ギリシャ テンビの悲劇1周年

諸闘争の合流で大行動

アンドレアス・サルツェキス

1周年前に
諸々の決起
 ここまでの数週間、私立大学創設のための法案を拒否する印象的な動員に取りかかってきた学生運動は、労働者の運動と農民からなる闘いにその闘いを加えようと追求してきた。先週、トラクターの車列による「アテネへの奇襲」がKKE(ギリシャ共産党)の労組支部であるPAMEおよび学生共闘と連帯して1万人のデモ参加者を結集した。
 2月28日われわれは、テンビ鉄道悲劇の1年後、印象的な決起の形でギアを上げた。読者が思い起こすように、同じ軌道を走っていた2編成の列車の正面衝突が57人もの人びとを死に追いやった。政府は駅長の過ちに罪を着せたが、この殺戮は、私有化政策の結果としての、公共サービスの、また特に鉄道の悲惨な状況に光を当てた。数十万人のデモ隊が怒りと憤激の中で街頭に繰り出した。その時以来ミツォタキス政権は、適切な調査を妨げるために、また家族団体と住民の圧倒的部分に要求されたように犠牲者に正義をもたらす点で、恥ずべき方策をいくつも使い続けてきた(その点で、政府はEU議会から糾弾を受けてきた)。2月28日の多くの横断幕がはっきりさせたように、忘却などという問題は全くない。

2・ 闘争デー
全国で巨大デモ
 ADEDY(公共部門労組連合)は、犠牲者の想い出に敬意を表し、公共サービスの殺人的な破壊を糾弾するために、10%賃上げ(教員の初任給は734ユーロ、看護士のそれは680ユーロ、その他)と大量新採を含む要求を合わせて、28日をストライキとデモの1日とするよう訴えた。そしてそれは、2月28日に大規模な行動日を求めてきた。
 この呼びかけは、GSEE(ギリシャ労働者総連合)が加わらなかったとしても、幅広く心にとどめられた。アテネでは、さまざまな公的部門、私有部門の支部、草の根の諸労組から出発する行進があり、通りではADEDYのデモやPAMEやKKEに並んで進んだ。
 何千人もが教育部門からやってきた。そこには教員、そして印象的な数で在学の若者たちが含まれていた。その若者たちは、そこで多くの学生が死んだテンビでの悲劇から今も深い衝撃を感じていたのだ。群集の大きさのため、非常に大きな学生の隊列はデモのさまざまな部分に入っていた! この日、私立大学創設に対するかれらの拒否はなおのこと正当と見られた。
 少なくともおそらく4万人を数えたこの巨大なデモの中で、全員にとっての共通のスローガンは以下のものだった。つまり「問題は、かれらの利潤かそれともわれわれの命か、だ」と。
 そして、ラリッサ、カルディツァ、パトラスのような多くの町でも、この28日に大きな怒りに満ちたデモが起きた。テッサロニキでは、事故ではなく犯罪であったものを糾弾するむしろアテネよりも多くの人々がいたように見えた。

大学の抗議
衰えず継続
 この2カ月、抑圧(新しいところではアテネ・ロースクールへの警官配置)や「国の近代化への必要」に関するプロパガンダにもかかわらず、私立大学創設計画に反対する決起に休みは全くなかった! 全員総会や占拠は続き、木曜日毎に数千人の学生が国中でデモに決起している。これを前に政府は今、情勢に突撃を加えようと挑んでいる。それは、その草案を猛スピードで討論させ、3月8日に議会で採決に付すことを計画しているのだ。
 大量の拒絶(学生や大学スタッフ、議会の左翼、またパソク〈社会自由主義化した社会民主主義政党:訳者〉までによる、最後の勢力は法案拒否の義務を負わされた)、および多くの法律専門家がこの法案を違法と考えているという事実がありながら、政府は、ミツォタキスが農民に何らかのものを与えるのを拒否したのと同じやり方で、本気で行動している。確かに憲法は私立大学創設を認めていず、これは広範に知られるようになりつつあるのだ!
 今後の日々が決定的になるだろう。運動にあきらめの気遣いは全くない! 今朝、彼らは議会広場に戻った。昨日ペンキで描かれた犠牲者の名前は議会職員によってその夜に消されていた。学生たちは、警官の注視の下でそれらの名前をペンキで書き直し、「君たちはこの犯罪を消せない」と大声ではっきり声を上げた。これは最大の連帯に値する決意だ!(「ランティカピタリスト」よりIVが訳出)

▼筆者はギリシャの第4インターナショナリスト。(「インターナショナルビューポイント」2024年3月2日)

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