ドイツ3月27日 交通部門ゼネスト
闘う中で7万人が労組加入へ
世論も大きくストを支持
悲観視もあった
公務部門の交渉
統一サービス労組(ベルディ)は、それが組織する部門でいくつかの団交に取りかかっている。最初のものは、ポスト/DHLでの団体交渉であり、雇用主であるドイツ・ポストがかつてよりも多くの利益を挙げたという事実にもかかわらず、並の合意で3月14日に終わった。
新たな世紀の始まり以来、公共部門ではいくつかの労働協約が結ばれてきた。これらは、個々の部門に対する、また連邦の諸州に対する労働協約だ。これは、規制緩和の、またこの30年の緊縮政策をも原因とする結果だ。
連邦と自治体に対する団交は、ベルディがその要求をもっとも良く押し通すことができるもののひとつだ。自治体では、ベルディの強力に組織された部門が、以前の団交の祭に必要な圧力を組織することができた部分だ。これらには、地方公共交通の、空港の、ごみ収集の、また病院やデイケアセンター(Kitas)の労働者が含まれる。
ベルディは10・5%、最低月額500ユーロの賃上げを要求している。特にふたつの工業部門労組、IGメタル(IGM)とIGベルクバウ・ケミー・エナジー(IGBCE、鉱業・化学・エネルギー労組)が昨年大した活動もないまま極めてつつましい協定に達していたために、先の要求達成は簡単ではないだろうと、おそらくすべての者にはっきりしていた。
交渉不調の中で
スト計画が浮上
1月末と2月末のこれまでのところ2回の交渉の中で、連邦と地方の政府からの真剣な提案は全くなかった。結果として、ベルディはその活動レベルを引き上げ、その結果、3月の毎日、さまざまな地域でひとつかもっと多く警告ストがあった(注)。その結果その団交はメディアの多くの報道対象になり、路面電車やバスが最大10日間車庫にとどめられ、多数のデイケアセンターが閉鎖されたにもかかわらず、住民内部で幅広い支持を得た。
2月、鉄道交通労働者労組(EVG)が、今年に向けた賃金要求を提示した。12%、最低月額650ユーロの引き上げだ。1回目の交渉は、2、3時間後に終わった。EVG指導部は、かれらの構えを強化するためのストライキを組織するだろう、と語った。これはこの労組の場合全く普通ではない。DGB(ドイツ労働総同盟、ドイツの労組ナショナルセンター)内の労組個々の中で、この労組はむしろドイツ鉄道(AG)当局に従順でそこと親密と見られているからだ。
3月中旬から、3月27日の公共部門における3回目の交渉開始に合わせ、1日共同ストライキが組織されるという考えが伝わった。この考えは当初、多くの疑いの念で受け取られた。さまざまな労組がともに闘うということはドイツでは全く普通のことではないからだ。
メディア敵対も
ストライキ決行
しかしこの懐疑は次第に具体的な準備に取って代わられた。そして3月23日、EVGとベルディの指導者たちは、記者会見で1日共同行動に向けたかれらの計画を公表した。3月27日に多くの地域で、多かれ少なかれ全国的に、鉄道で、港湾で、運河で、さらに地方公共交通でストライキが決行されるだろう、ということが明確になった。その後民衆的論争が濃密にまた急速に現れ、いくつかのメディアはストライキに反対して大量のアジテーションを始めた。しかしながらこれは、世論が大きくストライキを支持した以上、全く無益だった。
3月27日、ドイツ中の公共交通が止まった。空港はほとんどすべての便をキャンセルせざるを得ず、鉄道の信号労働者は運行全停止を確実にし、水門管理労働者は運河上の輸送船運航を停止させた。そしていくつもの都市では、路面電車と地下鉄列車が消え、私企業バス会社のバスだけが運行した。高速道路上と大都市での恐れられた混沌は現実にならなかった。被雇用者が休暇を取るか、自宅からリモートで働いたためだ。こうして当日、普通の月曜日よりも相当に少ない交通渋滞が伝えられた。いくつかの新聞――何よりも先頭はビルト紙(欧州で最も売れていると言われる日刊紙:訳者)――のアジテーションはこうして全面的に敗北し、このストライキはベルディとEVGにとって完璧な成功となった。
ベルディ委員長のフランク・ヴェルニッケによれば、郵便局と公共部門の警告ストライキ期間中に新組合員として7万人が同労組に加入した。労組活動家たちは、人びとが闘うとき労働組合運動は再びより強くなる、と確実に主張できる。
追記―3月29日から30日に、「雇用側」とベルディおよびドイツ市民サービス連合間交渉の3回目が労組側から決裂と宣言された。結果として、社会民主党(SPD)のナンシー・フェーザー内務相は、「雇用側」は調停を求めることになろう、と公表した。
▼筆者は、ベルディ組合員であり、ベルディのヂュッセルドルフ地方執行委員会の一員。第4インターナショナルドイツ支部の国際主義社会主義組織(ISO)メンバーでもある。
(注)近年では、「警告ストライキ」を通して要求を強要することの発展が見られてきた。ベルディでは、これらは普通様々な部門に指令される全日ストライキだ。それが何らかの結果に達する可能性がないと考えられるときにのみ、交渉は決裂と宣言され、組合員内で投票が行われなければならない。そこでは75%の多数が必要になり、その時無期限ストライキが可能になる。警告ストライキと無期限ストライキの双方で、労組は「ストライキ手当」を払うが、ストライキ労働者全員にではなく組合員にのみだ。(「インターナショナルビューポイント」2023年4月1日)
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