イラン 衰えない抵抗

確実な抑圧強化前に
一層の国際連帯を
ドミニク・レルージュ

 諸々のデモが50日以上を経ても、今も日毎に抑圧の諸方策を強化し続けている不安定化させられた体制の面前で、イランでの決起は続いている。
 イスラム体制は、1979年にそれが確立されたとき、西側大国によるこの国の支配に終止符を打ちたい、と公言した。それはまた自らを、貧しい者たちや不遇な者たちの権力であるとも宣言した。しかし43年後の現実は以下だ。
▼イランは今も、国際資本に、また米国、中国、またロシアのような外国の大国の諸政策に依存している。▼富裕層はますます裕福になり、そしてそれは主に神政体制と結びついた者たちだ。
 体制は、そのアイデンティティをあらためて確認する試みとして、その基礎のもうひとつのものに、神経質にしがみついている。つまり、中でもベールをまとう条件を厳しくすることを通した、女性の支配だ。

闘う意志の
明白な表出
 特権層による豊かさのこれ見よがしの見せつけが、若者の憤激を激化させている。同時に、女性に対する抑圧の強化が、あらゆる女性蔑視と家父長的方策に終止符を打つという、彼女たちの切望に導き続けている。加えてこの春以来、経済危機の深刻さには、社会的決起の高まりが伴うことになった。
 このすべてが、50日以上の間デモが弱まることがなかった理由を説明する。逆に、それらはもっと急進的になろうとしている。たとえばそれは、神政体制の終わりを求める、また彼らが依拠する最高指導会議や準軍隊的民兵や革命防衛隊を直接標的にしているスローガンがどこにでもあること、で示されている。

予想できること
は抑圧強化のみ
 ストライキによる国の麻痺が、ムラー体制に終止符を打つ唯一の方法だと思われる。しかし現段階で、この国の鍵になる部門におけるストライキ運動は立ち後れている。数十年にわたるシャーとその後のムラーの独裁を受けた後の、労働者運動の弱体な組織化、また一定数の労組活動家の投獄(ある者たちの場合は5月から)が、ストライキの全体化には今後時間を必要とするだろう、という理由を大部分説明する。しかしわれわれは、シャーの打倒には2年にわたる闘争を要した、ということも忘れてはならない。
 イラン系英国人研究者のヤサミン・マザーの場合、「われわれは今なお体制の倒壊からは遠く離れたところにいる」、たとえ「イランイスラム共和国がいま大きな試練、過去44年のどのようなときよりも深刻な試練、を前にしている」としても、と語る(注)。
 あらゆる兆候は、政府は譲歩するつもりが全くない、というものだ。政府は、譲歩の可能性を探るものはすべて弱さの自認に、また決起への励ましになるだろう、と信じているように見える。ヴェールに関し引き下がることもまた、体制内のもっとも原理主義的な潮流の支持を失うことを意味すると思われる。
 そのような条件の中でわれわれは、子どもたちと約20人のティーンエージャーを含む少なくとも273人の死者、数千人の負傷者、約1万4000人の逮捕者をすでに生み出している抑圧の、強化を予想することができる。
 これを前にして、イラン民衆の闘争との国際的連帯がかつて以上に不可欠になっている。(2022年11月10日、「ランティカピタリスト」より)

▼筆者は、フランス反資本主義新党と第4インターナショナルのメンバー。
(注)「ウィークリー・ワーカー」2022年10月20日、「何かが与えなければならない」。(「インターナショナルビューポイント」2022年11月10日)

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