ドイツ ここでもポピュリスト右翼が台頭

注がれる燃料に三要素

ヤコブ・シェーファー

 資本主義システムのこびりつき、深まる一方の深刻な経済的かつ政治的な危機を背景に、われわれは今、ポピュリスト右翼と極右の欧州中の台頭を見ている。
 ドイツでは、右翼の立場に立ち、大きく極右に傾いているポピュリスト政党であるAfD(ドイツのためのオルタナティブ)が、世論調査での支持率20%という形で、首相の党であるSPD(社会民主党、同支持率17%)の先に立っている(SPDは、新自由主義の緑の党、および強硬新自由主義者のFDP〈自由民主党〉と連立政権を形成している)。みっつの要素がAfD台頭に燃料を注ぎ込んでいる。

三分の一の
外国人嫌悪
 ファシズムの敗北を受けた後でも、ドイツ社会にはしつこい底流があり、それは、権威を信頼し、外国人を嫌悪し、レイシズム的ですらあるもので、人口の三分の一内外を包含している。この事実は、1981年の集中した研究の主題だった。そしてそれ以来、その後のいくつかの研究で繰り返し確証されてきている。この基礎をなす姿勢は、「人生の資本主義的過ごし方」(エーリッヒ・フロム)に、つまり住民の大きな部分が抱える社会的保障の欠落に、またシステムが内包する宗教性に、つまり恒常的に指導され実行される競争とそれを源にする利己主義に由来する。
 しかしながら長い間、この基本的な潮流は政党形態で自己を政治に押し出すことができずにきた。これは部分的に、カリスマ的な指導者の不在が理由だったが、しかし何よりも、キリスト教民主党がそれらの考え方のいくつかを代表し、かつSPDもレイシズムに立ち向かう防波堤ではなかった、という事実によっている。
 結局、SPDが憲法修正を認めた1993年に、難民の権利が厳しく制限されるのを容認したのはそのSPDだったのだ。

社会的保障への
不安が一層深く
 資本主義が抱える社会的保障のなさは、この20年を通じて(東ドイツでは、早くも1990年の西による接収以後から)、社会の下半分(東ドイツ住民の過半の場合)にとっての社会的保障欠落における特徴的な増大によって度を加えられてきた。少なくともこの10
年、この現象は不安定雇用の広がり、住宅危機、そしてその間の気候危機によって悪化させられてきた。

AfDを除いて
政党の信用失墜
 人びとはこの2、3年を通じて、問題を解決するための重荷はかれらの(そしてより特定的には労働者階級の)責任だということ、そしてこれが未来でも事実であり続けるだろうと、実感するようになっている。たとえば、エネルギーと食品の価格は去年と今年急騰し、人びとには劇的な結果が付随した。そしてこの数週間で、暖房法がこのリストに付け加えられ(この法は9月に採択される)、結果として、一戸建て家屋の所有者にとって地代と諸費用は翌年以降ずっと相当に上がるだろう。
 この数ヵ月を通じた結果は、「既成政党」の信用度の巨大な喪失となった。AfDだけがこの深い信用の危機から利益を得る可能性をもっている。AfDはただひとつの野党と見られているのだ。そしてこの政党は今、この状況を全面的に利用している――右翼ポピュリストの民衆扇動の助けを受けて――。
 これは代表制の危機であり、したがって政党の危機だが、まだ制度の危機とは言えない。
 左翼党は、オルタナティブとは見られていない。それは改良主義政党として、みっつの州政府に参加している(チューリンゲン州では政府首班すら確保している)。その上そこには党内分裂があり、近い将来には党の分裂という可能性もある(おそらく早ければ今年にも)。トップにサラ・ヴァーゲンクネヒトを据えたこの分裂は、左への分裂ではなく右への分裂になるだろう。(2023年7月27日、「ランティカピタリスト」より英訳)

▼筆者は、第4インターナショナルドイツ支部のISO(国際主義社会主義者組織)の活動家。退職した鉄鋼労働者であり、戦闘的労組ネットワーク(VKG)の運営委員を務めてきた。「ディー・インテルナティオナーレ」誌編集者でもある。(「インターナショナルビューポイント」2023年8月2日)

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