パレスチナ イスラエル占領下の2022年もっとも命が脅かされた年

ユムナ・パテル

 2022年はこの何十年間で、イスラエル占領下に暮らすパレスチナ人の命がもっとも脅かされた年となった。この年は、占領された西岸と東エルサレムで特に、国連が2005年に死者を記録し始めて以来、この領域内でのパレスチナ人殺害の最高数を印した。
 殺害は、1月の第1週からまずふたりのパレスチナ人殺害――ひとりはイスラエル兵によって、ひとりはイスラエルの入植者によって――からほとんど即座に始まった。その時からずっと殺害は止まらなかった。
 この年の始め以来、人権団体のモンドワイスはイスラエル軍部隊と入植者によって殺害されたパレスチナ人すべての記録を取り続けた。われわれはわれわれの記録作成活動の一部として、パレスチナ保健省、現地や国際的なニュース機関、さらに独立したジャーナリストからの報告に基づいて、殺害された者たちの名前と数のクロスチェックを行ってきた。
 公表時点で、2022年に殺害されたパレスチナ人の総数は231人に達した。この数には、ガザで殺害された53人、8月の「夜明け作戦」の中で殺害された49人の女性、さらにイスラエル国家領土内部で殺害されたイスラエル市民権をもつ5人のパレスチナ人も含まれている。
 しかしながら、今年この死者の圧倒的多数は、173人という形で占領された西岸から出てきた。われわれはこの報告の目的として、西岸と東エルサレムで殺害された者たちに、あるいは西岸と東エルサレムの住人だったが他の被占領パレスチナの場所で殺害された者たちに焦点を絞るつもりだ。
 このリストに含まれているのは、イスラエル兵により射殺されたパレスチナ人や、イスラエルの入植者によって轢き殺されたパレスチナ人だけではない。それはまた、「直接的な医療放置」の結果としてイスラエルの刑務所内で死亡したパレスチナ人政治犯や、イスラエルのアパルトヘイトや植民地主義に抵抗する中で死亡し、こうしてパレスチナの公衆から殉教者――大義のために死亡した者たち――と見られている者たちをも含んでいる。
 西岸と東エルサレムで殺害された173人の中には17歳以下のこどもが39人いるが、それはこの領域内の死者総数の27%近くになる。
 われわれの記録によれば、今年1ヵ月に殺害されたパレスチナ人の最小は6人、最高数は30人が殺された10月――平均でほぼ毎日ひとり――に記録された。
 西岸の中では、死亡者の最高数がふたつの特定地区、ナブルスとジェニンで起き、各々全死者数の19%と34%を占めている。西岸北部の2地区における特に多い数は、両地域で見られた武装抵抗の復活に帰すことができる。そしてイスラエル軍は、今年その鎮圧に活動を集中させた。
 2021年後半、イスラエル軍は占領地の西岸におけるそれまでに緩められていた発砲規制を修正し、パレスチナ人がもはや直接の脅威を示していないとしても、文民の車両に石や火焔瓶を投げつけたパレスチナ人を部隊が撃つことに許可を出した。
 軍のスポークスパーソンは、修正された規制は、軍の襲撃の中で部隊に向かって石や火焔瓶が投げられる場合ではなく、文民の車両にそれらが投げられる場合にのみ適用され、兵士は致死的な力の利用は最後の手段との規則に従うことになっている、と言い続けてきた。しかしながら今年の殺害の性格は違ったものになった。
 モンドワイスが集めた記録に従えば、殺害された者たちの圧倒的多数は、イスラエルの部隊との衝突の中でイスラエル警察、国境警察、さらに軍によって銃撃されていた。今年イスラエルの武装部隊とパレスチナ人間の武装衝突に相当な高まりがあった中、殺害された者の多くは、非武装のまま、あるいはイスラエル軍車両や武装兵士に向かって石や火焔瓶が投げられる中で銃撃された。いくつかの人権グループは、多くの場合について、殺害された者たちはかれらが殺害されたとき、イスラエル兵の命に対する明らかな脅威になっていなかった、と考えている。(2022年12月31日、モンドワイスより)(「インターナショナルビューポイント」2023年1月13日)

The KAKEHASHI

購読料
《開封》1部:3ヶ月5,064円、6ヶ月 10,128円 ※3部以上は送料当社負担
《密封》1部:3ヶ月6,088円
《手渡》1部:1ヶ月 1,520円、3ヶ月 4,560円
《購読料・新時代社直送》
振替口座 00860-4-156009  新時代社