米国 民主党を揺り動かす
パレスチナ連帯運動
ダン・ラボッツ
パレスチナ連帯
全国に行動拡大
イスラエルがガザに対する爆撃を継続、拡大し、ガザ進行に乗り出す中で、その2週間目の間、ニューヨーク、シカゴ、ヒューストン、デンバー、ロスアンジェルス、さらに他の都市で、休戦を求める抗議のデモとして何千人もが行進した。パレスチナ人やユダヤ人のグループが先導し、抗議行動参加者たちは、休戦だけではなく、イスラエルのジェノサイド戦争の終結とイスラエルに対する米国の資金供与を止めることをも求めて声を上げた。ニューヨークの参加者たちは警察が300人を逮捕する中グランド・セントラル・ステーションを占拠し、学生たちはいくつもの大学キャンパスでデモを行い、一方高校生たちはいくつかの都市で授業を放棄し教室を出た。同時に、数十万人の米国人が休戦を求める請願に署名した。
イスラエル支持
これまで当然視
一握りの進歩派が休戦決議案を提出し、バイデン大統領の支持率が劇的に下落し始める中、この抗議行動が民主党を揺さぶることになった。最新の世論調査は、民主党員を含むほとんどの米国人がイスラエルへの共感を示したが、米国人の67%は休戦を求めていることを明らかにしている。それでも、進歩派が下院に休戦決議案を提案した時、それを支持したのは435人中18人にすぎなかった。バーニー・サンダースの300人以上になる元スタッフメンバーが彼に休戦決議案の上院提出を促したが、彼はそうすることを断った。代わりに彼は、ガザに援助を持ち込むための「人道的停止」を求めたが、それはその後バイデンが採用した立場だった。
1948年のイスラエル建国以来、米国政権は、民主党の下であれ共和党の下であれ両者共、すべてのイスラエル政府を支援し、この75年間軍事と経済の援助として2600億ドルを提供してきた。米国内には全人口の2・4%になる800万人のユダヤ人がいるが、かれらの70%は民主党支持者だ。ユダヤ人の多数派はイスラエルを支持している。そして多くの世俗的でより若いユダヤ人はイスラエルに批判的だとしても、米国内のシオニストロビーは非常な影響力をもっている。パレスチナ人人口は、より大きなアラブ系米国人200万人の中で20万人にすぎず、影響力としてはこれまではるかに小さかった。いずれにせよ、現在まで米国政府のイスラエル支援は、当然のことと思われてきた。
政治エリートに
民衆が対抗開始
しかしながら今日、瓦礫の中死んだ子どもを運んでいるパレスチナ人の男たちを映し出している毎日のTV上にあるイスラエルのガザ攻撃によって、民主党には亀裂が入り始め、バイデンの支持率は下落を続けている。パレスチナ人、アラブ系米国人、そしてムスリムさらに多くの黒人と若い有権者たちは、大統領に対するかれらの支持を今取り下げようとしている。このひと月、民衆党支持者内部のバイデン支持率は、丁度75%まで11%下落し、他方彼の全体支持率は37%だ。
80歳になるバイデンの弱さを見て、ミネソタ州選出の54歳になる下院議員のディーン・フィリップスが、大統領選候補者になると自ら宣言した。彼は穏健派であり、「われわれにはイスラエルを支援し続ける米国が必要だ。われわれはハマスを根絶する必要がある。そしてわれわれは、原則をもって、善良な気質をもって、和平への意図をもって交渉のテーブルに着くことができる指導部を引き上げるようパレスチナ人を励ます必要がある」と語っているように、イスラエルに対する民主党の忠誠を分かち合っている。
その間共和党は、麻痺が続いた数週間を経て、下院の新議長として最終的に党の極右派からマイク・ジョンソンを選出した。その任務としての彼の最初の行動は、イスラエル支援の決議案を提出することだった。そしてその決議は、412対10、棄権6で採択された。共和党を極右政党に転形したドナルド・トランプは、ユダヤ人共和党員集会で「私は米国を守るつもりだ。そして私は、今あなた方がわれわれの美しいイスラエルをを傷つけようとしているのを見ている未開人や残忍な者たちやファシストから西側文明を守るだろう」と話した。
人の言うことを受け付けない米国の政治的な既成エリートにもかかわらず、街頭で抗議に立ち上がっているわれわれは、イスラエルの戦争への米国の支持を止めようと決意している。(2023年10月29日)
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