中国彭載舟のスローガンの精神に同意する

民主主義求める大衆運動に連帯を

2022年12月19日
第4インターナショナル・執行ビューロー

 海外に四散した華人の第4インターナショナル支持者が、中国内で進行中の抗議運動の重要性を略述した声明を公表し、ビューローはそれを承認した。

コロナ政策転換
民衆は勝利した


 ウイグル人が犠牲者の大半を占めたウルムチの高層アパート火災は(訳注1)、数十年で国内最大の大衆運動に結晶化した。この火災は、欠陥を内包した中国のロックダウンを伴うゼロ・コロナ政策の結果だった。その政策は長期にわたって、国中の多数の人々の移動の自由をふくむ基本人権を、さらに基本的な必要物の入手の自由さえも奪ってきた。
 これらの過酷な政策は新しいものではない。この2年のあいだ、多くの地方ではロックダウンに対して数多くの抗議行動が行われていた。よく知られているのは、鄭州のフォックスコン(ホンハイ科技集団)工場の事件である。同工場では生産を維持するために、地元政府の承認のもとで工場内に労働者を閉じ込めるバブル方式が実施され、労働者が強制的労働に苦しめられることになった。労働者たちは、その後の全国的な抗議行動への重要な序曲となる抗議行動を敢行したが、それはフォックスコン社の利益の側に立った警察による弾圧で迎えられた。
 1989年の民主化運動とそれを弾圧した天安門事件以降、中国が新自由主義的転換を加速する中で、大衆運動はある種の無風状態が続いてきた。地方的で山猫的な行動は諸々広がってきたものの、市民社会を貫く部門横断的で自立的な大衆運動の建設は成功してこなかった。
 習近平の権力掌握をもって、抑圧は統治における中国の権威主義をさらに深め、加速した。大衆的な闘いの兆しは、しばしば体制自身が煽った結果であったが、漢民族と他のエスニック集団間の、またそれら内部における多重分断構造によって、闘争の大衆化はさらに分断された。われわれは、今回の様々な抗議行動がこのような深刻な分断の克服に向けて、中国民衆の政治意識における重要な転換の兆しを告げていると確信する。
 中国国内の抗議行動は、西側の右翼グループによる反マスクや反ワクチンの抗議行動と同じものと見なすべきではない。中国の民衆は強制的なゼロ・コロナ政策に満足していないのだ。パンデミックのあいだ民衆は、自らの意に反して大規模な方艙医院スタイルの病院(訳注2)に強制入院させられた。そしてそこはしばしば感染を悪化させた。また多くの住民が、何日も何週間も、時には基本的な必要物資も入手できないまま、マンション棟ごとのロックダウンによって建物内に閉じ込められた。
 中国各地での大規模な闘いは、数年にわたる強制的なゼロ・コロナ政策を後退させることを体制に強制した。換言すれば、民衆が最初の戦闘で勝利を勝ち取ったのであり、そのことを認識することが重要である。

闘いの前面には
女性たちがいた


 パンデミックの被害を緩和することが可能だったと思われる長期的な医療インフラへの体制の投資は、不経済かつ反民主的な[全住民に対する強制的な]PCR検査とロックダウンを優先したことで、実際には減少した。[感染拡大が予想される今後]政府は不可避的に、その医療体制への圧力に直面するだろう。そしてわれわれは、その弁解者たちが抗議に決起した者たちに罪をなすりつけるのを予想できるかもしれない。しかしながらわれわれは、基本的な責任は政府にあることを思い起こさなければならない。
 この数十年、特にパンデミック期間中、中国政府は、中核的な社会サービスの民営化、そして雇用の不安定化と新しい搾取形態に向けて労働力を解放してきた。特に女性は、これらの方策の前面に立たされた。子どものケアと他の社会的給付は今急速に民営化され続けるか、「官民連携」モデルに移行してきた。そして農民工や女性労働者は、社会的再生産の重荷を支えつつ、一層不安定になりつつある雇用関係に閉じ込められている。
 同時にわれわれは、この始まったばかりの大衆運動に高次の政治的明晰さを提供する上で、女性および周辺化された諸グループが先導的な位置にいることを強調しなければならない。われわれは、大衆的な抗議行動のスペースにおいて、より保守的な部分に異議を提起する点で今先頭に立っているフェミニストおよび周辺化された諸グループの努力に光を当てたいと思う。海外の中国人活動家たちは、ひとつの中心的な要求として、ウイグル人や他の非漢族エスニックグループの闘争を推し進めるために圧力を高めてきた。フェミニストやLGBTQ+活動家は、当地や海外の諸闘争を率いただけではなく、ある者たちは、抗議行動のスペースにおける、ジェンダーに基づいた暴力に反対するもっと良好なフェミズム的処置を求めて闘うことも追求してきた。

ウィグル人
との連帯を


 われわれはまた、この抗議行動が、中国のもっとも監視が強く抑圧された地域のひとつである「新疆」で始まった、ということも認識している。そこではウイグル人が何年ものあいだ自己決定権を否認されてきた。多数のウイグル人と他の非漢族エスニックグループが、中国国家自身の言葉でいえば「再教育キャンプ」に拘留されてきた。ちなみにこの方式は、「英国、フランス、また他の諸国の実践を範例にした」ものであり、パレスチナ人に対するイスラエルの反乱鎮圧戦術からヒントを得ている。

最緊急の要求
は基本的自由


 社会主義者は、ウイグル人やその他の人々の自決権を求める訴えを、断固として支持しなければならない。たとえそれが西側帝国主義者らの要求に組み込まれていても、である。たとえばレーニンは1916年に「ひとつの帝国主義大国に反対する民族解放の闘いは、一定の条件の下で、同じく帝国主義的な利益から別の『大』国によって利用されることがあるかもしれないとしても、それが社会民主主義者に自己決定に対する諸民族の権利を認めることを放棄する気にさせるような重みを持ってはならない。それは、政治的欺瞞と金銭的ドロボーという目的で共和主義的スローガンを利用する数知れないブルジョアジーの場合にもそうはならないことと同じだ」と語った。
 社会主義者は、今回の大衆的な闘いという脈絡において自決権を求めるウイグル人の自立的要求を中心に置き続けつつ、西側の帝国主義たちと一部のウイグル人民族主義者エリート間のなれ合いに対するオルタナティブを構築するために奮闘しなければならない。
 社会主義者は、この大衆の政治意識の覚醒に、他にどのように貢献することができるだろうか。われわれは、デモ参加者に連帯を示す他の社会主義組織や反資本主義団体の努力を歓迎し、多元的な社会運動の構築を支援するわれわれのコミットメントを強調する。革命的社会主義者として、われわれは、闘争に参加することによって、大衆運動のあらゆる側面から教訓を学び、総合化することに最善を尽くす。
 われわれのスタンスは明確である。権威主義的な官僚資本主義もブルジョア民主主義も、人々の基本的な民主的権利を十分に実現することはできない。必要なのは、広範な反資本主義プログラムのもとで、労働者、女性、その他の労働者階級や疎外された人々の組織から民主的に構成される多党制システムである。私たちは、これらの考えを主張するために社会主義組織の役割を奨励するが、その考えを注入するためやメンバーを勧誘するためだけに運動に参加することはしない。また大衆運動の自発性や自律性を代行しようとも思わない。もっとも急を要する任務は、自らの民主的な権利、つまり言論、集会、自己組織化に対する人民の基本的な自由を侵害する法制度の撤廃を求めている大衆運動を支援し、そこに力を与えることである。特にわれわれは、この10月の中国共産党全国大会の直前に勇敢にも北京の四通橋に掲げられた彭載舟のスローガンの精神に同意する。彭は、普通選挙権と習近平の独裁的支配の廃止を求める市民社会のあらゆる層からの自立した大衆運動を訴えて声を上げた。しかしながら社会の基本的な階級関係が無傷で残される場合、ブルジョア議会制度では助けにならず、実際には経済的再配分と抜本的な体系的改革に基づく民主的なシステムへの真のビジョンを制限するだけだと確信する。

以下の具体的な
要求を支持する


 したがって、われわれは、以下の国内外の香港人並びに中国人の社会主義者が提起した要求に対するわれわれの支持を改めて表明する。

1.人々を自宅で強制隔離し、人々の基本的ニーズの権利を否認するロックダウンを中止すること。
2.コロナの強制的PCR検査を廃止すること。
3.重症者には病院で治療を受ける権利があるが、感染者の自宅療養も許可すること。感染者や接触者の臨時療養「病院」への強制的移送と隔離を中止すること。
4.個々人に即した医療ケアを選択する権利を認め、多様なワクチンの選択を与えること。
5.四通橋で抗議に決起した彭載舟、および抗議活動を理由に勾留されている他の政治囚を釈放すること。
6.無責任なロックダウン処置が原因で亡くなった人々に対する全国的追悼を呼びかけること。
7.パンデミックに対する誤った対処に責任がある官僚たちを確実に罷免すること。
8.パンデミックをコントロールする方策は、医療専門家によって実効性を与えられ、人民内部で民主的に実施すること。
9.言論、集会、組織化、また抗議に対する人民の権利を保障すること。
10.996ワーク(訳注3)のような反労働者的な慣行を禁止し、労働者のストライキ権や自己組織化権の保護を含む労働法上の保護を強化し、政治生活にもっと幅広く参加できるようにすること。

 これらの要求は、現場での諸要求のもっとも進歩的な定式を反復し統合することで、中国の政治システムに対するより深い批判が生まれる可能性が開くことを追求している。つまり、民主主義に対するこれらの要求の真の実現は、中国の権威主義体制の力の源泉である商品資本主義システムを打倒することにおいてのみ可能だという想定である。
 社会主義者にとっての任務は、大衆的な抗議行動の自己組織化に参加し、それを勇気づけることを継続し、その中で、民主的な改良を求める最小限綱領と革命的な社会主義の間にかけ橋をかける方法を模索し続けることにある。
 米中間の帝国主義的な対立によって悪化した進行中の気候危機に照らして、われわれは、生産、自分たちの生活、そして社会の運営方法を民主的かつ集団的に組織する人民の能力を中心とするエコ社会主義が解毒剤であると確信している。これは、中国内の、またその他の世界での、強力かつ自立した大衆運動がなければあり得ないだろう。

 中国全土の人民、特に「新疆」の占領された地に暮らすウイグル人と他の非漢族エスニックグループとの連帯を!(「インターナショナルビューポイント」2022年12月21日)

訳注1 公式発表は死者10名。民族別の公表はされていないが、少なくともウイグル人のシングルマザー1人とその子ども4人が火災で亡くなっている。
訳注2 スタジアムや展示場などの既存公共施設を医療施設に改造して突貫工事で建設された大規模な簡易入院施設。
訳注3 中国で蔓延する朝9時から夜9時まで週6日間の長時間労働を指す。

THE YOUTH FRONT(青年戦線)

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