米国 大学で親パレスチナ決起爆発
数十年で最大の学生運動に
シオニストと極右との衝突も
ダン・ラボッツ
春の麗しい日の5月4日のミシガン大学卒業式で、6万2千人の友人と家族有志が、8500人の在校生と6622人の卒業生がかれらの学位を受けるのを見守るために集まった。卒業証書授与が始まる中で、約50人の卒業生がケフィエーをまといパレスチナの旗をもって、「情報公開! 投資撤回! われわれは止まらない、われわれは休まない」と唱和した。
今年多くの卒業式は正常にならないと思われる。インディアナ大学では、数人の卒業生が祝賀式典から退出した。南カリホルニア大学はその卒業式を構内からロスアンジェルス記念会館に移した。今月、他の卒業生の抗議が予想される。
先週を通じて、親パレスチナの学生運動は25州の43カレッジに広がり、数十年のそのような学生運動では最大になった。しばしばパレスチナ人学生によって始められたこれらの抗議行動は、進歩的なユダヤ人や他の多くから支持された。ほとんどのキャンパスで学生はかれらの大学に、イスラエル企業から、特に軍装備品を生産している企業から投資を引き上げること、イスラエル諸機関との結びつきを断ちきること、また停戦支持を求めていた。
かれらはパレスチナとの連帯を訴えて声を上げるキャンプを設営した。そしてかれらの諸々の示威行動は全般的に平和そのもので、キャンパスの通常業務を乱すことも他の学生に脅威を与えることもなかった。それらは反シオニストで、いくつかの反ユダヤ主義的発言はあったものの、反ユダヤ主義ではなかった。
多くの大学管理者は、政治家や寄付拠出者からの圧力の下に、警察を呼び入れ、全国での約2300人の逮捕に導いた。運動が始まったコロンビア大学では112人が逮捕された。他に4つの大学でも各々98人から135人が逮捕された。
暴力的な反抗議活動家が親パレスチナキャンプを攻撃したロスアンジェルスのカリフォルニア大学(UCLA)では、約200人が逮捕された。息子と共にいようとUCLAに出かけたひとりの学生の母親はその有様を、私が受け取ったEメールの中に次のように綴った。
「反抗議は実際のところ怒りにまかせたシオニストと白人至上主義者2千人の共同集会だった。それに続く三日三晩、シオニストの男たちとプラウドボーイ(米国の極右団体:訳者)の連携者からなるゴロツキどもが、大音響の音楽を鳴らし、明るい光を浴びせ、レイシズムとホモ排撃の悪口雑言をわめき散らし、木材や鉄パイプを投げつけ、香辛料やヘアスプレイをまき散らして抗議参加者を攻撃した。警官はそこにいた。まさにそこに。しかしかれらは何もしなかった。2ダースの子どもたちが病院に送られた。大学当局はこの攻撃を、キャンプを片付けるための口実として利用した」「私は私の子どもを、また抗議をしてきた何万人のすべて、さらに逮捕された200人を誇りに思っている。これは終わっていない。フリー、フリー、パレスチナ」、この母親はこう書いた。
大学当局すべてが警察を呼び入れたわけではなかった。いくつかの当局は、かれらの仕事は言論の自由を守り、それが実現できるキャンパスを維持することだ、と語った。かれらは学生と交渉し、学生の要求が大学理事会に提出されるだろうということに全体として合意した。そこには6つの大学が含まれる(具体名は省略:訳者)。
バイデン大統領は抗議行動に関し「第1は、自由な言論の権利、人々が平和的に集会し、かれらの声を聞こえるようにする権利だ。第2は、法の支配だ。両方とも確認されなければならない」と発言した。しかしバイデンがそういったとしても、この抗議が彼の立場を変えることはないだろう。
学生たちはかれらの抗議を続けるつもりだと語る。しかし卒業式の後、キャンパスは空になるだろう。この運動が続くべきであるならば、今家に戻っている学生たちには新しい戦略が必要になるだろう。(2024年5月5日)(「インターナショナルビューポイント」2024年5月9日)
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