげで、何とか自らを再出発させることができ、15%以上の得票率で今第3政党だ。
 レッタのPDは、M5Sに関し拒否されたものを含む連合政策を始めとして、事実上あらゆる過ちを犯した。これは部分的に、ブルジョアジーの業務を管理する党としてのその本性とイメージを、その伝統的な民衆基盤にしがみつくことと組み合わせようと、無駄に挑んできたからだ。ちなみにその基盤は、イタリア共産党としての過去の遺産だ。
 いわば破綻したその作戦の結果は、「第1条」(アルティクロ・ウノ――イタリア憲法に合わせている)をそのリストに再度加えたにもかかわらず、決定的な得票率20%以下として現れ、2018年の失敗を繰り返している。ちなみに「第1条」は、独立したリストとして2018年に3%以上を獲得したベルサーニの分裂組織だ。
 好戦的な諸政策が彼に多くの支持を引き寄せることを可能にしたかもしれないと考えることも難しい。これは右翼がもっとも心地好く活動でき、もっと説得力を発揮する領域だからだ。
 最後に、指摘しなければならないことは、自由主義者2人組の連合のアズィオーネ、つまりカレンダとレンツィが、突破を実現できず期待の10%とはほど遠いままであるとはいえ、北イタリアのいくつかの選挙区では善戦したという程度まで、ブルジョアジーを代表する点でPDと競っている、ということだ。
 PD連合リストの枠内で選挙を行ったグリーンズとシニストラ・イタリア(イタリアの左翼)は、議会に代表を確保することで満足感を得た。それらは最後の週、もっとよい結果を期待していた。しかしながら、それらは役に立つことができず、それらにPDが押しつけた関係に気をもんでいる。その政治構想をあらためて確定するために招集された次のPD大会は、その政治的な観点を再確定するよう党を強制するかもしれない。

新しい左翼への真剣な努力必要


 ウニダス・ポポラーレ(人民連合)は、それを形成したさまざまな政治勢力の数多くの同志たちによる大きな力の投入と自己犠牲、またそれが展開できた僅かな週のダイナミックなキャンペーンにもかかわらず、議会参入のための最低基準である3%に届かなかった。その結果(40万票強、1・43%)は、事実として4年前のポテレ・デル・ポポロ(人民に権力を)のそれより僅かに多いだけだ。
 これが突き付けるものは、このリストのために2週間で必要な署名を集めることを可能にした戦闘的な活動と、投票の大衆的な側面の間に避けがたくある溝だ。後者は、劇的な経済情勢と社会情勢を前提としたとき、まったく異なった政治的信用と何よりも諸政策を必要としている。統一され一貫性のある政治的な枠組みの中でのはるかに長期の働きかけが必要だった。
 人が無視してならないのは、労働者階級から見て信用できる社会的かつ政治的な構想を打ち立てる意志と能力を急進的な左翼がもつことなく、何年もが過ぎ去った、という事実だ。われわれは、階級的でオルタナティブな左翼を再建できると思われる実体のある合流を実行する必要があった。われわれはその代わりに何年も、あまりに多くの場合競争と独自建設に気を取られすぎた。それは、選挙キャンペーンでは矯正が必要な過ちだ。
 これは、ウニオーネ・ポポラーレ名簿を軸に結集した諸勢力が、統一と拡大、さらに共同行動のもっと意味のある形態を追求しなければならない、ということを意味している。決定的なことは、諸々の危機と生活費によって打ちのめされている労働者階級諸層と居住域の中で始めることで、階級的運動の再建に関心をもつこれらの諸勢力としっかり結びつくことだ。しかしまたそれは職場と労組の中でも問われることであり、それらは今後かつて以上に、メローニ率いる政権の生命を厳しくすることができるという点で決定力をもつだろう。

労働運動には重い問いかけが


 新たな右翼政権の政策は、ドラギの設定課題、すなわち新自由主義のブルジョア諸政策の継続となる以外あり得ない。FdIのナンバー2は早くも、次の財政声明は4人(連立3党ともうひとり:訳者)で、つまりドラギも加えて練り上げられなければならないだろう、と語った。
 イタリアのブルジョア階級は、メローニ政権と協力し、それを飼い慣らす上で何の困難も抱えないだろう。すでにはっきりしていることだが、この政権が支配的な経済政策からそれず、また大西洋連合および前提的なEUの枠組みの内部にとどまるよう、共和国大統領を通じることも含め、ブルジョアジーは何よりも監視するだろう。民主的権利と市民権は後ろの席に置かれるだろう。
 選挙から出現した力関係を条件に政権内にはさまざまに緊張が生まれるだろう。そして3党は、それらがもっとも代表するさまざまなブルジョアの部分(小、中、大)を保護し、安全を確保しようとするだろう。そうするためにそれらが行うことになるのは以下のようなことだ。
▼労働者内部の分断と不安定労働へのさらなる集中。▼「市民所得」の問題視。▼立場が弱く周辺的な諸層をさらに不利に。
▼移民に関する賃金戦争。▼市民権と女性の権利の投げ捨て。
▼戦争参加の継続。

 このすべては何よりも、労働運動の役割に問題を投げかけるものだ。情勢がまさに恐ろしく、社会的諸層がかれらの問題への解決のためにメローニやファシストの後継者を当てにするとすれば、その責任はまた、経営者とその政府と対決して労働者の集団的防衛を築いてこなかった者たちにもある。労働組合の指導者たちは、われわれが結局陥った社会的で政治的な総崩れに重い責任を負っている。

新しいエネルギーとの結合へ

 純粋にデモのような行動に出る以上にかれらが方向を変えることができるとは想像しがたい。そのようなデモは、ファシスト勢力が労組本部に特別の注意を向けている(ファシストのフォルツア・ヌオヴァは、昨年CGILのローマ本部に攻撃を加えた)ことを条件に、CGIL(イタリア労働総同盟、イタリアの主要労組連合)ですら行うことを余儀なくされているのだ。
 先週土曜日、数百万人もの若者たちが街頭に繰り出した。かれらが示したものは、右翼と支配階級の世界に代わるもうひとつの世界像、地球の破壊に反対し、自然と労働を搾取する論理に反対して闘う意志だった。困難で暗い絡み合いの中で、それらは、数多い他の社会運動やキャンペーンと共に希望を示すひとつの印だ。そしてこれからの日々間を置かず、われわれはそれらとの統一と強いつながりを築き上げる必要がある。
 右翼が勝利したこの時に当たって、われわれの組織は姿を見せ、闘争と抵抗の再構築というこの努力の前線にいなければならない。選挙の時期を経て、社会運動と労働者の闘争からなる2回戦がやって来ている。それは、受動性と諸々の惨害に対する「黙想」のような処世観のいかなるものも拒否することを前提条件にしている。われわれはそれに代えて、ものごとをひっくり返すことは可能だとの信念をもって、決起のあらゆる戦線を再建する。
 われわれは、今度のCGILデモに向けローマにいるだろうが、指導者たちの空虚な言葉によってではなく、闘争と経営者との対決の合い言葉をもってそこに向かいたい。
 今はかつて以上に反乱と抵抗の時だ。われわれは10月1日、「合流」の諸集会に向けローマに、さらになお一層10月22日のボローニャのデモにいるだろう。
 われわれは、秋の全般的な主導性を今討論している草の根の労組内の、また時々に合わせた機能上のまた政治的な成熟を発展させる必要にも迫られている人々の議論を、注意を払って追いかけ、そこに加わる。
 CGIL大会が近く開かれようとしている。それは、やるべきことは何か、また敵の政府と準ファシスト右翼と対決し、資本家と対決する闘いをどう進めるか、について何千人という労働者と語り合う具体的な機会だ。ここであげたわれわれの敵は、かつて以上に利潤と超過利潤を守ろうと没頭しているのだ。
 EU大統領のラガルドは今日、激しいインフレの長期化を、つまり賃金と年金への、労働者階級の基本となる生活条件への攻撃を予告した。
 この秋は鋭い矛盾によって、貧困、困苦、また基礎的な費用を満たす困難を経験するわが国の数百万人によって特徴づけられるだろう。非常に鋭い緊張が、さらに暴動や反乱の可能性すら生まれるだろう。
 人々を孤立させないために、政府の政策に反対できる実体のある運動を築き上げるために、生活費の危機に関する社会的キャンペーンが構築過程にある。
 そうした運動は、「われわれは払わない」との名称の下に英国ですでに始められている。それは今日、わが国の多くの所で成長中だ。これからの日々、それがめざすのはその拡大と根付きになる。われわれの組織はそれを全面的に支援する。そしてわれわれの仲間たちはその支援に注力する。(2022年9月26日)

▼シニストラ・アンティカピタリスタは、イタリアにおける第4インターナショナルの1組織。(「インターナショナルビューポイント」2022年10月11日)

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