ギリシャ 極右との対決をあらゆる形態で

アンドレアス・サルツェキス

 黄金の夜明けのナチスに対する有罪判決から2年、その控訴審は反ファシズム決起の好機になる。
 7月に始まり、2020年の刑期の延長に導く可能性もある裁判は、被告人の支援者による法廷での挑発(警察の介入がないままのナチス式敬礼)で、さらに重大なものになった。

ファシストの
危険なお残存

 もちろん、黄金の夜明けの再建という危険は、過去2年その指導者たちが古典的に分裂したということだけを理由としても、明日というわけではない。ちなみにその分裂は、自身のグループを創立した暗殺集団の元指導者だったカッシディアリス、および反ファシストのラッパーだったパブロ・フィサスの殺害(2013年)に責任がある者たちの仲間である国会議員のラゴス、それと総統の、先のふたりより現在挑発的でないミカロリアコスの間のものだ。
 しかし、ファシストの危険が依然あることは明白で、カッシディアリスはこの裁判を、「欧州中で今有力になっているものと似た、強力な党に基づいて〔彼の〕仲間の市民の声を表現する」ための演壇として利用しようと試みている。
 しかしながらギリシャには、極右のラオス党を通じて次第に再生利用されたファシストとナチスの殺人者をある時結集する可能性も考えられる極右政党確立に向けた土壌が、今も豊かに残っている。ちなみにラオス党は、2011年に右翼とパソク(元主要政党だった中道左翼:訳者)と共に、次いで新民主党と共に政権党だった。そしてかれらはそこで、鍵を握る地位を確保することにより、警察国家の路線を今推し進めている。
 象徴的な事例は、ギリシャのナチスのイデオローグだったコスタス・プレヴリスの息子で「再生利用された者」のひとりである公衆衛生相のサノス・プレヴリス弁護士だ。何と言っても彼の父親は、悪意のあるヒトラー礼賛者であり、以下のような章句のある反ユダヤ書籍の著者なのだ。すなわち「ユダヤ人と人類はふたつの相容れない観念であり、ひとつは他を排除する」と。
 父プレヴリスは、そのような著作を理由に裁判にかけられたが、その時彼の息子により弁護された。そしてその息子は2009年に、父が国家社会主義を伝道するのを妨げようとした試みと対決して、父を保護することをなおもためらわなかったのだ。それゆえわれわれは、自らラゴスを弁護する弁護士を買って出ている彼が、彼の父親の「猛々しい」姿勢を話す時、今も一時も彼を信じていない。そしてそのラゴスは法廷で、フィサスの母親の前で彼女にナチス式敬礼を行った……のだ。

褐色の疫病に
街頭での対決
 このすべてを前にある人びとは今、刑事判決を受けたグループや個人の選挙立候補禁止を求めている。しかし何よりも、警察の暴力の系統的使用と社会に対する監視から彼が争って求める極右との結びつきまでの、ミツォタキス首相の極度の右翼政策に反対し闘うことが必要だ。
 10月7日裁判所の前で、その日証言していた、また裁判長に「私の息子は死んだのではない、殺されたのだ」と思い起こさせたマグダ・フィサスを支援して、2、300人の反ファシスト集会が行われた。パブロスを悼んで、ロウクマンを悼んで、エジプト人漁師を悼んで、また他の犠牲者を悼んで、そしてしつこく続く危険に反対して、反ファシストの闘いは続く!(2022年10月19日、「ランティカピタリスト」より)

▼筆者は、ギリシャの第4インターナショナルメンバー。(「インターナショナルビューポイント」2022年10月19日)

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