ドイツ 反AfD決起

大規模だが難民抑圧は支持

ヤコブ・シェーファー

短期間のうちに
100万人決起
 極右の「ドイツのためのオルタナティヴ」(AfD)党メンバー数人と「アイデンティタリアン運動」(欧州の伝統と文化の固守を実践する運動、ドイツではドイツ語発音の英語化に反対し、ドイツ語の伝統的表記法の固守を呼びかける運動などが有名:訳者)のファシストたちのある秘密会合で、かれらの「移民再移住」計画が議論された。ファシストたちは、必要なら力づくで、移民数百万人に他国への移住を強制したがっている。
 AfD党指導部は、その会議は党の会議ではなかった、また「他国への再移住」は党の綱領にはない、と言明した。しかし党の指導的議員たちは、前回党大会も含めて、いくつかの機会でこのスローガンを開けっぴろげに擁護してきたのだ。そして執行委員会がこれらの言明を否認したことは一度もない。今日、よく知られたファシストであるアイデンティタリアン運動のオーストリア人共同創設者のマルティン・セリネルとの明らかになった会議によって、極めて大量の公衆が、AfDの中に見つけ出された考えに突然気がつくようになった。
 僅かな日のうちに、数万人の民衆がAfDに反対してデモを行うために、何十という町々で街頭に繰り出した。全体で、1週間足らずの間に100万人以上が街頭に繰り出し、その決起は続いている。ファシスト右翼のこの非人間的な構想に反対してどれほど多くの民衆が街頭に繰り出し中か、それを見るのは元気になることだ。

難民抑圧政策
に反対は少数
 しかしながら、これらの人々すべてが外国人嫌悪から自由なわけではなく、むしろそれとはかけ離れている。多くは難民を敵視する政府の抑圧的政策を支持しているのだ。政府は、EUの難民政策を支持している。そして、難民に敵対的な新しいより過酷な諸方策を取り入れた――AfD反対のこの運動の高揚中でさえ――。これらの方策には、警察が民衆を調査する(かれらの書類を探す場合)、人々を夜間に逮捕する、また28日まで国外追放に向けて勾留を延長する、より大きな可能性、その他が含まれている。
 現在の運動の高まりでも、連邦政府は次のように公表するのを全く躊躇しない。つまり、政府はもっと多くの難民を国外追放できるようになるために(昨年、Ⅰ万6430人の難民が追放された)、他の6ヵ国との間で再入国協定を結ぶつもりだ、と。
 残念ながら、この政策はドイツ市民多数から支持されている。したがって、近頃のデモの多くにおける主な発言者が今連邦政府を形成している諸党の政治家(すなわち、ニーダーザクセン州、ハンブルク市、ラインラント・プファルツ州の閣僚や首長、主要都市の市長など)であることも、驚きではない。政府の難民政策を批判している反ファシストや革命派は小さな少数派になっている。

危険を内包する
AfD禁止要求
 これらのデモに平行する形でふたつの活動が促進されてきた。われわれ、革命的マルクス主義者はそれを、混じり合った感情の下に今注視している。

(A)多くは今AfDについて活動停止を求めている。しかしこれは、この党が現在4万人の党員を抱え、その背後に最低20%の有権者(ドイツ東部ではそれ以上でさえある)を確保している中では役に立たないだろう。これらの右翼的な考えは禁止されてはならない。つまりそれらは、支配者の政治に対する、特に盛大で累増的な抵抗を通して、特に社会的レベルでのそれを通して、左翼政治と諸決起によって闘われなければならないのだ。
 活動禁止は、この党に殉教者の役割を与え、それに対する政治闘争をむしろ難しくすると思われる。結局、極右の外国人排撃の考えを擁護しているのは、政府の難民敵視の抑圧的政策なのだ。
 それ以上のこととして、AfDを禁止することは確実に、「過激主義との闘い」と、それゆえ階級闘争の諸活動に対するより抑圧的な政策と関連づけて考えられるだろう。
(B)AfDの公然としたファシスト派の指導者であるビジョルン・ヘッケから、憲法18条下の一定の政治的権利を奪うというイニシアチブは今、われわれの気分にあまり失望を感じさせていない。政府と議会に提出されたこの実効化に向けた請願にはこれまでのところ(1月20日)、150万人が署名済みだ。(2024年1月20日)

▼筆者は、第4インターナショナルドイツ支部のISO(国際主義社会主義組織)の活動家。退職鉄鋼労働者で、戦闘的労組ネットワーク(VKG)の運営委員会の委員を務めてきた。また、「ディー・インターナティオナーレ」誌編集者でいくつかの著書もある。(「インターナショナルビューポイント」2024年1月28日)

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