スペイン 共同声明
サラゴサ6に自由を
抗議する権利は譲らない
2019年1月17日、極右によるヘイトスピーチ拒否のデモがサラゴザで呼びかけられた。デモを解散させようと数人の警官が突進した後数時間経って、現場周辺の地域のさまざまなところで、6人の若者が手当たり次第に逮捕された。4人が成人、2人は未成年だった。これらの逮捕は、デモとは別の時間と場所で起き、それは外見への偏見を基礎にしていた。
サラゴサ州裁判所は、公共秩序紊乱および当局への攻撃を罪状として、この6人の若者の裁判を行った。この法廷は2021年1月、4人の成人に6年の刑期と一万千ユーロの罰金、同じく2人の未成年に1年の執行猶予の判決を言い渡した。しかしながらこの裁判は、以下のような、被告人に対する最小の保証に反するいくつかの要素によって決定された。
まず、事件の光景に向けられた監視カメラの記録は、被告が告発された争いに6人の若者がいたことをどの時であれ証明できなかった。しかしながら判事は、それらを証拠と認めなかったのだ。若者たちの無実を明らかにした、弁護人が立てた目撃者は無視された。そして、判決言い渡しの基になった唯一の有罪証拠は関係した警官達の証言だったが、かれらはかれらの法廷の言明にいくつもの矛盾をもたらした。
「サラゴサ6の赦免を求める母親と父親のプラットホーム」が述べるように、「この裁判には有罪とする証拠は全く出されていない、そのため、裁判されていたものは事実上、あらゆる完全な民主主義の基礎であるまさに抗議する権利そのものなのだ」。
この懸念は、特に警察に贈られた権力を理由に、人権への影響、およびスペイン政府の「言論圧迫法」が内包する潜在的な抑圧性を強く非難している国際諸組織の多くの判決や告発によって裏書きされてきた。アムネスティ・インターナショナルは、サラゴサ6の件を、抗議する権利を弱体化する1事例と指摘している。
2021年10月1日、アラゴンの高等裁判所は、判決をさらに厳しくし、若者4人の刑期を7年に延ばした。この判決は、比例を失し不公正と考えられたため、最高裁に上告された。最高裁は最終的に今年2月若者4人に、金銭的罰金判決と共に、刑期4年9ヵ月を言い渡した。
これは、民主的な権利、平等、また自由を擁護して政治的に組織化しているわれわれすべてに対する有罪判決にほかならない。サラゴサ6の逮捕は、抗議行動を系統的に犯罪とし、恐怖を染み渡らせるためにそれらの処罰を追求しようとするような、政治的な決定を反映している。それは、数世紀の闘争を通じて勝ち取られた民主的な権利を上回るように、警察と司法機構の政治的権力を強化しているのだ。
これらの理由から、多くの親類、友人たち、諸々の運動体、そして政治組織や社会の諸組織が、かれらの無実を擁護し、彼らの収監を妨げて、サラゴサ6の支援に関わってきた。この年月の間われわれは、多くの行動を推し進めてきた。例を挙げれば、集会やデモ、この事件を説明するスペイン全土でのイベント、文化界からの支援表明、罰金を払うためのTシャツ販売、署名や身元保証を集める活動、メディアへの登場、アラゴン議会、国会、EU議会での発言、などだ。
4人の若者は、収監判決に加え重い金銭的懲罰に直面している。収監判決と金銭の判決は同じように不公正だ。罰金は、労働者階級の若者や彼らの家族や友人に有罪宣告するもうひとつの方法なのだ。それこそが、われわれが特赦を求めることに加え、これらの罰金を連帯してまかなうのを助けたいと思っている理由だ。皆さんが極右反対のデモが犯罪ではないと考えることを条件に、われわれは皆さんにこのクラウドファンディングで金銭的に協力するよう促したい。(「インターナショナルビューポイント」2024年4月2日)
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