アルゼンチン ミレイ政権の1カ月
早々に諸々の攻撃開始
マルティン・N
公約は取り消し
民衆に犠牲強要
ミレイ大統領は、着任のわずか1ヵ月後、彼の主要な選挙キャンペーンの約束、つまり「経済危機について政治カーストにその代償を払わせる」を削り落とした。実際緊縮の対価を今払っているのは、最貧困層をはじめとする労働者なのだ。
とられた主な方策は、大幅に通貨を切り下げること、そして物価を放任することだった。結果は、今後の数ヵ月に和らぐ兆しが全くないままの、12月における25%のインフレだった。ひとつだけの事例でもその程度を説明する。つまり、12月末の燃料価格上昇は今後、新たなインフレスパイラルを引き起こし、3度目の物価上昇への引き金を引いて、さらなる通貨切り下げを強要する可能性があるのだ。
それでも彼の政府は、最低でも物価上昇をずらすために、ほんの一握りの石油企業との間で交渉することも可能だったと思われる。しかし彼の自由主義の教条が、あらゆる国家介入を避けるよう彼を導いている。それは、これが彼の方策の衝撃をやわらげることを、また彼の経済計画の成功を危うくすることを意味しているとしても、のことだ。彼の計画には、その不公正さを残しつつ、内的な首尾一貫性を欠いているのだ。
ミレイの計画は
国の永久的改変
しかしながら、ミレイは短期的な方策では満足しなかった。その歩みの中で彼は、国を永久に変えようと今試みている。すなわち、いくつか、しかし特徴的なものをあげれば、公的企業すべての私有化、自然保護諸法規からの免除、あらゆる経済分野の規制外しなどだ。それは、大がかりなまとめ法案と大統領令にに基づく全部で数百の法的変更になる。
これらは今、議会を通過しなければならない。急進党(今は中道右翼)とキルチネル派と連携していないペロニスタが今後行うことはまだはっきりしていない。大統領令に関する限り、最初それらはそれに反対したが、しかし今日それらの反対は一層生ぬるくなっている。そうであっても、大統領令の一定の側面、特に労働法改革は、裁判所によって一時的に凍結されることになり、政府にとっては最初の後退を意味することになった。大統領令の合憲性については、最高裁が判定することになっている。
法令は1月9日以来論争下に置かれてきた。最初政府は何も交渉したくなかった。しかし、最低でもその意味のある部分への承認を得る目的で、かれらはいくつか修正を提案するよう迫られた。漁業の規制解体はその部門からの圧力に直面して修正されている。そして、3人以上のあらゆる公開集会に認可を求める条文も撤回されるだろう。
議会選挙に関する選挙法改革でさえ、修正されるか止められることさえあるだろう。これは、地域毎の直接の比例代表制から小選挙区制への移行を問題にされ、厳しく批判された。
主要な批判のもうひとつの点は、経済的非常事態の宣言だ。それは大統領に最低2年間の全権、すなわち新型コロナウイルスパンデミックの時以上の長期間と権力を与えるのだ。
1・ ゼネスト
街頭での反撃へ
議会と司法の結果は不確実だ。情勢を変えることになるのは街頭だ。この大統領令が公表されて以来、つつましいとはいえ一定数のデモが起きてきた。そして首都のいくつかの街区では、人民総会(2001年に開催されたような)が今吹き出し始めている。
しかしもっとも重要なものは、1月24日の全国ストだ。労組の官僚(フランスよりもはるかに強力な)は、4年間のまどろみから今目覚めつつあるように見え、ペロニスタ(特に、前大統領のクリスティナ・キルチネル、およびこの前の大統領選で敗北した候補者のセルジオ・マッサ)に行動に出るよう訴えつつも、1日ゼネストを今呼びかけ中だ(このストライキは大規模な結集で実行された:訳者)。
この1日ストと動員は、ミレイの自由主義政策に対する堅固な社会的反対の始まりになる可能性もある。(2024年1月18日、「ランティカピタリスト」よりIVが訳出)
▼筆者は、フランスNPAメンバーで、アルゼンチン出身。(「インターナショナルビューポイント」2024年1月19日)
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