モロッコ オアシスの町でも女性が決起

共有財――水――は渡さない

ルイザ・トスカーヌ

 アルジェリア国境に位置するフィギッグでの蜂起は、2023年10月末に始まった。その時町議会で当局は、水と電力の配送、またその処置と下水施設の扱いを目的にした自治体間集団のメンバー資格を拒絶したのだ。
 その後長官は自治体首長、次いで、11月1日に考えを変え、先の任務の管理を「オリエンタル・ディストリビューション」に委託すると決めた町議会メンバーを召喚した。そしてこの企業に対しては、当地の住民が二重の収用のような、つまり私有化を通じた水の収用、および選出されたかれらの代表による心変わりを通じた主権の収用のような経験を重ねた(注)。

弾圧をはねのけ
長期継続的決起
 その時以来、諸々のデモが衰えることなく続いてきた。人々は週に2回、さまざまなやり方で、つまり自転車で、自動車で、隣の村々を呼び集めて、座り込みで、ゼネストで、公共空間を占拠する女性のデモで、連続的に街頭に繰り出してきた。
 当局はそれを起きるに任せた。しかし3ヵ月経つと、デモを禁止しようとした。こうして2件の逮捕が起きた。1件は有力者にレイプされた女性の逮捕で、その有力者は襲撃の罪で有罪を宣告された。もう1件は運動の活動家の逮捕で、その活動家も有罪宣告を受けた。
 この弾圧は運動を強化しただけとなり、運動はまとまった形になり、市民社会の支持を獲得した。全国レベルで支援委員会が設立され、デモ参加者たちはかれらの闘いをラバトやウジダ(アルジェリア国境近くの東北部主要都市:訳者)に持ってゆくための旅に出た。

水私有化反対
全国的に波及
 この運動はその時から続き、特別の労組グループのイニシアチブと平行して今も進行中だ。そしてこの労組グループは、地域の多種サービス企業を設立するための法案の根源にあった水の私有化に反対して、2023年を通じて集会やストライキ行動日を通して決起した。
 問題の法案はすでに通過させられているが、今初めて現地住民から拒絶されている。フィギッグの住民は、共有財と理解され、乾燥地帯のオアシスを維持するようなやり方で管理され配分されてきた、先祖伝来の水の管理を守るつもりだ。
 フィギッグの水管理システムは、2022年11月にFAO(国連食糧農業機関)により「先住民世界農業遺産システム」と認められた。この戦闘は、周辺化、失業、さらに公共サービス、特に公衆衛生の不在に反対して、東部地域民衆によって行われている諸々の闘いの一部だ。
 3月8日にめざましいデモを行った女性たちの運動への関与は、政治階級を狼狽させるような効果を及ぼしている。水の私有化に反対していないいくつかの政党は今になって「フィギッグの女性に対する支持」を言明し、解決策を見つけるよう訴えた。(2024年3月12日、「ランティカピタリスト」よりIVが訳出)
▼筆者は特にアラブ革命との連帯に関わっているフランスの活動家。
(注)「アフリカの主張」2024年2月18日、「水の私有化反対の戦闘を先導しているオアシスの小さな町」。(「インターナショナルビューポイント」2024年3月12日)

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