チリ 新憲法再度拒絶される振り出しに戻るのか?

フランク・ガウディショー

 2023年12月17日、チリ人は1年で2回目として、ピノチェト独裁期の1980年に施行された(そして1989年以来数回改正された)憲法を終わりにすると思われた新憲法への賛否を問う国民投票を求められた。
 今回の新しい投票は、2019年の大規模な社会的高揚の4年後、進歩的な左翼(共産党と拡張戦線から構成された連合)の若い大統領、ガブリエル・ボリッチの選出から2年後に行われている。1500万人以上の有権者が再度この憲法提案に反対して登場した。つまり、55・8%がそれに反対した。

再度鮮明な階級的投票

 この国のもっとも裕福な三自治体が「賛成」に票を投じたものの、全国同様首都でもあらためて、ある種の階級的拒絶があった。憲法提案を支持して投票した地域はふたつだけだった。しかしながら、大企業とそのメディアは、現行憲法よりもっと反動的とも言える構想を守る目的で、「支持」キャンペーンに大きな精力を注ぎ込んだ。
 以前の運動よりも伝統的諸政党からはるかにもっと「支配された」プロセスの中で極右と右翼により起草された今回の提案は、中絶を支持するあらゆる立法を妨げ、年金基金投資システムを守り、水道や教育や公衆衛生の商品化を打ち固め、ラテンアメリカでもっとも保守的な労働法規のひとつを固定化していた。

極右にとっての明白な敗北

 2022年9月、住民の62%以上がすでにひとつの憲法提案を拒絶していた。当時のその提案は、先住民の新しい諸権利を擁護し、新自由主義的従属国家を超える――部分的に――ことを追求した、むしろ左翼的でフェミニスト的な文書だった。さまざまな違いにもかかわらず、また治安の話や経済的諸困難に支配され今や陰鬱であることを背景に、今回大量の拒絶が再び表現された。進行中のヘゲモニー危機は終わりにはほど遠い。
 この3年を通じて力強く浮上し、その位置を「秩序」への回帰の上に築き上げた極右政党のホセ・アントニオ・カストの共和党もまた、今回の投票で大きな敗北を喫した。特に、カストが早くも自らを2027年以後の新大統領と見ていた以上そうなる。各々敗北の責任を追及しようとしている伝統的右翼連合(チリ・バモス)と共和党一派間には、いくつもの小競り合いがある。
 2021年以後変革能力の欠落で、何よりも支配的諸部分と衝突しようとの切望の皆無――最小限でも――で特徴づけられてきた進歩政府には、全体的に「新風」がもたらされている。議会内少数によって統治論理に縛られ、社会自由主義の社会党と連携したガブリエル・ボリッチは直ちに、憲法制定プロセスのあらゆる継続に扉を閉じつつ、「挙国一致」を訴えた。この全体構図の中では、10月の反乱精神の再生、そして民衆、先住民、フェミニストの闘争の再生のみが、札を切り直し、解放の展望をあらためて開くことを可能にするだろう。(2023年12月21日、「ランティカピタリスト」よりIVが訳出)

▼筆者はトウルーズ・ジャン・ジョレス大学(フランス)のラテンアメリカ史教授で、フランスラテンアメリカ協会の共同代表。(「インターナショナルビューポイント」2023年12月29日)

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