トルコ マシス・キュルチェギルへのインタビュー

帝国主義的野心で個人化された対外政策は一層矛盾広げ弱体化

ルール不在がこの体制の明白な基本的性格

 トルコは2000年代に入ってから、NATO同盟国としてはかなり性格の異なる政治行動を重ね、世界の地政学にも少なくない影響を与えている。以下はその歴史と背景、および現エルドアン体制が抱いている帝国主義的野心とその限界などを論じている。(「かけはし」編集部)
 エルドアンのトルコは今、二流の帝国主義建設を目的に、西側ブロックと西側の間に道を切り開こうと追求している。これには、諸大国間の対立悪化という脈絡の中では困難がないわけではない。以下のインタビューはB・A・エスレンとウラズ・アイディンによって行われた(IV編集部)。

自国利益追求徹底の対中東政策


――イスラエルを糾弾するトルコのレセプ・タイイップ・エルドアン大統領の火の出るような諸言明は、国内で、またおそらく非西欧世界部分で勇敢な行為と見えている。しかしトルコと対イスラエル貿易関係は違った話を物語っている。近年着実に強化されてきたこの二国間貿易関係は、10月7日の攻撃以後も続いてきた。さらにわれわれは、エルドアンの保護ネットワーク内にいる諸企業がこの貿易から大きな利益を得ていることも分かっている。この矛盾をあなたはどう説明するか?

 伝統的に、トルコ、イスラエル関係は、国民一般の議論に変化があろうとも安定を維持してきた。トルコは問題がイスラエルになると特別な軌道を経験してきた。トルコは、イスラエルが1948年に創立された際それを認めた最初のムスリム国家だった。経済的対話者になり得る非アラブだがムスリムの国家として、イスラエルにとってトルコは重要なのだ。
 冷戦期、イスラエルとトルコはこの地域における米国の2つの主要同盟国だった。アンカラは、アルメニア人ジェノサイドを理由に、米国内のロビー活動ではイスラエルに大きく依存していた。その上、2022年のアゼルバイジャンによる対アルメニア攻撃の間、イスラエルはかなりの軍事的貢献を行った。アラブ諸国は地域内のこの二国家と競合する位置にはいないが、イランは、それらがさまざまなレベルで深く考えなければならない国家だ。
 その上、10月7日のハマスの行動が世界に衝撃を与える以前、トルコはエジプトおよびイスラエルとの関係を正常化し始めていた。それは、バーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)、そしてイスラエル間の「アブラハム合意」によって始められた宥和政策と平行したものだった。その間、湾岸諸国はシリアにアラブ同盟に加わるよう訴えてきた。
 まだ具体的な計画は皆無だとはいえ、中国の貿易ルートに代わるもの、つまりインドからイスラエルを通過する米国が後援するアジア―欧州ルートに関する最新G20会合の言及は、地域におけるあり得る「安定性」をほのめかした。しかしながらパレスチナの運命は、安定性を求めるこの探求の中にすでに精密にまとめられているように見える。そしてハマスの攻撃とガザにおけるイスラエルの攻勢も、諸国家の長期的目標を代えるようには見えない。

対ロシアにおける相互依存関係


 トルコ、イスラエル関係はまた、一連の問題でも悩まされてきた。特に2009年のダヴォス世界経済フォーラムで、シモン・ペレスイスラエル大統領への贈り物としての論争の中で、あらゆる外交的慣例を投げ捨て、「1分」と叫び、「あなたは民衆の殺害の仕方を十分に分かっている」と言明することで、エルドアンは注意を引き付けた。これは、国内政治の場で彼に「ムジャヒッド」(戦士を意味する:訳者)としての認知をもたらした。しかしながら1年後の2010年5月、ガザ回廊の封鎖を破ろうと試みられたマヴィ・マルマラ号の航行、およびそれに対するイスラエル兵による襲撃の結果としての9人の死の後、外交関係は切断された。
 イスラエルが謝罪し、マヴィ・マルマラ事件への補償として2000万ドルを払うことに合意した2年後、諸関係は癒え始めた。先の船への襲撃に続いた大抗議の中でエルドアンは反応しなかったとはいえ、彼は2016年、関係回復に疑問を呈した者たちを、「あなたがそこに援助を送る前に私に許可を求めたのか?」と言って批判した。
 2017年のエルサレム危機および他の緊張を呼ぶ諸事件の中でのエルドアンによる厳しい批判にもかかわらず、イスラエルのイツハク・ヘルツォク大統領の2014年以後では初めてのトルコ訪問、および2、3ヵ月後の大使指名によって、2022年に諸関係は正常化を開始した。イスラエルから欧州へのエネルギー資源の移送に関する討論も始まっていた。しかしながら、イスラエルから来る天然ガスの量はそうした構想には不十分かもしれないということは注目されなければならない。他方高いエネルギー需要を抱えるトルコは、産出国と欧州間の鍵になる通過点になることを熱望している。
 この時期を通じ、トルコとイスラエル間の貿易は別個の軌道を辿った。エルドアンがもっとも厳しい表現を使った時期の中でも貿易量は増大したのだ。AKP(公正発展党)が権力に到達した2002年、イスラエルへのトルコの輸出は8億6140万ドルで、イスラエルからの輸入は5億4450万ドルだった。2022年、輸出は67億4000万ドルに達し、他方輸入は21億7000万ドルになった。トルコは主に食品と鋼鉄原料を送り、他方イスラエルからは原油と燃料を輸入する形で、この二ヵ国は互いに補い合った。1997年以来二ヵ国間では自由貿易協定が施行されてきた。
 10月7日のハマスの攻撃後、先のデータは貿易における僅かの低下を示した。しかしながら、協定の取り消し、あるいは制裁賦課は日程に上っていない。さらに、エルドアンの保護による国際貿易の管理は対イスラエル関係に限られてはいない。
 エルドアンはしばしば、対外政策を国内政策に対する道具として利用している。たとえば、彼は最近何ごとも起きていなかったかのようにUAEと和解した。ところがこの国は、2016年7月15日のクーデター未遂に対する資金提供国として彼がはっきり名指ししていたのだ。
 また2018年、トルコの領事館の建物内におけるサウジの異論派ジャーナリストだったジャマル・カショギ殺害を受けて、サウジ王子のモハムメド・ビン・サルマンをあからさまに告発した後、エルドアンは彼を何ごともなかったかのように抱擁した。ガザでのジェノサイドが以前の諸事件とは比べようもないレベルにあるにも関わらず、世界のあらゆる隅々からの借り入れを今求めているエルドアンは、対イスラエル関係を抜本的に遮断することはないだろう。

エネルギーと影響圏が最重要

 トルコ、ロシア関係もまた矛盾に満ちているように見える。シリア、中東、コーカサス、さらに黒海におけるトルコ、ロシア間の衝突にもかかわらず、この二ヵ国間の相互依存は、エルドアンとプーチン間の個人的近さを超えて成長中に見える。ロシア―ウクライナ戦争の中で、対ロシア制裁の抜け道を考え出す努力を続けつつも、トルコは紛争のはじめにウクライナにSIHAドローンを供給した。新しい原子炉建設と引き換えにロシアに特権を認める議論が今起きていると同時に、トルコはロシアのための新たなエネルギー結節点になることを考慮中だ。この関係にあなたは何を言えるだろうか?
 ロシアのウクライナ侵略に続く西側におけるロシアの孤立を破る可能性もある唯一の水路はトルコだった。実際トルコは、中国を例外として、ロシアに課された制裁の抜け道を考え出すもっとも重要な国になってきた。
 トルコの対外政策におけるいつもながらの個人的専用物化という脈絡の中で、エルドアンが彼の友人と呼ぶプーチンとエルドアンの関係は、完全にジグザグ中だ。2015年11月におけるシリア国境上のロシア爆撃機墜落の後、諸関係は臨界点に達した。エルドアンはロシアに謝罪の手紙を送り、同機撃墜の罪をクーデターもくろみ分子に帰せた。
 こうして、2000年代に始まっていた親善友好が突然先の危機にぶつかった時、アンカラは西側にもっと近づくだろうと予想されても良かった。しかしその関係は、NATOとの緊張が高まるにもかかわらず、物議を醸して実行されたS―400防空システム購入によって加速された。ウクライナへのSIHAドローン供与ですらこれらの関係を終わりにしていない。
 ロシアからのS―400防空システム獲得は、トルコもそこに参加しているF35戦闘機の生産プロセスからトルコを排除することに導いた。また、同機には15億ドルという大枚が支払われたという事実がありながら、同機引き渡しの完全拒否にも導いた。それはまた、F16戦闘機の補充部品供与も妨げた。
 使われなかったこれらのミサイルはロシアへの譲歩を表していた。コーカサスのカラバフに配置されていたロシア軍を無視したアゼルバイジャンとの対アルメニア共同戦争ですら、この諸関係を代えていない。トルコは、世界市場へのウクライナ小麦到達を容易にすることで、同時にロシア禁輸を解くことを助けることによっても、トルコは今両側の利益を守っている。
 ロシアによって戦争犯罪人とみなされていたウクライナ人のトルコによる本国送還は、確かに不安を作り出した。しかしそれも最後には、二人の相互依存的指導者による国内の政治目的に向けて道具化された緊張以上には進んでいない。ウクライナ侵略が始まった時、トルコはロシア人のかなりの流入現場だった。スウェーデンのNATO加入に関するそれを一時留め置きにした後のトルコによる承認のようなできごともまた、もはや本質的ではない。

エネルギーと影響圏が最重要


 トルコ―ロシア関係では、もっとも決定的な問題はシリアの将来だ。アンカラは、シリア民族軍のような傭兵を使うことでアサドを倒そうとした。それは、その目標を米国が放棄した後でも挑まれた。しかしながら、この地域内でのイスラム国(ISIS)出現にいかなる形でもアンカラが対応しなかった中で、米国はシリア内のYPG―PYD諸部隊(注1)と協力した。こうしてエルドアンは、自分が想定外の「クルド組織」とぶつかっているのに気づいた。
 エルドアンはトルコ内でPKK(クルド労働者党)と交渉した中で、シリア内のPYD代表者と関係を確立した。しかしながら2015年に彼はこれらの交渉を終わりにし、PYDを敵と宣言して攻撃を始めた。その中でオバマ政権はISISと戦うために、もっぱらYPG―PYDのクルド人を、しかしまた部分的にアラブ人も含む十分に装備された5万人の部隊を作り上げた。
 トルコはクルド人を押し戻すために、シリア国境に沿って30㎞シリア領内に食い込む地域を支配しようとしてきたが、それは国境をまたぐ2つの小区画解放に成功したにすぎない。ロシアの制空権のおかげでこれらの作戦はモスクワの下で実現したのだ。
 トルコを天然ガスの結節点に変えようとのプーチンの意図は、エルドアンにとって特別に重要だ。「トルキッシュ・ストリーム」(ロシア・トルコ間の天然ガスパイプライン:訳者)によって送られるガスが第三国に渡されるならば、トルコはかなりの利点を享受することになるのだ。
 他方アンカラは、核エネルギーに関しモスクワにひとつの委任を行っている。アキュユ原発における1号炉の委託が期待されている。他方でトルコは、リビア、アフリカ、また地中海ではロシアとは異なる立場を採用してきた。
 過去10年を通じて千億ドルの貿易額を達成するという目標はまだ完全には満たされていないとしても、それは6百億ドルを超えた。とはいえ、トルコとロシア間の経済関係の重心は今もエネルギーのままだ。2016年のクーデター未遂後、彼が西側から求めた支持を見つけなかったエルドアンは、プーチンからすぐさま支持された。そしてそのことがAKP支持者には重要だった。同時にロシアは、シリア北部の空域を支配することで、エルドアンによる国境をまたいだ作戦実行を可能にする抜け穴を開いた。シリア内のロシアの存在は米国にとってむしろ好都合と見られている。こうして米国は、クルドを含む「シリア民主勢力」を支えている。
 トルコ・ロシア関係はひとつの形として西側に対するある種の恫喝だ。上海協力機構における「対話相手」であるトルコは、時として完全なメンバーになりそうになってきたのだ(注2)。
 当面、ウクライナ占領との関係でロシアのトルコへの依存は高まった。そしてエルドアンは2016年に比べもっと楽になっている。しかしながら、ロシアやイスラエルとの関係は、欧州資本との関係に比べ取るに足りない。そうであっても、影響圏との関係ではロシアはもっと魅惑的なのだ。

西側からの自業自得的信頼低落

――トルコと西側の、特に米国との間にある緊張はしつこく続いている。ここにある矛盾の諸問題は何であり、近い将来にあなたはどのような展開を予想するか?

 冷戦期のNATOに対するトルコの依存を正当化したものにもはや妥当性はない。しかしトルコは、世界的パワーとしての米国の場を考慮しなければならない。しかしながら新たな影響領域と貿易ルートの出現は、古い依存関係を時代遅れにしてきた。米中対立は新たな不確実性をつくり出している。ロシアやイランを相手にした米国の立場はトルコの利害に対応していない。米・中間競合は、東アジアだけではなく中東にも関係している。後者には今中国が存在しているのだ。
 2023年3月、この地域内の敵対する2つの大国、イランとサウジアラビア間の話し合いが、中国が仲介する下で行われた。米国はそうしたことを成し遂げることができなかった。米国は中東で弱体化し、信頼に足る軍事力を確保していない。
 トルコにおける政治体制の特性は、欧州にとって、もちろん米国にとっても問題ではない。しかしながら、エルドアンがゲームを導いている型破りのやり方のおかげで、彼は信頼できない対話相手のように見えている。彼はある日はEU加盟について話し合う可能性があるが、翌日にはそれを拒否する国民投票を行う可能性があり、また死刑を受け容れNATOの機能を緩め、さらに上海協力機構をもてあそぶ可能性があるのだ。
 しかしながら、西側との経済的かつ政治的関係の強さが彼が完全に自立的に行動することを妨げている。NATO離脱について話す者はひとりもいない。事実、ものごとがこのように続くならば、NATOがトルコをそのメンバーから排除する可能性がないとしても、NATOがその影響力を後退させる可能性もある。
 対外政策をわれわれが国内政策から分けることができない以上、エルドアンはこれからの年月、国内の諸問題に、特に経済と社会の問題に対処を迫られるだろう。エルドアンの側のルールの不在、あるいは何らかのルールに従うことの拒絶は、この体制の原理的な特性だ。司法から対外政策まで、社会政策から諸権利まで、ルールの全面的欠落は明白だ。トルコ経済はこれまで長期にわたって外国投資から除かれてきた。エルドアンが利率を、インフレ率さえも、また誰が刑務所に入ることになるかも決めている国に、誰も投資しない。結果として、術策を凝らす大統領の余地はますます限定されるつつある。

ネオオスマン主義の正統性獲得

――これらの展開すべては国際的なシステム内のトルコの場に関する論争に火を着けてきた。ある者はこれを自立した対外政策と解釈し、他の者は軸における移行(NATOからの切り離し、あるいはユーラシア主義)と、またある者は底流にある帝国主義的な拡張と解釈している。あなたの考えは?

 F16戦闘機の補充部品さえ供与されない中での、ギリシャに対するF35供与と国境近くでの米軍基地設立は、地中海東部海域でイニシアチブをとり続けていたトルコに対する包囲を意味した。もちろん米国はこうして、ウクライナでの戦争以前にロシアに抗する黒海ルートを生み出していた。しかしトルコは排除された。それは、米国がトルコをシリアにおける信頼できない連携相手と見て、現地のクルドとアラブの勢力と連携を形成した時と同じだ。
 否定できない事実がある。つまりトルコは、この地域で軍事的かつ経済的にもっとも強力な国、ということだ。トルコ軍は13ヵ国に部隊を維持している。汎トルコ主義のような帝国の過去と帝国主義的な狙いが、ソ連邦の圧力が消失した後、過去の影響圏を日程に呼び戻した。
 「イスラム主義とトルコ民族主義とオスマン帝国主義からなるイデオロギー的混合」として理解されて、ネオオスマン主義が正統性を獲得してきた。国内政治における極右の強化と平行して、エルドアンはまさに10年前、「コソボはトルコでありトルコはコソボだ」と宣言し、影響圏の広がりを示した。今日、街頭の単なる通行人でさえ――政権によってほぼ全面的に支配されたメディアのこん棒に服従させられて――、イラクのモスル州は事実としてトルコの当然の国境、と主張する可能性があるのだ。
 エルドアンはアラブの春の開始を受けて、ムスリム同胞団のゴッドファーザーになることによって、エジプトのモルシに助言を与え続けていた。またアサドがムスリム同胞団を権力に統合することをも勧奨し続けた。そして、彼の助言が実を結ばなかった時、彼はダマスカスまではるばる彼の部隊を派遣することを夢見始めた。しかし、2011年に始められたトルコを地域大国に変えるとの彼の計画は、完全に崩壊している。海に対する領土の夢、「青い自国」は難破させられた。「ありがたさのある独居」は、かつて殺人者とレッテルを貼った者たちとの抱擁に道を譲っている。
 亜帝国主義の大国になるという望みの可能性はおそらく、他の環境の下では議論されていたのかもしれない。しかしながらソフトパワーになる機会はずっと前に取り逃がされていた。
 2010年以来、トルコはそれが一部になっている連携からは独立して積極的な政策を、そしてそれゆえ西側とは別の、敵対的ですらある政策を採用してきた。それは、バルカン(そこでは百万人がトルコ語を話し、トルコ人口の5分の1はバルカンに起源をもっている)からコーカサスまで、中東からアフリカまで延びる地域の大国になる可能性を探っている。

エルドアンの切り札は弱体化


 エルドアンは2013年に公然と次のような宣言を行った。すなわち「あなたが大国であると主張するのであれば、あなたは世界のあらゆる隅々に存在しなければならない」と。事実として、ソ連邦が崩壊した時、こうして米国へのトルコの依存動機が消えた時、当時のスュレイマン・デミレル首相もまた、アドリア海から中国の万里の長城まで延びる影響圏の可能性を提起した。
 元外相のアフメト・ダヴトオールが「隣国との問題ゼロ」と名付けた対外政策は、すぐさま反対の結果を諸々つくり出した。2013年、当時エルドアンのもっとも近い助言者のひとりだったイブラヒム・カリンはトルコの対外政策を、「ありがたさのある独居」と名付けることでまとめた。トルコは中でも、国際的な海事法に関係していないにもかかわらず、管轄権をもつ海域に向け「マヴィ・ヴァタン」(青い自国)の観念に言及することで、地中海で力のショーに乗り出し、こうしてハードパワーの全般的な雰囲気をつくり出してきた。
 EUとの関係を改善する改革が避けられる中で、エジプトのモルシの転落後に自身をアラブ世界におけるムスリム同胞団の代弁者として描き出すもくろみはうまくいかなかった。ブッシュ時代の大中東構想以後の、トルコの、またもちろんエルドアンのものとされた共同統治者という夢は、捨てられている。しかし世界的指導者になるというエルドアンの野心はまだ消されていない。
 米国の大使はトルコについて、「トルコにはロールスロイスの野心とローバー(かつてあった英国の自動車メーカー:訳者)の資源がある」と語った。一方には体制の力と可能性への過信があるが、しかし諸目標から見れば、それには恒常的な後退が伴われているのだ。国内政治でエルドアンが楯として振りかざす祖国の「生き残り」という問題もまた、国家を「包囲された国」と描くために、こうしてトルコの攻撃性を正統としようとして、国際政治の中でも利用されている。しかし、エルドアンの切り札は10年前の威力よりも相当に弱くなっている。(2024年1月12日)

▼マシス・キュルチェギルは、歴史家でトルコでのトロツキズム運動創始者のひとり。1978年遅くから第4インターナショナルと結びついた潮流はソシアリスト・デモクラシ・イジン・イエニヨル(社会主義的民主主義のための新路線)の名称を名乗った。この潮流は現在トルコ労働者党(TIP)の一部を形成している。
(注1)人民防衛部隊(クルド語略称がYPG)はシリアのクルド民主統一党(PYD)の軍事部門。それはシリアの内戦の時期に2011年に形成された。(注2)上海協力機構は、アジアで効力をもつ一定数の政治的・経済的政府間組織のひとつ。「上海グループ」の後継組織のそれは、中国、ロシア、また中央アジアの4ヵ国(カザフスタン、タジキスタン、キルギスタン、ウズベキスタン)によって2001年に設立された。それは、2018年にインドとパキスタンに、次いで2021年にイランに拡張された。(「インターナショナルビューポイント」2024年2月5日)  

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